[index] CentreCOM 9600/8600シリーズ コマンドリファレンス 2.2

運用・管理/記憶装置とファイルシステム

対象機種:8624、9606


  - 物理デバイス
   - NVS(Non-Volatile Storage)
   - フラッシュメモリー
  - ファイルシステム
   - ファイル名
   - ワイルドカード
   - ファイルの操作


本製品の2次記憶装置とファイルシステムについて説明します。

 

物理デバイス

本製品は、システム再起動後もデータが保持される2次記憶装置として、NVS(Non-Volatile Storage)とフラッシュメモリーを搭載しています。

これらのデバイス上にはファイルシステムが構築されており、デバイス上のデータをファイル単位でアクセスすることが可能です。詳しくは次節「ファイルシステム」をご覧ください。

 

NVS(Non-Volatile Storage)

NVS(バッテリーバックアップされたCMOSメモリー)は小容量の記憶装置で、モジュールのコンフィグレーションテーブルや、パッチファイル、スクリプトファイルなどが保存されます。

■ NVSのブロック情報を確認するにはSHOW NVSコマンドを使います。


■ NVSの空き状況などはSHOW NVS FREEコマンドで確認できます。


 

フラッシュメモリー

フラッシュメモリーは(NVSに比べて)大容量の記憶装置で、ファームウェア(リリース)ファイル、パッチファイル、設定スクリプトファイルなどを保存するために使います。

フラッシュメモリーはPCのハードディスクに相当する記憶装置です。通常のファイル操作はこのメモリーに対して行います。後述するファイルの操作では、デバイス名を省略するとフラッシュメモリー上のファイルに対する操作となります。

■ フラッシュメモリー上のファイルシステムに関する情報はSHOW FLASHコマンドで確認できます。


■ フラッシュメモリーの物理情報を確認するにはSHOW FLASH PHYSICALコマンドを使います。


■ フラッシュメモリーのコンパクション(メモリー上のゴミ削除)を行うにはACTIVATE FLASH COMPACTIONコマンドを使います。コンパクションは実行に数十秒を要します。「Flash compaction successfully completec.」というメッセージが表示されるまで、システムを再起動したり、ファイル作成、編集、リネーム、削除などの操作を行ったりしないでください。


Note - コンパクション実行中は、絶対にシステムの再起動やフラッシュメモリーに対する操作(ファイル作成、編集、リネーム、削除など)を行わないでください。

コンパクションは必要に応じて自動実行されるため、通常運用ではこのコマンドを実行する必要はありませんが、空き容量が足りているように見えるにもかかわらずファイルをダウンロードできないといった状況では、本コマンドの実行により解決する可能性があります。このような状況は、ファームウェアなどサイズの大きいファイルを削除した直後に起こります。


 

ファイルシステム

本製品では、NVSとフラッシュメモリー上にファイルシステムが構築されており、物理デバイス上のデータを「ファイル」としてアクセスすることが可能です。このとき、物理デバイスの違いを意識する必要はありません。

 

ファイル名

ファイル名は次の形式で表されます。ディレクトリー(フォルダー)の概念はありません。


表 1
device デバイス名。flash(フラッシュメモリー)かnvs(NVS)のどちらか。大文字・小文字の区別はありません。省略時はflashを指定したことになります
filename ファイル名(ベース名)。文字数は1〜8文字。半角英数字とハイフン(-)が使えます。大文字・小文字の区別はありませんが、表示には大文字・小文字の区別が反映されます。
ext 拡張子。ファイル名には必ず拡張子をつける必要があります。文字数は1〜3文字。半角英数字とハイフン(-)が使えます。大文字・小文字の区別はありませんが、表示には大文字・小文字の区別が反映されます。


次におもな拡張子の一覧を示します。

表 2
拡張子
ファイルタイプ
REZ 圧縮形式のファームウェア(リリース)ファイル
PAZ 圧縮形式のパッチファイル。システムが起動するときに、ファームウェアに対して動的に適用されます
CFG 設定スクリプトファイル。システムの設定情報を保存します。SCPとの間に明確な区別はありませんが、慣例として設定内容を保存するスクリプトにはCFGを使います。
SCP 実行スクリプトファイル。CFGとの間に明確な区別はありませんが、慣例としてトリガースクリプトやバッチファイル的なスクリプトにはSCPを使います。
HLP オンラインヘルプファイル。SET HELPコマンドで設定し、HELPコマンドで閲覧します
LIC ライセンスファイル。ファームウェア(リリース)や追加機能(フィーチャー)のライセンス情報を格納しているファイルです。絶対に削除しないでください。
INS 起動時に読み込むファームウェアや設定ファイルの情報を格納しているファイルです。
DHC DHCPサーバーの設定情報ファイルです。DHCPサーバーに関する設定を行うと自動的に作成されます。
TXT プレインテキストファイル


以下のファイルは特殊な役割を持ちます。他のファイルも同様ですが、ファイルの取り扱い(削除、リネームなど)にはご注意ください。

表 3
ファイル名
役割
boot.cfg デフォルトの起動スクリプトファイル。SET CONFIGコマンドで起動スクリプトが設定されていない(none)ときは、本ファイルが存在していれば起動時に自動実行されます。起動スクリプトが設定されている場合は、設定されているファイルが実行されます。
config.ins 起動時に読み込む設定スクリプト(起動スクリプト)ファイルの情報を保存しているファイル。SET CONFIGコマンドを実行すると作成(上書き)されます。
prefer.ins 起動時にロードするファームウェアファイルの情報を保存しています。
enabled.sec セキュリティーモードへ移行したときに自動的に作成されるファイル。システムに対し、起動時にセキュリティーモードへ移行すべきことを示すファイルです。
release.lic リリースライセンスファイル。ファームウェア(リリース)のライセンス情報を持つファイルです。削除しないようご注意ください。
feature.lic フィーチャーライセンスファイル。追加機能(フィーチャー)のライセンス情報を持つファイルです。削除しないようご注意ください。


 

ワイルドカード

ファイルを操作するコマンドの中には、ワイルドカード(*)を使って複数のファイルを一度に指定できるものがあります。ワイルドカード(*)は「任意の文字列」を示すもので、次のように使います。

■ ファイルシステム(フラッシュ、NVS)上の圧縮形式のファームウェアファイル(.rez)をすべて表示


■ フラッシュメモリー上のテキストファイルの一覧を表示(device省略時はflashとみなされる)


■ NVS上のスクリプトファイルをすべて削除


■ ワイルドカードは、次のような指定も可能です。


■ ワイルドカードが使えるコマンドには以下のようなものがあります。

 

ファイルの操作

おもなファイル操作についてコマンド例を示します。

■ ファイルの一覧は、SHOW FILEコマンドで表示できます。


■ 特定ファイルの一覧を見たいときはワイルドカードを使います。


■ ファイルの内容を見るには、SHOW FILEコマンドで(ワイルドカードでない)ファイル名を指定します。ただし、SHOW FILEコマンドで見ることができるのはテキスト形式のファイル(.txt、.scp、.cfgなど)だけです。


■ ファイルを削除するにはDELETE FILEコマンドを使います。ワイルドカードで複数ファイルをまとめて消すことも可能です。


■ ファイル名を変更するにはRENAMEコマンドを使います。


■ テキスト形式のファイルを編集するには、EDITコマンド(内蔵フルスクリーンエディター)を使います。


LOADコマンドを使って、別のコンピューターからファイルをダウンロードすることもできます。次の例ではTFTPサーバー192.168.1.11からlong.scpをフラッシュメモリーにダウンロードしています。ダウンロードには、HTTPやZMODEMを使うこともできます。


UPLOADコマンドを使えば、テキスト形式のファイルをTFTPサーバーにアップロードすることができます。次の例では、設定スクリプトtaisetsu.cfgをTFTPサーバーにアップロードします。ZMODEMによるアップロードも可能です。


Note - TFTPサーバーの実装(UNIX系OSのtftpdなど)によっては、サーバー上にあらかじめファイルを作成しておかないとファイルのアップロードができないものがあります。これは、ファイルの新規作成に失敗するためです。このような場合は、サーバー上で空のファイルを作成し、すべてのユーザーに書き込み権限を与えてからアップロードしてみてください。










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