[index] CentreCOM AR550S コマンドリファレンス 2.9

SET OSPF

カテゴリー:IP / 経路制御(OSPF)


SET OSPF [ASEXTERNAL={ON|OFF|NSSA}] [DEFROUTE={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO} [TYPE={1|2}] [METRIC=0..16777215]] [DYNINTERFACE={STUB|ASEXTERNAL|NONE|NO|OFF|FALSE}] [RIP={OFF|EXPORT|IMPORT|BOTH}] [ROUTERID=ipadd] [BGPIMPORT={ON|OFF}] [BGPLIMIT=1..4000] [BGPFILTER={NONE|300..399}] [AUTOCOST={ON|OFF}] [REFBANDWIDTH=10..10000] [STATICEXPORT={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO}] [PASSIVEINTERFACEDEFAULT={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO}]

ipadd: IPアドレス


OSPFのグローバル設定パラメーターを変更する。



パラメーター

ASEXTERNAL: AS境界ルーター(ASBR)として動作させるかどうか。ONを指定した場合は、AS外部の経路情報(他の経路制御プロトコルの情報とスタティック経路)をAS内に通知する。このとき、通常エリアにはタイプ5のLSAで、準スタブエリア(NSSA)にはタイプ7のLSAで通知する。NSSAを指定した場合は、準スタブエリア(NSSA)にだけタイプ7のLSAで通知する。デフォルトはOFF。

DEFROUTE: ASBRに手動でデフォルトルートを設定していない場合に、ASBRをデフォルトルート(0.0.0.0)としたAS外部LSAをASBR自身に生成させ、AS内に通知するかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF

TYPE: デフォルトAS外部LSAのメトリックタイプ(1または2)。DEFROUTE=ONの場合のみ有効。デフォルトは2。

METRIC: デフォルトAS外部LSAのメトリック。DEFROUTE=ONの場合のみ有効。デフォルトは1。

DYNINTERFACE: 動的に生成されるダイナミックインターフェースへの経路をどのタイプの経路情報として取り込むか。STUBを指定した場合はスタブリンクとして、ASEXTERNALを指定した場合はAS外部リンク広告として取り込む。NONEを指定した場合は、ダイナミックインターフェースの経路情報を取り込まない。デフォルトはNONE。

RIP: RIPとOSPFの間でどのように情報をやりとりするかを指定する。EXPORTを指定した場合、OSPFの経路情報がRIPのルーティングテーブルに取り込まれる。IMPORTを指定した場合、RIPの経路情報がOSPFのルーティングテーブルに取り込まれる。BOTHを指定した場合は、OSPFとRIPで互いに情報を交換しあう。OFFを指定した場合は、RIPとOSPFのやりとりは行われない。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF。

ROUTERID: ルーターID。IPアドレスと同じ形式で指定する。指定しなかった場合は、インターフェースに設定されたIPアドレスの中でもっとも大きなものがルーターIDとして使われる。

BGPIMPORT: BGP-4で学習した経路をOSPFのルーティングテーブルに取り込むかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF。

BGPLIMIT: 取り込むBGP-4経路の最大数を指定する。「BGPIMPORT=ON」のときのみ有効。指定値に達した場合は、取り込み済みの経路が削除されて空きができるまで、BGP-4経路の取り込みが停止される。デフォルトは1000。

BGPFILTER: 取り込むBGP-4経路を取捨選択するために用いるプレフィックスフィルターの番号を指定する。フィルターの適用をやめるにはNONEを指定する。プレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。「BGPIMPORT=ON」のときのみ有効。

AUTOCOST: OSPFインターフェースのコスト(メトリック)を実際のリンク速度に基づいて自動計算するかどうか。ONのときは、各インターフェースのリンク速度(VLANの場合はリンクアップしているメンバーポートの平均速度)とREFBANDWIDTHパラメーターの値に基づいてコストが自動的に計算される(REFBANDWIDTHパラメーターの説明を参照)。ただし、ADD IP INTERFACEコマンド、SET IP INTERFACEコマンドのOSPFMETRICパラメーターでメトリック値を明示的に指定している場合は、そちらが優先される。デフォルトはOFF。

REFBANDWIDTH: OSPFインターフェースのコスト(メトリック)を自動計算する場合に使う基準値。単位はMbps。AUTOCOST=ONのとき、OSPFインターフェースのコストは、REFBANDWIDTH(Mbps) / インターフェースのリンク速度(Mbps)となる。なお、VLANインターフェースのリンク速度は、リンクアップしているメンバーポートの平均値となる。デフォルトは1000。

STATICEXPORT: スタティック経路に対応するAS外部LSAを生成し、AS内に通知するかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはYES。

PASSIVEINTERFACEDEFAULT: OSPFインターフェースの設定においてPASSIVEパラメーターを省略したときの同パラメーターのデフォルト値を指定する。本パラメーターに値を指定しているときは、ADD OSPF INTERFACEコマンド、SET OSPF INTERFACEコマンドでPASSIVEパラメーターを指定しないと、本パラメーターの値がデフォルト値として用いられる。本パラメーターが未指定のときは、PASSIVE=OFFがデフォルトとなる。デフォルトは未指定。



表 1:ASEXTERNAL、STATICEXPORT、RIP、BGPIMPORTパラメーターを変更したときのコマンド自動変換
変更対象パラメーター
変更方向
コマンド自動変換の詳細
ASEXTERNAL OFF → ON/NSSA ASEXTERNAL=ONはそのまま残る。さらに、STATICEXPORT=YESならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが追加される
STATICEXPORT NO → YES ASEXTERNAL=ON/NSSAならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが追加される
YES → NO ASEXTERNAL=ON/NSSAならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが削除される
RIP OFF/EXPORT → IMPORT/BOTH ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=RIPが追加される(RIP=BOTHに変更したときはSET OSPF RIP=EXPORTも残る)
IMPORT/BOTH → OFF/EXPORT ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=RIPが削除される(RIP=BOTHから変更したときはSET OSPF RIP=EXPORTも削除される)
BGPIMPORT OFF → ON ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPが追加される
ON → OFF ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPが削除される
BGPLIMIT BGPLIMIT=x ADD/SET OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPのLIMITパラメーターもxに変更される



ルーターIDとして「1.1.1.1」を設定する
SET OSPF ROUTERID=1.1.1.1



備考・注意事項

仮想リンクを使用するときは、リンクの両エンドのルーターにルーターIDを設定しておくと設定がやりやすい。

RIPおよびASEXTERNALパラメーターを変更すると、一時的にネットワークが不安定になるので注意。

ASEXTERNALにONかNSSAを指定した場合、スタティック経路は自動的に取り込まれる(STATICEXPORTのデフォルト値がYESのため)。非OSPFインターフェースに接続されたネットワークの経路を取り込むには、ADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=INTERFACEを指定する。RIP経路を取り込むには、本コマンドのRIPパラメーターにIMPORTかBOTHを指定する(またはADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=RIPを指定する)。BGP-4経路を取り込むには、本コマンドのBGPIMPORTパラメーターにONを指定する(またはADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=BGPを指定する)。

ASEXTERNAL、STATICEXPORT、RIP、BGPIMPORT、BGPLIMITの各パラメーターを変更・設定した場合、メモリー上ではADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドに自動変換されることがある(メモリー上の設定内容はSHOW CONFIGコマンドにDYNAMIC=OSPFを付けることで確認可能)。また、本コマンドでこれらのパラメーターを変更・設定した後、CREATE CONFIGコマンドを実行した場合も、同様な変換が行われた上で設定ファイルに書き出される。どのような変換が行われるかは別表を参照。

PASSIVEINTERFACEDEFAULTパラメーターの変更は、新規に作成するOSPFインターフェースでなく、既存のOSPFインターフェース(PASSIVEパラメーターを指定していないもの)にも適用されるので注意。

DYNINTERFACEパラメーターにSTUBかASEXTERNALを指定する場合にはルーターをAS境界ルーター(ASBR)として設定する。また、本パラメーターにASEXTERNALを指定する場合には次のコマンドを追加する。ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=INTERFACE。

RIPパラメーターにEXPORTかBOTHを指定し、OSPF の経路情報をRIP経路に取り込む設定をした場合、元となるOSPF経路のメトリック値によってRIPで通知される経路のメトリック値は次のようになる。
・OSPFメトリック値が8未満の場合:RIPでもそのまま通知
・OSPFメトリック値が8以上の場合:RIPではメトリック値を8に固定して通知



関連コマンド

ADD IP FILTER
ADD OSPF INTERFACE
DISABLE OSPF DEBUG
DISABLE OSPF LOG
ENABLE OSPF DEBUG
SET OSPF INTERFACE
SHOW OSPF



参考

RFC1587, The OSPF NSSA Option
RFC2328, OSPF Version 2


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