IP / IPインターフェース

IPインターフェースは、IPパケットの送受信(IP通信)を行うためのインターフェースです。

IPインターフェースは、インターフェースモードでip addressコマンドを実行し、対象インターフェースにIPアドレス(とネットマスク)を割り当てることによって作成します。

IPアドレスを割り当てることのできるインターフェースは次のとおりです。

IPインターフェースの作成・削除

IPインターフェースを作成するにはインターフェースモードのip addressコマンドを使って、対象インターフェースにIPアドレスとネットマスクを割り当てます。ネットマスクはマスク長で指定します。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.10.1/24


インターフェースに割り当てたIPアドレスを変更するには、再度ip addressコマンドを実行します。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.100.1/24

インターフェースに割り当てたIPアドレスを削除するには、ip addressコマンドをno形式で実行します。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# no ip address

割り当てられたIPアドレスなど、IPインターフェースの情報はshow ip interfaceコマンドで確認できます。
AT-vFW-app> show ip interface

DHCPによるIPアドレス自動設定

ネットワーク上のDHCPサーバーを利用して、インターフェースのIPアドレスを自動設定することもできます(DHCPクライアント機能)。


インターフェースのIPアドレスをDHCPを使って設定するには、ip address dhcpコマンドを使います。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# ip address dhcp

DHCPでIPアドレスを配布するインターネットサービスプロバイダー(ISP)をご利用の場合、接続認証用の「コンピューター名」を指定されることがあります。その場合は、ip address dhcpコマンドのhostnameオプションにISPから通知されたコンピューター名を指定してください。これにより、同コマンドで設定したコンピューター名が、DHCPパケットのHostnameフィールドにセットされて送信されるようになります。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# ip address dhcp hostname myComputerName

本製品のDHCPクライアント機能では、インターフェースのIPアドレスとサブネットマスクに加え、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバー、デフォルトドメイン名の情報も取得・自動設定できます。DHCPで取得したこれらの情報は次のように扱われます。


DHCPクライアントとして設定しているインターフェースを確認したいときは、show running-configコマンドにセクション名「interface」を指定して実行し、ip address dhcpコマンドを探すのがよいでしょう。
AT-vFW-app# show running-config interface

DHCPサーバーから割り当てられたIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーなどは、show dhcp leaseコマンドで確認できます。

インターフェースに設定されたIPアドレスは、show ip interfaceコマンドで確認します。

デフォルトルートはshow ip routeコマンドで確認します。「0.0.0.0/0」のエントリーがデフォルトルートです。

ドメイン名の設定は、show ip domain-nameコマンドで確認します。

DNSサーバーアドレスの設定状況は、show ip name-serverコマンドで確認します。

セカンダリーIPアドレス

本製品では、1つのインターフェース上に複数のIPアドレスを設定することができます。こうすることにより、同一インターフェースの配下に複数のIPサブネットを混在させることができます。

複数のIPアドレスを割り当てる場合、主となるアドレスをプライマリーアドレス、その他のアドレスをセカンダリーアドレスと呼びます。

eth0にIPアドレスを3つ割り当てます。複数アドレスを設定する場合は、最初にプライマリーアドレスを割り当て、次にセカンダリーアドレスを割り当てます。セカンダリーアドレスを設定するときは、ip addressコマンドにsecondaryオプションを付けてください。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.10.1/24
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.11.1/24 secondary
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.12.1/24 secondary


ループバックインターフェース

ループバックインターフェースは、下位層(物理層/データリンク層)との関連を持たない仮想的なインターフェースです。物理的なインターフェースに割り当てたIPアドレスは、該当インターフェースのリンクダウンにより到達不能になる可能性がありますが、ループバックインターフェースは下位層の状態に依存しないため、このインターフェースに設定したIPアドレスを広告することで、本製品への到達性を高めることができます。

ループバックインターフェースは「lo」というインターフェース名を持ちます。ループバックインターフェースにIPアドレスを設定するには、次のようにします。
AT-vFW-app(config)# interface lo
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.0.1/32

ループバックインターフェースのIPアドレスを変更するには、再度ip addressコマンドを実行します。
AT-vFW-app(config)# interface lo
AT-vFW-app(config-if)# ip address 192.168.0.2/32

ループバックインターフェースのIPアドレスを削除するには、ip addressコマンドをno形式で実行します。
AT-vFW-app(config)# interface lo
AT-vFW-app(config-if)# no ip address

ループバックインターフェースの情報を確認するには、show interfaceコマンドかshow ip interfaceコマンドを使います。「lo」がループバックインターフェースです。
AT-vFW-app> show interface lo
AT-vFW-app> show ip interface lo

ディレクティドブロードキャスト転送制御

本製品の初期設定では、各IPインターフェース配下のネットワークに対するディレクティドブロードキャストパケットを転送しません。

たとえば、eth0に192.168.10.1/24を、eth1に192.168.20.1/24を設定している場合、eth1で受信した「終点IPアドレス=192.168.10.255」のIPパケット(eth0側サブネットに対するディレクティドブロードキャストパケット)は、eth0に転送されずに破棄されます。

ディレクティドブロードキャストパケットはサービス妨害(DoS)攻撃などで悪用される恐れがあるため、通常は初期設定のままご使用になることをおすすめしますが、特別な理由がある場合は、IPインターフェースごとに転送を許可する設定も可能です。

eth0に対するディレクティドブロードキャストパケットの転送を許可するには、eth0を対象としたインターフェースモードでip directed-broadcastコマンドを実行します。これにより、他のインターフェースからeth0へのディレクティドブロードキャストパケットが転送されるようになります。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# ip directed-broadcast

ディレクティドブロードキャストパケットの転送を禁止するには、ip directed-broadcastコマンドをno形式で実行してください(前述のとおり、初期状態では転送禁止に設定されています)。
AT-vFW-app(config)# interface eth0
AT-vFW-app(config-if)# no ip directed-broadcast