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CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.0.0
IPv6ルーティング / 経路制御
- 基本設定
- 経路表と経路選択
- RIB
- FIB
- 管理距離
- メトリック
本製品は以下のIPv6ユニキャスト経路制御方式に対応しています。
- スタティックルーティング
- ダイナミックルーティング
ここでは、IPv6におけるスタティックルーティングの設定手順について解説します。ダイナミックルーティングの設定については、「IPv6ルーティング」の「経路制御(RIPng)」をご覧ください。
基本設定
スタティックルーティング(静的経路制御)は、管理者が経路情報を手動で登録するもっとも基本的な経路制御方式です。
■ スタティック経路を登録するには、グローバルコンフィグモードのipv6 routeコマンドを使います。
- ネクストホップをグローバルアドレスで指定する場合は、次のように宛先ネットワークアドレスとネクストホップアドレスを指定します。
*Router(config)# ipv6 route 2001:1:2::/48 2001:1:1:10::1 ↓
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- ネクストホップアドレスをリンクローカルアドレスで指定する場合は、ネクストホップアドレスとともに送出インターフェース名を指定してください。
*Router(config)# ipv6 route 2001:2:2::/48 fe80::1 gigabitEthernet 1 ↓
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- デフォルト経路はキーワードdefaultで表します。
*Router(config)# ipv6 route default fe80::1 gigabitEthernet 0 ↓
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- ネクストホップがポイントツーポイントインターフェース上にあるときは、ネクストホップアドレスではなくインターフェース名を指定します。
*Router(config)# ipv6 route default gigabitEthernet 0.1 ↓
*Router(config)# ipv6 route 2001:1:2:20::/64 tunnel 1 ↓
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- パケットを転送せずに破棄するブラックホール経路を登録するには、送出インターフェース名としてnullを指定します。
*Router(config)# ipv6 route 2001:28:28::/48 null ↓
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■ スタティック経路を削除するにはipv6 routeコマンドをno形式で実行します。たとえば、gigabitEthernet 0上のfe80::1をゲートウェイとするデフォルト経路を削除するには次のようにします。
*Router(config)# no ipv6 route default fe80::1 gigabitEthernet 0 ↓
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ゲートウェイアドレスを省略した場合は、指定した宛先への経路エントリーがすべて削除されます。同一宛先への経路を複数登録している場合はご注意ください。
*Router(config)# no ipv6 route default ↓
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経路表と経路選択
本製品は次に示す2種類の経路表を使い分けています。
- RIB(Routing Information Base:IPv6経路表)
- FIB(Forwarding Information Base:IPv6転送表)

それぞれの役割は次のとおりです。
RIB
RIB(Routing Information Base:IPv6経路表)は、各種情報源から得た経路情報を蓄積するデータベースです。RIBには、管理者の手動設定や経路制御プロトコルによって学習された経路が原則としてすべて登録されます。RIBに経路が登録されるのは、次のときです。
- インターフェースにIPv6アドレスを割り当てたとき
- スタティック経路を登録したとき
- RIPng経由で経路を学習したとき
- RAによって経路を学習したとき
このようにしてRIBに登録された経路のうち、「最適」と判断されたものだけが次に述べるFIBに登録されます。
■ RIBの内容は、show ipv6 route databaseコマンドで確認できます。
*Router> show ipv6 route database ↓
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FIB
FIB(Forwarding Information Base:IPv6転送表)は、IPv6パケットの転送判断時に参照するデータベースです。FIBには、RIBに登録されている経路のうち、「最適」と判断されたもの、すなわち、実際にパケット転送に使用される経路だけが登録されます。最適と判断する基準は次に述べる管理距離です。
■ FIBの内容は、show ipv6 routeコマンドで確認できます。
*Router> show ipv6 route ↓
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管理距離
RIBに同一宛先への経路が複数登録されている場合は、管理距離(Administrative Distance: AD)と呼ばれる経路エントリーの属性値によって最適な経路を選択します。
管理距離は0〜255の整数値で、小さいほど優先度が高くなります。初期状態では、次のように経路種別ごとに値が決まっています。
Note - 管理距離255は「信頼できない経路」を表します。「信頼できない経路」は、FIBに登録されず、IPv6パケットの転送には使われません。
表 1
| 経路種別 |
管理距離の初期値 |
管理距離の変更方法および備考 |
| 直結経路(connected) |
0 |
変更不可。直結経路は他の経路よりもつねに優先される |
| スタティック経路(static) |
1 |
手動登録する経路ごとに、ipv6 routeコマンドの最終パラメーターで1〜255の範囲から任意指定可能。なお、RAで取得したデフォルト経路はスタティック経路扱いだが、管理距離は0(最優先)になる。ただし、RAに由来するデフォルト経路は、すでに別のデフォルト経路が存在する場合には登録されない。詳細はipv6 address autoconfigコマンドのページを参照のこと |
| RIPng経路(rip) |
120 |
変更不可 |
Note - デフォルト経路の特別扱いは原則としてありません。スタティックに登録した場合は1、RIPで学習した場合は120がデフォルトの値です。ただし前述のとおり、RAで取得したデフォルト経路の管理距離は0になります。
管理距離は、RIBに登録されている異なる種別の経路間で優劣を判断するときに使用されます。RIBに登録される前、すなわち、ルーティングプロセス内で経路の優劣を判断するときには各プロトコル固有のメトリックが使用されます。
メトリック
RIPngのルーティングプロセスは、RIB/FIBとは別に独自の経路表を保持しています。ここでは、これらをRIPng経路表と呼ぶことにします。
RIPngのルーティングプロセスは、RIPng経路表の中から最適な経路だけを選択して、RIBに登録します。このときの判断基準となるのが、プロトコル固有のメトリックです。RIPngでは通常ホップ数がメトリックとして使用されます。
メトリックは、RIPngのルーティングプロセスによって、同一種別の経路間で優劣を判断するときにだけ使用されます。RIBに登録されている異なる種別の経路間で優劣を判断するときには、前述の管理距離が使用され、メトリックは使用されません。show ipv6 routeコマンドやshow ipv6 route databaseコマンドでは、管理距離に加えてメトリック値も表示されますが、これはあくまでも参考情報ですのでご注意ください。
なお、RIPng経路表はshow ipv6 ripコマンドによって表示できます。
RIPngの詳細については「IPv6ルーティング」の「経路制御(RIPng)」をご覧ください。
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PN: 613-001491 Rev.A