[index] CentreCOM AR415S コマンドリファレンス 2.9

運用・管理/コマンドプロセッサー


  - ログイン
  - コマンドプロンプト
  - コマンドライン編集キー
  - コマンド入力時の注意事項
  - コンソールメッセージ
  - コマンド入力補助機能
   - 入力候補の表示
    - 次のキーワード候補を表示
    - 入力途中のキーワード候補を表示
   - キーワードの補完
   - パラメーター値の説明
  - オンラインヘルプ
  - 端末画面のページ当たり行数
  - エイリアス(別名)


本製品に対する設定は、コンソールポート(非同期シリアルポート)に接続したコンソールターミナル、または、ネットワーク上のTelnetクライアントから、コマンドプロセッサー(コマンドラインインターフェース)にアクセスして行います。ここではコマンド入力に関する基本的な事柄について説明します。

 

ログイン

コマンドプロセッサーにアクセスするには、コンソールポート(非同期シリアルポート)に接続したコンソールターミナルからログインするか、Telnet経由でログインする必要があります。

Note - Telnetを使用するには、あらかじめコンソールターミナルからログインし、本製品にIPアドレス等を設定しておく必要があります。ご購入時の状態ではIPが有効になっていないため、初回ログイン時は必ずコンソールからログインすることになります。なお、IPの設定については「IP」の章をご覧ください。

コンソールターミナルを接続するかTelnetで接続すると、「login: 」というログインプロンプトが表示されます。コンソールターミナルを接続してもログインプロンプトが表示されない場合は、「Enter」を何回か押してみてください。

ご購入時の状態では、Manager(管理者)レベルのユーザー「manager」だけが登録されています。初期パスワードは「friend」です。「login:」に対してユーザー名「manager」を、「Password:」に対してパスワード「friend」を入力してください。ログインに成功すると、コマンドプロンプトが表示されます。


Note - デフォルトのパスワードを使い続けることはセキュリティー上好ましくありませんので、初回ログイン時に変更することをお勧めします。詳細は「運用・管理」/「ユーザー認証データベース」をご覧ください。

Note - Telnet接続の場合、ログインプロンプトが表示されてから1分以内にログインしないと、Telnetセッションが切断されます。

Note - 既定回数(デフォルトは5回)連続してログインに失敗すると、コンソールターミナルでは一定時間(デフォルトは10分)ログインプロンプトが表示されなくなります。また、Telnet接続の場合はセッションが切断され、該当クライアントからのTelnet接続要求が同じ期間拒否されるようになります。これらの設定は、SET USERコマンドのLOGINFAIL、LOCKOUTPDパラメーターで変更できます。

 

コマンドプロンプト

デフォルトの設定では、どのユーザーレベルでログインしているかによってコマンドプロンプトの表示が異なります。

Note - SET ASYNコマンドのPROMPTパラメーターでプロンプト文字列を変更している場合は、ユーザーレベルに関わりなく設定した文字列が表示されます。


なお、SET SYSTEM NAMEコマンドでシステム名(sysName)を設定しているときは、「>」の前にシステム名が表示されます。複数のシステムを管理しているような場合、システム名にわかりやすい名前を付けておくと各システムを区別しやすくなり便利です。


 

コマンドライン編集キー

コマンドラインでは、以下の編集機能を使うことができます(VT100互換の端末エミュレーターが必要です)。

表 1
キー
機能
1文字右に移動
1文字左に移動
Ctrl/A 行頭に移動
Ctrl/E 行末に移動
DeleteまたはBackspace カーソルの左にある文字を削除
Ctrl/U コマンド行の消去
Ctrl/O 挿入モード(デフォルト)と上書きモードの切り替え
↑またはCtrl/B コマンド履歴をさかのぼる
↓またはCtrl/F コマンド履歴を進める
TabまたはCtrl/I 入力途中のキーワードを補完、あるいは、次に入力可能なキーワードの候補一覧を表示
Ctrl/R 入力途中のコマンドとマッチする最新のコマンド履歴を表示
Ctrl/Q SHOW XXXX コマンドの表示を中断


 

コマンド入力時の注意事項

コマンド入力時には以下のことがらに注意してください。

■ 1行で入力できるコマンドの最大文字数はスペースを含めて1000文字です。通常の用途では事実上無制限ですが、コマンド行が長くなり1行におさまらない場合は、コマンドの省略形を使うか、コマンドを複数行に分けてください(ADDとSETなど)。

Note - SET SYSTEM NAMEコマンドでシステム名を設定している場合は、システム名の分だけ短くなります。

■ 「ADD」、「IP」などのキーワード(予約語)は大文字小文字を区別しないので、どちらで入力してもかまいません。一方、パラメーターとして与える値の中には、パスワードのように大文字小文字を区別するものと、ユーザー名のように大文字小文字を区別しないものがあります。コマンドリファレンス等でご確認の上入力してください。

■ コマンドは一意に識別できる範囲で省略可能です。たとえば、SHOW FILEコマンドは次のように省略して入力することができます。


Note - コマンドの省略形は、キーワードの増減によって変更される可能性があります(ソフトウェアのバージョンによって異なる可能性があります)。

■ ログインユーザーの権限(ユーザーレベル)によって実行できるコマンドが異なります。通常の管理作業はManagerレベルで行います。また、セキュリティーモードではSecurity Officerレベルの権限が必要です。

■ コマンドの効果は(エラーがなければ)入力直後にあらわれます。再起動などを行う必要はありません。ただし、設定内容は再起動すると消えてしまうので、再起動後にも同じ設定を使いたいときはCREATE CONFIGコマンドでファイルに保存してください。詳細は「運用・管理」の「コンフィグレーション」などを参考にしてください。

 

コンソールメッセージ

コマンド入力後、実行結果や構文エラーを知らせるメッセージが表示されることがあります。


■ メッセージは次のような形式になっています。


 

コマンド入力補助機能

コマンドプロセッサーには、コマンドの入力を補助する機能がいくつか備わっています。コマンド入力補助機能には次の種類があります。


これらの補助機能を利用するには、コマンドの入力途中で「?」か「TAB」キーを入力します。次にコマンド入力補助機能の使い方をまとめます。

表 2:コマンド入力補助機能の使い方
書式
使用方法
機能
入力候補の表示(次のキーワード)
? または <TAB> コマンドラインの先頭で「?」か「TAB」キーを入力 コマンドラインの先頭で入力可能なキーワードの一覧を表示する
keywords ? または keywords <TAB> 1つ以上のキーワード(keywords)を入力した後、スペースを入れ、その後で「?」か「TAB」キーを入力 カーソル位置に入力可能なキーワードの一覧を表示する
入力候補の表示(入力途中のキーワード)
partial-keyword? 何らかの文字列(partial-keyword)を入力した後、スペースを入れずに「?」を入力 カーソル位置に入力可能なキーワードのうち、partial-keywordで始まるものの一覧を表示する
キーワードの補完
partial-keyword<TAB> 何らかの文字列(partial-keyword)を入力した後、スペースを入れずに「TAB」キーを入力 カーソル位置に入力可能なキーワードのうち、partial-keywordで始まるものが1つだけであれば、partial-keywordを補完して完全なキーワードにする。partial-keywordで始まるキーワードが複数存在する場合は、候補の一覧を表示する
パラメーター値の説明
keyword=? または keyword=<TAB> 何らかの文字列(keyword)を入力した後、等号(=)を入れ、その後で「?」か「TAB」キーを入力 keywordをパラメーター名と見なし、同パラメーターに指定可能な値の説明を表示する


以下、それぞれの機能について、実例を挙げながら解説します。

 

入力候補の表示

入力候補の表示機能は、現在のカーソル位置に入力可能なキーワード(コマンド名やパラメーター名、オプション名)の一覧を表示する機能です。コマンドの入力途中で「?」や「TAB」キーを入力することによって使用します。

Note - 「?」や「TAB」キーで表示されるキーワードの中には、サポート対象外のものも含まれます。原則として、本コマンドリファレンスに記載されていないコマンドやキーワード、機能はサポート対象外となります。詳細はリリースノートなどでご確認ください。

入力候補のキーワードは1行に1つずつ表示されます。また、コマンドラインの先頭キーワード(ADD、ENABLEなど)やモジュール名キーワード(SYSTEM、IPなど)の場合は、簡単な説明(英文)も表示されます。

 

次のキーワード候補を表示

コマンドラインの先頭で「?」か「TAB」キーを押す、あるいは、いくつかのキーワードを入力した後にスペースを入れ、その後「?」か「TAB」キーを押すと、次に入力可能なキーワードの一覧が表示されます。

■ たとえば、コマンドラインの先頭で「?」か「TAB」キーを押すと次のように表示されます(実際には「?」やタブ文字は表示されません)。


画面の左側に列挙されているのが、コマンドラインの先頭キーワードとして有効な単語の一覧です(表示項目はファームウェアのバージョンによって異なる可能性があります)。大文字の部分は、各キーワードを一意に識別するため、最低限入力しなくてはならない部分を示しています。

画面の右側は、キーワードの簡単な説明(英文)です。

Note - 「?」や「TAB」キーで表示されるキーワードの中には、サポート対象外のものも含まれます。原則として、本コマンドリファレンスに記載されていないコマンドやキーワード、機能はサポート対象外となります。詳細はリリースノートなどでご確認ください。

■ つぎに、コマンドラインでさきほどの候補一覧から「SHOW」を入力し、さらに半角スペースを一文字入力した上で再度「?」か「TAB」キーを押すと、次のように表示されます。


■ さらに「SYSTEM」を入力し、半角スペースを一文字入力した上で再度「?」か「TAB」キーを押すと、次のように表示されます。


<enter>は、これ以上キーワードを入力せずに「Enter」キーを押してコマンドラインを完成させることもできる、という意味です。この例では、「show system」だけでも、コマンドラインとして完結していることを示しています。

 

入力途中のキーワード候補を表示

コマンドラインに何らかの文字列を入力した後、スペースを入れずに「?」を入力すると、カーソル位置に入力可能なキーワードのうち、入力した文字列で始まるものの一覧が表示されます。

■ たとえば、コマンドラインに「a」と入力した後、スペースを入れずに「?」を入力すると、次のように表示されます(実際には「?」は表示されません)。


■ また、「add ip h」と入力した後で「?」を入力すると、次のように表示されます。


■ 指定した文字列で始まるキーワード候補がないときは、次のように表示されます。この例は、「add ip」の後に「g」で始まるキーワードは指定できないことを示しています。


 

キーワードの補完

一つ前で説明した「入力途中のキーワード候補を表示」とよく似ていますが、コマンドラインに何らかの文字列を入力した後、スペースを入れずに「TAB」キーを入力すると、カーソル位置に入力可能なキーワードのうち、指定した文字列で始まるものが1つだけの場合、入力途中のキーワードを補完して完全なキーワードにしてくれます。指定した文字列で始まるキーワードが複数存在する場合は、「?」キーと同じく候補の一覧が表示されます。

■ たとえば、コマンドラインに「ad」と入力した後、スペースを入れずに「TAB」キーを入力すると、次のように表示されます(実際にはタブ文字は表示されません)。


■ また、「add ip h」と入力した後で「TAB」キーを入力すると、「add ip」の後に「h」で始まる候補は2つあるため、次のように表示されます(「?」キーのときと同じ)。


■ ここで、もう一文字「o」を入力してから「TAB」キーを押すと、候補が1つになるため、次のように補完されます。


■ 指定した文字列で始まるキーワード候補がないときは、何も表示されず、コマンドラインも変更されません。この例は、「add ip」の後に「g」で始まるキーワードは指定できないことを示しています。


 

パラメーター値の説明

コマンドライン上でキーワードを入力した後、等号(=)を入れ、その後で「?」か「TAB」キーを入力すると、指定したキーワードをパラメーター名と見なし、該当パラメーターに指定すべき値の説明が表示されます。

■ たとえば、コマンドラインで「set switch port=」と入力してから「?」か「TAB」キーを押すと、次のようにPORTパラメーターに指定すべき値の説明が表示されます。


■ 真偽値(TRUE/FALSE、ON/OFF、YES/NO)など、特定の値・キーワードを取るパラメーターの場合は、次のように表示されます。


■ 指定したキーワードが値を取れない場合は、次のように表示されます。この例は、「enable ip」の「ip」には値を指定できないことを示しています。


 

オンラインヘルプ

オンラインヘルプを見るには、HELPコマンドを使います。

■ オプションなしでHELPコマンドを実行すると、ヘルプファイルのトップページが表示されます。


■ トップページの一覧にしたがい、表示させたいトピックを指定すると該当項目が表示されます。


■ トピックによってはさらに深い項目がある場合もあります。その場合は画面の表示にしたがってトピック名を多段で指定します。


■ ヘルプファイルはソフトウェアとともに配布されています。HELPコマンドが使用するヘルプファイルはSET HELPコマンドで変更できます。


 

端末画面のページ当たり行数

デフォルトの端末設定では、1ページあたり行数が22に設定されています。コマンドの出力結果が22行よりも長い場合は21行ごとに表示が一時停止し、最下行に次のようなメッセージが表示され、キー入力待ち状態になります。


ここでは次のキー操作が可能です。

表 3
Space 次の1ページを表示します
Enter 次の1行を表示します
c 残りすべてを一気に表示します
q 表示を中止し、プロンプトに戻ります


一度表示された行をさかのぼることはできません。

■ ページ当たり行数はSET ASYNコマンドで変更できます。


■ ページ単位の一時停止を無効にするには、PAGEパラメーターにOFFを指定します。


■ 一時停止後に「C」キーを押した場合や一時停止を無効にしている場合は、コマンドの出力が完了するまでプロンプトが表示されません。このようなときは、Ctrl/Q(Ctrlキーを押しながらQキーを押す)で表示を中断することができます(コマンドによっては中断できないこともあります)。

 

エイリアス(別名)

コマンドエイリアス機能を利用すると、長いコマンド行に短い別名を付けることができます。

■ エイリアスの定義はADD ALIASコマンドで行います。たとえば、「ls」でファイル一覧が表示されるようにするには、次のようにします。


エイリアスは入力直後に一回だけ展開され、その後コマンド解析部に送られます。展開されたコマンド行にエイリアスが含まれていても再帰的に展開されることはありません。

■ エイリアスの一覧はSHOW ALIASコマンドで確認できます。


■ エイリアスを削除するにはDELETE ALIASコマンドを使います。








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