[index] CentreCOM 8624PS コマンドリファレンス 2.8

PoE/概要・基本設定


  - PoE給電機能のオン・オフ
  - 給電時の優先順位
  - ポートごとの給電制限
  - その他


本製品のPoE(Power over Ethernet)給電機能について説明します。

PoE(Power over Ethernet)は、UTPケーブルを使って、データと電力を同時に伝送する技術です。PoEの規格(IEEE 802.3af)では、電力を供給する側を「給電機器(PSE: Power Sourcing Equipment)」、電力の供給を受ける側を「受電機器(PD: Powered Device)」と呼びます。本製品は、PoE規格に準拠した給電機器として、装置全体で最大220W(1ポートあたり15.4W)の電力供給が可能です。

 

PoE給電機能のオン・オフ

PoE給電機能に対応しているのは、本体内蔵のスイッチポート1〜24(PoEポート)です(拡張ポートはPoEに対応していません)。

デフォルトでは、すべてのPoEポート(1〜24)でPoE給電機能が有効になっており、接続された受電機器(PD)の検出、電力クラスの識別を自動的に行い、必要に応じて給電を開始します。接続されている機器が受電機器ではなく通常のEthernet機器だった場合は、給電を行わず通常のEthernetポートとして動作します。

Note - 電力クラスは、SHOW POEコマンドをPORTパラメーター付きで実行することにより確認できます(Power Class欄)。なお、電力クラスの情報は同コマンドの表示以外には使用されません(給電制御には使用されません)。

Note - 本製品を給電機器(PSE)とカスケード接続する場合は、本製品のカスケードポートのPoE給電機能をDISABLE POE PORTコマンドで無効に設定してください。

■ 指定したポートでPoE給電機能を無効にするには、DISABLE POE PORTコマンドを使います。


■ 指定したポートでPoE給電機能を再度有効にするには、ENABLE POE PORTコマンドを使います。


 

給電時の優先順位

本製品は、装置全体で220Wまでの給電が可能です。

PoE規格では受電機器の「電力クラス」を次のように規定していますが、15.4Wのクラス3受電機器なら最大14ポート、7.0Wのクラス2受電機器なら最大24ポートまで同時給電が可能です。

Note - 本製品はPoEポートに接続された受電機器の電力クラスを自動的に識別しますが、電力クラスの情報にもとづく給電制御は行いません。各PoEポートから供給する電力の上限値は、SET POE PORTコマンドのPOWERLIMITパラメーターを使って個別に設定可能です(下記「ポートごとの給電制限」を参照)。

表 1:電力クラス(参考)
クラス
用途
受電機器の最大使用電力
給電機器の最小出力電力
0 デフォルト 0.44〜12.95W 15.4W
1 オプション 0.44〜3.84W 4.0W
2 オプション 3.84〜6.49W 7.0W
3 オプション 6.49〜12.95W 15.4W
4 予備 予備 クラス0として処理


受電機器の電力使用量(総量)が220Wを上回った場合は、給電中のポートのうち、もっとも優先順位の低いポートへの給電を停止します。優先順位は次のようにして決定されます。

  1. ポートの給電優先度(SET POE PORTコマンドのPRIORITYパラメーターで設定)。CRITICAL(最高)、HIGH(高)、LOW(低)の3段階。

  2. 給電優先度の同じポート間では、ポート番号の小さいほうが優先順位が高くなる。

デフォルトでは、すべてのPoEポートで給電優先度がLOWに設定されています。したがって、給電時の優先順位はポート番号の順になります(ポート1が優先順位最高、ポート24が優先順位最低)。

■ ポートの給電優先度を変更するには、SET POE PORTコマンドのPRIORITYパラメーターを使います。


 

ポートごとの給電制限

PoE給電機能が有効になっている各ポートからは、最大15.4Wの給電が可能ですが、ポート単位で供給電力に上限を設けることも可能です。デフォルトの上限値は15.4W(15400mW)です。

特定ポートにおいて、受電機器の電力使用量が上限値を超えた場合は、該当ポートへの給電を停止します。

Note - 本製品はPoEポートに接続された受電機器の電力クラスを自動的に識別しますが、電力クラスの情報にもとづく給電制御は行いません。各PoEポートから供給する電力の上限値は、SET POE PORTコマンドのPOWERLIMITパラメーターを使って個別に設定可能です。

■ ポートの供給電力に上限値を設定するには、SET POE PORTコマンドのPOWERLIMITパラメーターを使います。単位はmW(ミリワット)です。


 

その他

■ 受電機器による電力使用量を監視するため、ログ記録とSNMPトラップ送信のしきい値を設定することができます。これには、SET POE THRESHOLDコマンドを使います。しきい値は、供給可能電力(220W)に対する割合(%)で指定します。デフォルトは95%です。


電力使用量がしきい値をまたぐと(「下から上」と「上から下」の両方)、そのことを示すメッセージがログに記録され、また、SNMPトラップの設定がなされている場合はSNMPトラップメッセージが送信されます。

Note - ログ機能については、「運用・管理」/「ログ」をご覧ください。また、SNMPトラップの設定については、「運用・管理」/「SNMP」をご覧ください。

■ PoE給電機能の各種情報を確認するには、SHOW POEコマンドを使います。








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