[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.1.5

access-list ipv6 extended(rule entry)

モード: 拡張IPv6アクセスリストモード
カテゴリー: ファイアウォール / IPv6フィルター


(config-acl-ipv6-ext)# [dynamic] ACTION ipv6 SRCIP DSTIP [IP6OPT] [header-type <0-255>] [log] [sequence <1-65535>]

(config-acl-ipv6-ext)# [dynamic] ACTION <0-255> SRCIP DSTIP [IP6OPT] [header-type <0-255>] [log] [sequence <1-65535>]

(config-acl-ipv6-ext)# [dynamic] ACTION icmpv6 SRCIP DSTIP [IP6OPT] [header-type <0-255>] [ICMP6OPT] [log] [sequence <1-65535>]

(config-acl-ipv6-ext)# [dynamic] ACTION tcp SRCIP [SRCPORT] DSTIP [DSTPORT] [IP6OPT] [header-type <0-255>] [TCPOPT] [log] [sequence <1-65535>]

(config-acl-ipv6-ext)# [dynamic] ACTION udp SRCIP [SRCPORT] DSTIP [DSTPORT] [IP6OPT] [header-type <0-255>] [log] [sequence <1-65535>]

(config-acl-ipv6-ext)# no sequence <1-65535>

(config-acl-ipv6-ext)# no [dynamic] ACTION ipv6 SRCIP DSTIP [IP6OPT] [header-type <0-255>] [log]

(config-acl-ipv6-ext)# no [dynamic] ACTION <0-255> SRCIP DSTIP [IP6OPT] [header-type <0-255>] [log]

(config-acl-ipv6-ext)# no [dynamic] ACTION icmp SRCIP DSTIP [IP6OPT] [header-type <0-255>] [ICMP6OPT] [log]

(config-acl-ipv6-ext)# no [dynamic] ACTION tcp SRCIP [SRCPORT] DSTIP [DSTPORT] [IP6OPT] [header-type <0-255>] [TCPOPT] [log]

(config-acl-ipv6-ext)# no [dynamic] ACTION udp SRCIP [SRCPORT] DSTIP [DSTPORT] [IP6OPT] [header-type <0-255>] [log]


対象拡張IPv6アクセスリストにエントリーを追加する。または、既存エントリーを変更する。
no形式で実行した場合は指定したエントリーを削除する。

拡張IPv6アクセスリストは複数のエントリーから構成されるリストで、検索はシーケンス番号順に行われる。検索時には、最初にマッチしたエントリーで 処理(permitかdeny)が行われ、マッチした時点で検索は終了する。どのエントリーにもマッチしなかった場合はdenyとなる。


パラメーター

dynamic 条件に合致したパケットを双方向のフローとしてキャッシュに登録し、戻りパケットの自動許可とパフォーマンス向上をはかる。permitアクションに対してのみ有効。denyアクションでは無視される
ACTION 条件に合致した場合のアクション。以下から選択する
deny パケットを破棄する
permit パケットを許可する
ipv6 すべてのIPv6パケットを対象とする場合(上位プロトコルタイプを気にしない場合)に指定する
<0-255> 特定の上位プロトコルタイプ(IPv6ヘッダーの次ヘッダーフィールドの値)を持つパケットだけを対象とする場合に指定する。プロトコルタイプは10進数で指定する
icmpv6 ICMPv6パケットだけを対象とする場合に指定する。icmpv6を指定した場合は、ICMP6OPTでICMPv6固有の条件を指定することができる(指定しなくてもよい)
tcp TCPパケットだけを対象とする場合に指定する。tcpを指定した場合は、始点・終点ポート番号とTCP固有の条件を指定することができる(指定しなくてもよい)
udp UDPパケットだけを対象とする場合に指定する。udpを指定した場合は、始点・終点ポート番号を指定することができる(指定しなくてもよい)
SRCIP IPv6アドレス(通常始点IPv6アドレス)。次のいずれかの形式で指定する
host X:X::X:X IPv6アドレス
X:X::X:X/M IPv6アドレスとマスク長。マスク長Mは、対象アドレスとX:X::X:Xの先頭何ビットを比較するかを指定する
any すべてのIPv6アドレスに合致させる場合に指定する。「::/0」と同義
SRCPORT 始点ポート番号。上位プロトコルタイプとしてtcpかudpを指定したときだけ有効。省略時はすべてのポートが対象。ポート番号は次のいずれかの形式で指定する。数値の代わりに定義済みのキーワード(サービス名)で指定することもできる(別表参照)
eq <1-65535> 指定したポート番号と等しいときにマッチ。たとえば、「eq 80」はポート80とマッチする
lt <1-65535> 指定したポート番号より小さいときにマッチ。たとえば、「lt 1024」はポート0〜1023にマッチする
gt <1-65535> 指定したポート番号より大きいときにマッチ。たとえば、「gt 32767」はポート32768〜65535にマッチする
ne <1-65535> 指定したポート番号と等しくないときにマッチ。たとえば、「ne 22」はポート22以外とマッチする
range <1-65535> <1-65535> ポート番号が指定した範囲内のときにマッチ。たとえば、「range 8080 8088」は、ポート8080〜8088にマッチする
DSTIP 終点IPv6アドレス。次のいずれかの形式で指定する
host X:X::X:X IPv6アドレス
X:X::X:X/M IPv6アドレスとマスク長。マスク長Mは、対象アドレスとX:X::X:Xの先頭何ビットを比較するかを指定する
interface IFNAME インターフェース名。指定したインターフェースに設定されているIPv6アドレスとマッチする
any すべてのIPv6アドレスに合致させる場合に指定する。「::/0」と同義
DSTPORT 終点ポート番号。上位プロトコルタイプとしてtcpかudpを指定した場合のみ有効。省略時はすべてのポートが対象。指定方法はSRCPORTと同じ。
IP6OPT := ipv6-option {{dscp <0-63>} | {precedence <0-7> & tc <0-15>}}
IPv6固有の条件パラメーター
dscp <0-63> IPv6ヘッダーのDSCPフィールド値(Traffic Classオクテットの第1〜6ビット)
precedence <0-7> IPv6ヘッダーの優先度フィールド値(Traffic Classオクテットの第1〜3ビット)。数値の代わりに定義済みのキーワードで指定することもできる(別表参照)
tc <0-15> IPv6ヘッダーのトラフィッククラスフィールド値(Traffic Classオクテットの第4〜7ビット)。数値の代わりに定義済みのキーワードで指定することもできる(別表参照)
header-type <0-255> ヘッダータイプ。指定したヘッダーが存在する場合にマッチ
ICMP6OPT := icmp-option {type <0-255> & code <0-255> | message NAME}
ICMPv6固有の条件パラメーター
type <0-255> ICMPv6メッセージタイプ。上位プロトコルタイプとしてicmpv6を指定したときだけ有効。省略時はすべてのタイプが対象になる
code <0-255> ICMPv6メッセージコード。ICMPv6メッセージタイプ(type)を指定した場合のみ有効。省略時はすべてのコードが対象になる
message NAME ICMPv6メッセージ名(別表参照)。
TCPOPT := flags ONFLAGS/CHECKFLAGS
TCPフラグのチェック条件。チェック対象のフラグをCHECKFLAGSに、チェック対象のうちオンであるべきフラグをONFLAGSに列挙する。フラグは、UAPRSFのフラグ名(大文字小文字を区別しない)を「SA」のように並べるか、「0x12」形式の16進数で指定する(別表参照)。たとえば、「SYN=on」かつ「ACK=off」のTCPパケットにマッチさせたいなら、チェック対象が「SA」、オンであるべきフラグが「S」なので、「flags S/SA」または「flags 0x02/0x12」と指定する
log 条件に合致したときログに記録を残したい場合に指定する(本オプションで記録されるログはnoticeレベルになる)
sequence <1-65535> シーケンス番号。対象アクセスリスト内におけるエントリーの位置を指定する。既存エントリーと同じ番号を指定した場合は、既存エントリーの内容を書き換える。エントリーの新規作成時に省略した場合は、リストの最後にエントリーが追加され、シーケンス番号は既存の最後尾エントリーの番号+10になる(最初のエントリーは10になる)。本パラメーターはコマンド行の先頭、末尾のどちらにでも置ける


注意・補足事項

■ 拡張IPv6アクセスリストの末尾には「deny any any」、すなわち、すべてをdenyする暗黙のエントリーが存在している。

■ no形式でエントリーを削除しても、他のエントリーのシーケンス番号は変更されない(削除されたエントリーのシーケンス番号が空きになる)。シーケンス番号を振りなおすにはaccess-list ipv6 resequenceコマンドを使う。

■ パラメーターによっては、下記の定義済みキーワードを指定できる。

表 1:SRCPORT、DSTPORTの値として指定できるサービス名キーワード
キーワード
ポート番号
説明
備考
ftpdata 20 FTP data port(20/tcp) tcp指定時のみ
ftp 21 FTP control port(21/tcp) tcp指定時のみ
tftp 69 TFTP port(69/udp) udp指定時のみ


表 2:precedenceの値として指定できるキーワード
キーワード
対応する値
説明
routine 0 Routine (000)
priority 1 Priority (001)
immediate 2 Immediate (010)
flash 3 Flash (011)
flash-override 4 Flash Override (100)
critical 5 CRITIC/ECP (101)
internet 6 Internetwork Control (110)
network 7 Network Control (111)


表 3:tcの値として指定できるキーワード
キーワード
対応する値
説明
normal 0 normal service (0000)
min-monetary-cost 1 minimize monetary cost (0001)
max-reliability 2 maximize reliability (0010)
max-throughput 4 maximize throughput (0100)
min-delay 8 minimize delay (1000)


表 4:messageの値として指定できるICMPv6メッセージ名キーワード
キーワード
タイプ番号
コード番号
説明
unreachable 1 すべて Destination Unreachable
no-route 1 0 Destination Unreachable / No Route To Destination
administratively-prohibited 1 1 Destination Unreachable / Communication With Destination Administratively Prohibited
beyond-scope 1 2 Destination Unreachable / Beyond Scope Of Source Address
address-unreachable 1 3 Destination Unreachable / Address Unreachable
port-unreachable 1 4 Destination Unreachable / Port Unreachable
packet-too-big 2 0 Packet Too Big
time-exceeded 3 すべて Time Exceeded
hop-limit-exceeded 3 0 Time Exceeded / Hoplimit Exceeded In Transit
reassembly-timeout 3 1 Time Exceeded / Fragment Reassembly Time Exceeded
parameter-problem 4 すべて Parameter Problem
header-error 4 0 Parameter Problem / Erroneous Header Field Encountered
unrecognized-next-header 4 1 Parameter Problem / Unrecognized Next Header Type Encountered
unrecognized-ipv6-option 4 2 Parameter Problem / Unrecognized IPv6 Option Encountered
echo 128 0 Echo Request
echo-reply 129 0 Echo Reply
multicast-listener-query 130 0 Multicast Listener Query
multicast-listener-report 131 0 Multicast Listener Report
multicast-listener-done 132 0 Multicast Listener Done
router-solicitation 133 0 Router Solicitation
router-advertisement 134 0 Router Advertisement
neighbor-solicitation 135 0 Neighbor Solicitation
neighbor-advertisement 136 0 Neighbor Advertisement
redirect 137 0 Redirect


表 5:flagsの値として指定できるフラグ名
フラグ名
対応する16進数値
説明
U 0x20 URGフラグ
A 0x10 ACKフラグ
P 0x08 PSHフラグ
R 0x04 RSTフラグ
S 0x02 SYNフラグ
F 0x01 FINフラグ


コマンドツリー

access-list ipv6 extended(list) (グローバルコンフィグモード)
    |
    +- access-list ipv6 extended(rule entry)(拡張IPv6アクセスリストモード)


関連コマンド

access-list ipv6 resequence(グローバルコンフィグモード)
show access-list ipv6(特権EXECモード)



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