[index] CentreCOM AR415S コマンドリファレンス 2.9

IPマルチキャスト/IGMP


IGMP(Internet Group Management Protocol)は、LAN上のマルチキャスト対応ルーターとホストがメッセージを交換しあい、LAN上にどのマルチキャストグループのメンバーがいるかを把握するためのプロトコルです。

ルーターはIGMPを通じて得た情報をもとに、他のルーターから受け取ったマルチキャストパケットを配下のLANに転送するかどうか判断したり、他のルーターに対して特定グループ宛てのパケットを配送してくれるよう依頼したりします。

通常、IGMPはマルチキャスト経路制御プロトコル(DVMRP、PIM-DM、PIM-SM)と組み合わせて使います。デフォルトでは、IGMPは無効になっています。

本製品をIGMP Querierとして動作させるための設定手順は次のとおりです。IGMPを使用するには、IPの基本設定が必要です。以下の説明では、IPインターフェースの設定までは完了しているものと仮定します。

  1. IGMPを有効にします。


  2. IGMPを使用するインターフェース(VLAN)を指定します。これにより指定したインターフェースでIGMPメッセージの送受信が行われるようになります。


■ IGMPに関する情報を確認するにはSHOW IP IGMPコマンドを使います。

■ IGMPタイマーを変更するにはSET IP IGMPコマンドを使います。ただし、タイマーはほとんどの環境で動作するようデフォルト値が設定されているため、通常変更する必要はありません。

■ IGMPを無効にするにはDISABLE IP IGMPコマンドを使います。

■ 特定インターフェースでIGMPを無効にするにはDISABLE IP IGMP INTERFACEコマンドを使います。

■ IGMP/IGMP Snoopingで以下の範囲のIPアドレスは、予約されたマルチキャストMACアドレスにマッピングされるため、グループアドレスとして利用できません。

表 1:マルチキャスト用IPアドレスとMACアドレスの対応表
IPアドレス
MACアドレス
224.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
224.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
225.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
225.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
226.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
226.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
227.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
227.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
228.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
228.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
229.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
229.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
230.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
230.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
231.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
231.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
232.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
232.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
233.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
233.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
234.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
234.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
235.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
235.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
236.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
236.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
237.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
237.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
238.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
238.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
239.0.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx
239.128.0.0/24 01-00-5E-00-00-xx


また、同一セグメント内では最上位の9ビットが同じマルチキャストグループアドレスを使用してください。
たとえば、229.10.10.10と229.138.10.10は同一セグメント内で利用できますが、230.10.10.10は利用できません。

■ スイッチポートごとにJoin可能なマルチキャストグループを制限するには、IGMPフィルター機能を使います。

IGMPフィルター機能を利用するには、IGMPフィルターを作成して、スイッチポートに適用します。以下、IGMPフィルターの具体的な使用手順を示します。

  1. IGMPフィルターを作成します(CREATE IGMP FILTERコマンド)。


  2. IGMPフィルターにエントリー(ルール)を追加します(ADD IGMP FILTERコマンド)。
    各エントリーでは、対象グループ(範囲指定も可)とアクション(許可・拒否)を指定してください。
    IGMPフィルターは、エントリー番号の小さい順に検索され、最初にマッチしたエントリーでアクションが適用されます。

    Note - IGMPフィルターの末尾には、すべてのグループを拒否(EXCLUDE)する暗黙のエントリーが存在することに注意してください。

    特定のグループだけを許可したい場合(デフォルト拒否)は、許可するグループだけを列挙します。たとえば、239.1.4.7と239.1.4.201にしかJoinできないようにするには、次のように設定します。


    一方、特定のグループだけを拒否したい場合(デフォルト許可)は、最初に拒否するグループを列挙した上で、最終エントリーですべてのグループを許可するよう設定します。たとえば、239.2.5.8にだけJoinできないようにするには、次のように設定します。


  3. IGMPフィルターをスイッチポートに適用します(SET SWITCH PORTコマンド)。
    たとえば、スイッチポート4にIGMPフィルター「1」を適用するには、次のようにします。


    設定は以上です。




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