[index] CentreCOM AR300/AR700 シリーズコマンドリファレンス 2.3

RSVP/概要・基本設定

対象機種：AR300 V2、AR300L V2、AR720、AR740

  - RSVP基本機能
  - RSVPプロキシーエージェント機能

RSVP（Resource Reservation Protocol）は、ルーター間で特定IPトラフィック用に一定帯域を予約し、帯域を保証するためのプロトコルです。

Note - RSVPはAR320では使用できません。

本製品は、次の2つの機能を提供します。

RSVP対応ルーターとしての基本機能：RSVPの帯域予約メッセージ（PATHとRESV）を中継し、これらメッセージの要求に基づいて帯域を予約します。この機能を使うためには、各端末がRSVPをサポートしている必要があります。
RSVPプロキシーエージェント機能：特定のトラフィックフロー（たとえば、ホストAからBのTelnetトラフィック）に対して、本製品が代理でRSVPメッセージを送受信し帯域を確保します。端末がRSVPをサポートしている必要はありません。

RSVP基本機能

■ RSVPの基本機能を使用するには、ENABLE RSVPコマンドでRSVPモジュールを有効にし、ENABLE RSVP INTERFACEコマンドでRSVPメッセージの送受信を行うインターフェースを指定するだけです。


ENABLE RSVP ↓

ENABLE RSVP INTERFACE=ppp0 ↓

ENABLE RSVP INTERFACE=eth0 ↓

RSVPプロキシーエージェント機能

プロキシーエージェント機能を利用する場合は、どのトラフィックに対して、どれだけの帯域を確保するかをあらかじめ設定しておく必要があります。

■ RSVPプロキシーエージェントを有効にするには、ENABLE RSVP PROXYコマンドを使います。

ENABLE RSVP PROXY ↓

■ 送信側プロキシーを作成するには、CREATE RSVP PROXYコマンドのTYPEパラメーターにPATHを指定します。送信側プロキシーは、配下のLANから特定の宛先に向けたパケットを受信した場合に、送信者の代理でPathメッセージを送信します。対象トラフィックは、次の各パラメーターで指定します。

表 1

送信側 PATH=ipadd/port [PMASK=ipadd]

受信側 SESSION=protocol,ipadd[/port[-port]] [SMASK=ipadd]

また、トラフィックの仕様（使用する帯域）は、TSPECパラメーターで指定します。TSPECパラメーターは次の形式で指定します。

[t,(r),(d),(p),(m),(M)] ↓

tは文字通りの「t」、それ以外は変数です。意味は次のとおりです。

表 2

(r) 平均転送レート

(d) 平均パケットサイズ

(p) 転送ピークレート

(m) 最小MTU値

(M) 最大MTU値

また、TIMEOUTパラメーターでトラフィックがなくなってから、帯域を解放するまでの時間を指定します。

次に例を示します。


CREATE RSVP PROXY=s TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.20.0/23 PATH=192.168.10.0 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,200] TIM=30 ↓

SET RSVP PROXY=s SMASK=255.255.255.0 PMASK=255.255.255.0 ↓

この例では、192.168.10.0/24から192.168.20.0/24に対するTelnetトラフィックに対する帯域予約を要求しています。

■ 受信側プロキシーを作成するには、CREATE RSVP PROXYコマンドのTYPEパラメーターにRESVを指定します。受信側プロキシーは、配下のLANに対するPathメッセージを受信した場合に、受信者の代理でResvメッセージを返送します。対象トラフィックは、次の各パラメーターで指定します。また、INTERFACEパラメーターで受信者のいる側のインターフェースを指定します。

表 3

受信側 SESSION=protocol,ipadd[/port[-port]] [SMASK=ipadd]

また、受信者に代わって要求するQoS（フロースペック）をFLOWSPECパラメーターで指定します。FLOWSPECパラメーターは次の形式で指定します。

[cl,(r),(d),(p),(m),(M)] ↓

clは文字通りの「cl」、それ以外は変数です。意味はTSPECと同じです。

また、STYLEパラメーターで帯域予約スタイルを指定します。

次に例を示します。


CRE RSVP PROXY=r TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.20.0/23 SMA=255.255.255.0 INT=eth0 STY=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,200] ↓

この例では、192.168.20.0/24に対するTelnetトラフィックに対する帯域予約を要求しています。リソース予約形態はFF（Fixed Filter）です。リソース予約形態には、次のものがあります。

FF：Proxyのレンジに引っかかったパケットに対して、予約していた帯域をセッションごとに張ります。帯域はシェアしません。
WF：Proxyのレンジに引っかかったパケットに対して、予約していた帯域の中をすべてのセッションが通り、帯域をシェアします。

PN: J613-M0274-00 Rev.K

送信側	PATH=ipadd/port [PMASK=ipadd]
受信側	SESSION=protocol,ipadd[/port[-port]] [SMASK=ipadd]

(r)	平均転送レート
(d)	平均パケットサイズ
(p)	転送ピークレート
(m)	最小MTU値
(M)	最大MTU値