[index] CentreCOM 9600/8600シリーズ コマンドリファレンス 2.2

IP/付録


  - ARP(Address Resolution Protocol)
  - IP(Internet Protocol)
   - TOS(Type of Service)フィールドのフォーマット
   - Flagsフィールドのフォーマット
   - IPオプション
  - おもなIPプロトコル番号
  - ICMP(Internet Control Message Protocol)
   - Echo Reply(タイプ0)
   - Destination Unreachable(タイプ3)
   - Source Quench(タイプ4)
   - Redirect(タイプ5)
   - Echo(タイプ8)
   - Router Advertisement(タイプ9)
   - Router Solicitation(タイプ10)
   - Time Exceeded(タイプ11)
   - Parameter Problem(タイプ12)
   - Timestamp(タイプ13)
   - Timestamp Reply(タイプ14)
   - Information Request(タイプ15)
   - Information Reply(タイプ16)
   - Address Mask Request(タイプ17)
   - Address Mask Reply(タイプ18)
  - TCP(Transmission Control Protocol)
  - UDP(User Datagram Protocol)
  - おもなWell-knownポート
  - IPアドレス
   - IPアドレスクラス一覧
   - プライベートIPアドレス
   - 可変長サブネットマスク
   - マルチキャストグループアドレス


 

ARP(Address Resolution Protocol)

IPアドレスから物理アドレス(MACアドレス)を調べるためのプロトコル。データリンクフレームを直接利用して送信されます。Ethernetプロトコルタイプは0806(ARP)、8035(RARP)です。

RFC826, An Ethernet Address Resolution Protocol
RFC903, A Reverse Address Resolution Protocol

ARPパケットのフォーマット


表 1
フィールド
オクテット長
内容
HW Type 2 ハードウェアタイプ。データリンクの種類を示す。Ethernetは1
PF 2 プロトコルファミリー。IPは0x0800
HWAddrLen 1 ハードウェアアドレス長。データリンクアドレス(MACアドレス)の長さ(オクテット)を示す。Ethernetは6オクテット。
ProtoAddrLen 1 プロトコルアドレス長。IPは4オクテット。
Op 2 オペレーションコード。1=Request(ARP要求)、2=Reply(ARP応答)。3と4は別プロトコルRARP(Ethernetプロトコルタイプ0x8035)のメッセージで3=Request Reverse(RARP要求)、4=Reply Reverse(RARP応答))
Source HWAddress 6 送信元MACアドレス。
Source ProtoAddr 4 送信元IPアドレス。
Dest. HWAddress 6 宛先MACアドレス。Requestではそもそも不明なので0または前回使ったバッファーの内容が入る。Requestの受信側はこのフィールドを無視する。
Dest. ProtoAddr 4 宛先IPアドレス。Requestでは解決対象のIPアドレスが入る。





 

IP(Internet Protocol)

インターネットワーク上のノード間でのパケット配送をつかさどるコネクションレス型のネットワーク層プロトコル。

RFC791, INTERNET PROTOCOL

IPデータグラムのフォーマット


表 2
フィールド
ビット長
内容
Ver(Version) 4 IPプロトコルのバージョン番号。IPv4では4
IHL(Internet Header Length) 4 IPヘッダー部分の長さ。32ビットワード単位で表す。最小値は5ワード(20オクテット)。オプションフィールドが含まれる場合はこれよりも長くなる。最大値は15ワード(60オクテット)
TOS(Type of Service) 8 サービスタイプ。3ビットの優先度(precedence)フィールドと、4ビットの(狭い意味での)TOSフィールド、1ビットの未使用フィールドからなる。TOSフィールドは、遅延(Delay)、スループット(T)、信頼性(R)、金銭コスト(M)に対する要求を示すビットフラグ4つからなる。
Len(Total Length) 16 データグラムの全長(ヘッダー+データ)。オクテット単位で表す。16ビットなので最大値は65535。すべてのIPホストは、少なくとも576オクテットまでのデータグラムを受け取れなくてはならない。
Id(Identification) 16 データグラムを識別するための番号(ID)
Flags 3 フラグメント制御フラグ。Flagsフィールドのフォーマットを参照。
Fragment Offset 13 フラグメントオフセット。データ部分がフラグメント内のどの位置に属するかを示す。64ビット(8オクテット)を1単位として表す。
TTL(Time to Live) 8 データグラムの生存期間。単位は秒だが、現実には単なるホップカウントとして扱われている。ルーターを経由するごとに(少なくとも)1ずつ減算される。0になった場合は破棄される。
Protocol 8 上位プロトコル番号。おもなIPプロトコル番号を参照
Header Checksum 16 ヘッダー部分のチェックサム。各ルーターで再計算される(TTLが減算されるため)
Source Address 32 始点IPアドレス。ユニキャストアドレスでなくてはならない。
Destination Address 32 終点IPアドレス。ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャストアドレスが入る。
Options 可変 オプションフィールド
Padding 可変 パディング。ヘッダー長が32ビットの整数倍になるように調整するためのもの。0〜3オクテットの可変長。
Data 可変 データ



 

TOS(Type of Service)フィールドのフォーマット

RFC1349, Type of Service in the Internet Protocol Suite


表 3
フィールド/フラグ名
ビット長
内容
Precedence 3 データグラムの優先度。0(低)〜7(高)で示す。
D(Delay) 1 遅延フラグ。1のときは少ない遅延で送信することを示す。
T(Throughput) 1 スループットフラグ。1のときは高スループットを確保することを示す。
R(Reliability) 1 信頼性フラグ。1のときは高い信頼性を与えることを示す。
M(Monetary Cost) 1 金銭的コストフラグ。1のときは金銭的コストを最小限に抑えることを示す。
0(not used) 1 未使用。常に0(MBZ=Must Be Zero)



表 4:RFC1349によるTOSフィールドの定義
定義
8(1000) 遅延最小
4(0100) スループット最大
2(0010) 信頼性最大
1(0001) 金銭的コスト最小
0(0000) 通常サービス



表 5:RFC791による優先度フィールドの定義
定義
7(111) Network Control
6(110) Internetwork Control
5(101) CRITIC/ECP
4(100) Flash Override
3(011) Flash
2(010) Immediate
1(001) Priority
0(000) Routine



 

Flagsフィールドのフォーマット



表 6
フラグ名
ビット長
内容
0(not used) 1 未使用。常に0(MBZ=Must Be Zero)
DF(Don't Fragment) 1 1のとき、このデータグラムをフラグメント化(分割)してはならないことを示す。
MF(More Fragments) 1 1のとき、後続するフラグメントがあることを示す。フラグメント化されていないデータグラムおよび最終フラグメントでは0になる。



 

IPオプション


表 7:IPオプション一覧
番号
オクテット長
クラス
オプションタイプ
内容
0 - 0 0 オプションリスト終了(End of Option list)。オプションリストの最後に置かれる。1オクテットのみで長さフィールド以降はない
1 - 0 1 NOOP(No Operation)。次のオプションフィールドを32ビット境界に揃えるため、オプションフィールドの間に置かれる。1オクテットのみで長さフィールド以降はない。
2 11 0 130 セキュリティー(Security)
3 可変 0 131 ルーズソースルーティング(Loose Source Routing)。緩い始点経路制御。オプションデータに経由するアドレスを列挙する。経路の途中で指定外のルーターが使われてもよい。
4 可変 2 68 インターネットタイムスタンプ(Internet Timestamp)。データグラムが通った経路上のルーターで時刻を記録する。
7 可変 0 7 レコードルート(Record Router)。データグラムが通った経路をルーターに記録させるためのオプション。
8 4 0 136 Stream ID。現在は使用されていない。
9 可変 0 138 ストリクトソースルーティング(Strict Source Routing)。厳密な始点経路制御。オプションデータ部に列挙されたルーターだけを使って配送するよう指示する。



オプションタイプオクテットのみの固定長フォーマット


オプションタイプ、オプション長、オプションデータからなる可変長フォーマット


表 8
フィールド
オクテット長
内容
Option Type 1 オプションタイプ。オプションの種類を示す。別表を参照
Option Length 1 オプション長。オプションフィールド全体(オプションタイプ、オプション長、オプションデータ)の長さ(オクテット)
Option Data 可変 オプションデータ。オプション本体



オプションタイプ(Option Type)オクテットのフォーマット


表 9
フィールド
オクテット長
内容
Copied 1 コピーフラグ。フラグメント化時にすべてのフラグメントにこのオプションをコピーすべきかどうか。1ならコピーする、0ならコピーしない。
Option Class 2 オプションクラス。0(コントロールオプション)、2(デバッグオプション)がある。オプション番号によってどちらを使うか決まっている。
Option Number 5 オプション番号。別表を参照




 

おもなIPプロトコル番号

RFC1700, ASSIGNED NUMBERS
RFC2893, Transition Mechanisms for IPv6 Hosts and Routers
http://www.iana.org/assignments/protocol-numbers

表 10
1 ICMP(Internet Control Message Protocol) RFC792
2 IGMP(Internet Group Management Protocol) RFC2236
4 IP in IP
6 TCP(Transmission Control Protocol) RFC793
8 EGP(Exterior Gateway Protocol) RFC888
9 各種の内部ゲートウェイプロトコル(IGPs)
17 UDP(User Datagram Protocol) RFC768
41 IPv6(IPv6-over-IPv4トンネリング)
46 RSVP(Reservation Protocol)
47 GRE(General Routing Encapsulation)
89 OSPF (Open Shortest Path First)
103 PIM(Protocol Independent Multicast)
112 VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)



 

ICMP(Internet Control Message Protocol)

IPネットワークにおいて、エラーの通知や制御情報のやりとり(要求/応答)に使用されるプロトコル。IPを利用して配送されます。IPプロトコル番号は1。ICMPのエラーに対するICMPメッセージは生成されません。

RFC792, INTERNET CONTROL MESSAGE PROTOCOL
RFC950, Internet Standard Subnetting Procedure
RFC1256, ICMP Router Discovery Messages
RFC1700, Assigned Numbers


ICMPメッセージの基本フォーマット


表 11
フィールド
ビット長
内容
Type 8 メッセージタイプ
Code 8 サブコード。特定タイプのメッセージの内容をさらに細かく分類したもの
Checksum 16 チェックサム
Data 可変 データ。フォーマットはメッセージタイプによって異なる



表 12:ICMPメッセージ一覧
タイプ
名称
内容
0 Echo Reply(エコー応答) Echo(エコー要求)メッセージ(タイプ8)に対する応答。
3 Destination Unreachable(宛先到達不可能) 指定された宛先に到達できないことを示す。
4 Source Quench(送信抑制要求) 送信元に対してデータグラムの送信レートを落とすよう要求する。受信側の処理能力を上回る速度でデータグラムが送られてきたときに送信される。
5 Redirect(経路変更要求) 指定された宛先へのよりよい経路が存在することを送信元に伝える。
8 Echo(エコー要求) 相手側にEcho Reply(エコー応答)を要求する。PINGコマンドなどの診断用に使われることが多い。
9 Router Advertisement(ルーター広告) ルーターが自らのIPアドレスをホストに通知するためのメッセージ。本メッセージタイプを実装したルーターは各インターフェースから定期的にこのメッセージをリンクローカルな全システムマルチキャストアドレス(224.0.0.1)宛てに送信する。また、ホストからRouter Solicitation(ルーター要請)メッセージを受け取ったときにもこのメッセージで応答する。
10 Router Solicitation(ルーター要請) ホストが自ネットワーク上のルーターを探すためのメッセージ。リンクローカル全ルーターマルチキャストアドレス(224.0.0.2)に送信される。
11 Time Exceeded(時間超過) ルーターにおいてパケットのTTLがゼロになった、あるいは、ホストが一定時間内にフラグメントを再構成できなかったことを示す。
12 Parameter Problem(パラメーター異常) IPヘッダーにエラーがあったためデータグラムを破棄したことを示す。
13 Timestamp(タイムスタンプ要求) 相手側に時刻情報(本メッセージの受信時刻と返信時刻)を要求する。往復時間と相手のシステム負荷を測定するためなどに使われる。
14 Timestamp Reply(タイムスタンプ応答) Timestamp(タイムスタンプ要求)メッセージ(タイプ13)に対する応答。
15 Information Request(情報要求) ホストが自分のIPアドレスを知るために使用するメッセージ。
16 Information Reply(情報応答) Information Request(情報要求)メッセージ(タイプ15)に対する応答。要求元ホストにIPアドレスを教える。
17 Address Mask Request(アドレスマスク要求) ホストがサブネットマスクを知るために使用するメッセージ。
18 Address Mask Reply(アドレスマスク応答) Address Mask Request(アドレスマスク要求)メッセージ(タイプ17)に対する応答。要求元ホストにサブネットマスクを教える。





 

Echo Reply(タイプ0)

Echo(エコー要求)メッセージ(Type 8)に対する応答。EchoメッセージのID、シーケンス番号、データをそのまま送り返す。ホストとルーターの両方が使用する。


表 13
フィールド
ビット長
内容
Type 8 0
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。
Data 可変 任意のデータ。Echo(エコー要求)で送られてきたデータをそのまま送り返す。



 

Destination Unreachable(タイプ3)

指定された宛先に到達できないことを示す。サブコードにより、より詳細な理由が示される。


表 14
フィールド
ビット長
内容
Type 8 3
Code 8 別表参照
Checksum 16 チェックサム
unused 32 未使用。すべて0
Original Header/Data 可変 オリジナルのIPヘッダー+データの先頭64ビット


表 15
コード
名称
内容
送信者
0 net unreachable ネットワーク到達不可能。宛先ネットワークへの経路が無効、あるいは経路がないことを示す ルーター
1 host unreachable ホスト到達不可能。宛先ホストの所属ネットワークのルーターが、ホストがダウンしていることを知っている場合などに返す ルーター
2 protocol unreachable プロトコル到達不可能。指定された上位プロトコルを扱うルーチンが存在しないことを示す ホスト
3 port unreachable ポート到達不可能。指定されたTCP/UDPポートがオープンされていないことを示す ホスト
4 fragmentation needed and DF set フラグメント化不可能。フラグメント化が必要だが、DF(フラグメント化不可)ビットが立っているためデータグラムを破棄したことを示す ルーター
5 source route failed 始点経路制御失敗。始点経路制御が無効、あるいは失敗したことを示す ルーター



 

Source Quench(タイプ4)

送信元に対してデータグラムの送信レートを落とすよう要求するフロー制御メッセージ。受信側の処理能力を上回る速度でデータグラムが送られてきたためにバッファーがあふれ、データグラムを破棄したことを示す。ホスト、ルーターの両方が返す。


表 16
フィールド
ビット長
内容
Type 8 4
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
unused 32 未使用。すべて0
Original Header/Data 可変 オリジナルのIPヘッダー+データの先頭64ビット



 

Redirect(タイプ5)

指定された宛先へのよりよい経路が存在することを送信元に伝えるメッセージ。送信元に対し、同じ宛先へのデータグラムをGatewayフィールドで指定したIPアドレスに送るよう要求する。オリジナルのデータグラム自体はGatewayに転送される。


表 17
フィールド
ビット長
内容
Type 8 5
Code 8 別表参照
Checksum 16 チェックサム
Gateway 32 同じ宛先へのデータグラム送信時に使用すべきゲートウェイのIPアドレス
Original Header/Data 可変 オリジナルのIPヘッダー+データの先頭64ビット


表 18
コード
名称
内容
送信者
0 Redirect datagrams for the Network ネットワークへの経路変更要求 ルーター
1 Redirect datagrams for the Host ホストへの経路変更要求 ルーター
2 Redirect datagrams for the Type of Service and Network ネットワークへの経路変更要求(指定サービスタイプを持つデータグラムに関してのみ) ルーター
3 Redirect datagrams for the Type of Service and Host ホストへの経路変更要求(指定サービスタイプを持つデータグラムに関してのみ) ルーター



 

Echo(タイプ8)

相手側にEcho Reply(エコー応答)を要求する。PINGコマンドなどで診断用に使われることが多い。ホストとルーターの両方が使用する。


表 19
フィールド
ビット長
内容
Type 8 8
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。
Data 可変 任意のデータ。受信側はEcho Replyでデータ部分をそのまま送り返す。



 

Router Advertisement(タイプ9)

ルーターが自らのIPアドレスをホストに通知するためのメッセージ。本メッセージタイプを実装したルーターは各インターフェースから定期的にこのメッセージをリンクローカル全システムマルチキャストアドレス(224.0.0.1)に送信する。また、ホストからRouter Solicitation(ルーター要請)メッセージを受け取ったときにもこのメッセージで応答する。


表 20
フィールド
ビット長
内容
Type 8 9
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
Num Addrs 8 このメッセージに含まれるルーターアドレスの数
Addr Entry Size 8 各アドレスエントリー(Router Address[n]とPreference Level[n])の大きさ(32ビット=1ワードとした場合のワード数)。IPv4では2ワード(64ビット)。
Lifetime 16 本メッセージで通知されるアドレスの有効期限(秒)。
Router Address[n] 32 ルーターアドレス。ルーターインターフェースのIPアドレス。
Preference Level[n] 32 該当するルーターアドレス(Router Address[n])の優先度。符号付きの2の補数表現。大きいほど優先度が高い。



 

Router Solicitation(タイプ10)

ホストが自ネットワーク上のルーターを探すためのメッセージ。リンクローカル全ルーターマルチキャストアドレス(224.0.0.2)に送信され、Router Advertisement(ルーター広告)メッセージ(タイプ9)による応答を依頼する。


表 21
フィールド
ビット長
内容
Type 8 10
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
Reserved 32 予約済み。すべて0に設定される。



 

Time Exceeded(タイプ11)

ルーターにおいてパケットのTTLがゼロになった、あるいは、ホストが一定時間内にフラグメントを再構成できなかったことを示す。


表 22
フィールド
ビット長
内容
Type 8 11
Code 8 別表参照
Checksum 16 チェックサム
unused 32 未使用。すべて0
Original Header/Data 可変 オリジナルのIPヘッダー+データの先頭64ビット


表 23
コード
名称
内容
送信者
0 time to live exceeded in transit 生存時間(TTL)超過。生存時間フィールドの値がゼロになったため、データグラムを転送せずに破棄したことを示す ルーター
1 fragment reassembly time exceeded フラグメント再構成時間超過。先頭フラグメントを受信してから一定時間の間にすべてのフラグメントを受信できなかったため、これまでに受信したフラグメントをすべて破棄したことを示す。このメッセージは先頭フラグメントに対してのみ送られる ホスト



 

Parameter Problem(タイプ12)

IPヘッダーにエラーがあったためデータグラムを破棄したことを示す。


表 24
フィールド
ビット長
内容
Type 8 12
Code 8 別表参照
Checksum 16 チェックサム
Pointer 8 オリジナルIPヘッダーの何オクテット目にエラーがあったかを示す。先頭オクテットを0とする。
unused 24 未使用。すべて0
Original Header/Data 可変 オリジナルのIPヘッダー+データの先頭64ビット


表 25
コード
名称
内容
送信者
0 pointer indicates the error オリジナルのIPヘッダーにエラーがあったことを示す。Pointerフィールドがエラーのあったオクテットを示している ホスト、ルーター



 

Timestamp(タイプ13)

相手側に時刻情報(本メッセージの受信時刻と返信時刻)を要求する。往復時間と相手のシステム負荷を測定するためなどに使われる。ホストとルーターの両方が使用する。


表 26
フィールド
ビット長
内容
Type 8 13
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。
Originate Timestamp 32 タイムスタンプ要求メッセージの送信時刻。UTC深夜からの経過時間をミリ秒単位で示したもの。要求メッセージの送信側が送信直前に書き込む。
Receive Timestamp 32 タイムスタンプ要求メッセージの受信時刻。応答メッセージの送信者が書き込む。
Transmit Timestamp 32 タイムスタンプ応答メッセージの送信時刻。応答メッセージの送信者が送信直前に書き込む。


Note - UTCからの経過ミリ秒を得られない場合、各タイムスタンプフィールドには任意の時刻情報を入れることができる。その際、標準外のフォーマットであることを示すために、各フィールドの最上位ビットを1にする。


 

Timestamp Reply(タイプ14)

Timestamp(タイムスタンプ要求)メッセージ(Type 13)に対する応答。要求メッセージの受信時刻と応答メッセージの返信時刻をUTC(協定世界時)深夜からの経過時間をミリ秒単位で示す。ホストとルーターの両方が使用する。


表 27
フィールド
ビット長
内容
Type 8 14
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。
Originate Timestamp 32 タイムスタンプ要求メッセージの送信時刻。UTC深夜からの経過時間をミリ秒単位で示したもの。要求メッセージの送信側が送信直前に書き込む。
Receive Timestamp 32 タイムスタンプ要求メッセージの受信時刻。応答メッセージの送信者が書き込む。
Transmit Timestamp 32 タイムスタンプ応答メッセージの送信時刻。応答メッセージの送信者が送信直前に書き込む。


Note - UTCからの経過ミリ秒を得られない場合、各タイムスタンプフィールドには任意の時刻情報を入れることができる。その際、標準外のフォーマットであることを示すために、各フィールドの最上位ビットを1にする。


 

Information Request(タイプ15)

ホストが自分のIPアドレスを知るために使用するメッセージ。送信側は、IPデータグラムの始点・終点IPアドレスにゼロ(このネットワーク)をセットして本メッセージを送信する。応答側は始点に自分のアドレス、終点に要求側の正式なIPアドレスをセットしてInformation Replyメッセージ(タイプ16)を返送する。ホストとルーターの両方が使用する。


表 28
フィールド
ビット長
内容
Type 8 15
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。



 

Information Reply(タイプ16)

ホストが自分のIPアドレスを知るために使用するメッセージ。送信側は、IPデータグラムの始点・終点IPアドレスにゼロ(このネットワーク)をセットして本メッセージを送信する。応答側は始点に自分のアドレス、終点に要求側の正式なIPアドレスをセットしてInformation Replyメッセージ(タイプ16)を返送する。ホストとルーターの両方が使用する。


表 29
フィールド
ビット長
内容
Type 8 16
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。



 

Address Mask Request(タイプ17)

ホストがサブネットマスクを知るために使用するメッセージ。


表 30
フィールド
ビット長
内容
Type 8 17
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。
Address Mask 32 サブネットマスク。要求時は0。



 

Address Mask Reply(タイプ18)

Address Mask Request(アドレスマスク要求)メッセージ(タイプ17)に対する応答。要求元ホストにサブネットマスクを教える。


表 31
フィールド
ビット長
内容
Type 8 18
Code 8 0
Checksum 16 チェックサム
ID 16 識別子(ID)。要求と応答をつきあわせるための番号
Sequence Number 16 シーケンス番号。要求と応答をつきあわせるための番号。
Address Mask 32 サブネットマスク




 

TCP(Transmission Control Protocol)

IPネットワーク上のプロセス間で信頼性のあるコネクション型全二重通信を提供するプロトコル。IPプロトコル番号は6。

RFC793, TRANSMISSION CONTROL PROTOCOL


TCPセグメントのフォーマット


表 32
フィールド
ビット長
内容
Source Port 16 始点ポート。送信元ホスト上のプロセスを示す。
Destination Port 16 終点ポート。宛先ホスト上のプロセスを示す
Sequence Number 32 シーケンス番号。データ(Data)の先頭オクテットのシーケンス番号。Synフラグがセットされているとき(コネクション開始時)は、ISN(初期シーケンス番号)という値が選択され、このフィールドにセットされる。コネクション確立後の最初のデータオクテットのシーケンス番号はISN+1となる。
Acknowledgement Number 32 応答確認番号。このセグメントの送信者が次に受け取ると期待しているセグメントのシーケンス番号。応答確認番号より前のオクテットをすべて受信したことを示す。
Data Offset 4 データオフセット。TCPセグメントヘッダーの長さ。32ビットワード単位で表す。
Reserved 6 未使用(常に0)
URG 1 Urgent(緊急)フラグ。Urgent Pointerフィールドが指し示す位置に緊急データ(制御コードなど)が置かれていることを示す。
ACK 1 Acknowledgement(応答確認)フラグ。Acknowledgement Numberが有効であり、受信セグメントに対する応答確認を含むことを示す。
PSH 1 Push(プッシュ)フラグ。可能な限り早く終点ポート番号で示した上位プロセスにデータを渡すよう指示する。対話型アプリケーションのように小さなデータを断続的に送信するような場合に使用される。
RST 1 Reset(リセット)フラグ。コネクションをリセット(強制切断)するよう要求する。RSTフラグのセットされたセグメントを受信した側はただちにコネクションを切断しなくてはならない。
SYN 1 Synchronize(同期)フラグ。コネクション確立時にのみ使用されるもので、Sequence NumberフィールドにISN(初期シーケンス番号)が入っていることを相手側に伝える。コネクション確立要求を受け入れる側は、ただちにISNに対する応答確認を送る。
FIN 1 Finish(終了)フラグ。セグメントの送信者にもはや送るべきデータがないことを示す。FINフラグを送った側も受信は継続するため、片側がFINを送った段階でコネクションは単方向になる。
Window 16 セグメントの送信者が受信可能なデータ量(受信ウィンドウサイズ)を示す。このデータ量は、Acknowledgementフィールドが示すオクテットを起点として数える。
Checksum 16 チェックサム。
Urgent Pointer 16 緊急ポインター。URGフラグがセットされている場合にのみ有効。受信側が一番最初に処理すべきデータ(制御コードなど)の格納位置を、Sequence Numberフィールドが示すオクテットからのオフセット(オクテット単位)であらわす。
Options 可変 オプションフィールド
Padding 可変 パディング。ヘッダー長が32ビットの整数倍になるように調整するためのもの。1〜3オクテットの可変長。
Data 可変 データ




 

UDP(User Datagram Protocol)

IPネットワーク上のプロセス間でベストエフォート型のコネクションレストランザクション機能を提供するプロトコル。わずか8オクテットのシンプルなヘッダーにより、オーバーヘッドの少ない通信を可能にする。IPプロトコル番号は17。

RFC768, User Datagram Protocol

UDPデータグラムのフォーマット


表 33
フィールド
ビット長
内容
Source Port 16 始点ポート(オプション)。送信元ホスト上のプロセスを示す。使用しないときは0が入る。
Destination Port 16 終点ポート。宛先ホスト上のプロセスを示す
Length 16 データグラム長(オクテット)。UDPヘッダー+データ(Dataフィールド)の長さ。最小は8
Checksum 16 チェックサム(オプション)。使用しないときは0が入る。
Data 可変 データ




 

おもなWell-knownポート

RFC1700, ASSIGNED NUMBERS
http://www.iana.org/assignments/port-numbers

表 34
7/tcp echo
7/udp echo
9/tcp discard
9/udp discard
13/tcp daytime
13/udp daytime
19/tcp chargen(Character Generator)
19/udp chargen(Character Generator)
20/tcp FTP(データ用)
20/udp FTP(データ用)
21/tcp FTP(制御用)
21/udp FTP(制御用)
23/tcp Telnet
23/udp Telnet
25/tcp SMTP
25/udp SMTP
37/tcp Time
37/udp Time
53/tcp Domain Name Server
53/udp Domain Name Server
65/tcp TACACS-Database Service
65/udp TACACS-Database Service
67/tcp BOOTPサーバー
67/udp BOOTPサーバー
68/tcp BOOTPクライアント
68/udp BOOTPクライアント
69/tcp TFTP
69/udp TFTP
70/tcp gopher
70/udp gopher
79/tcp finger
79/udp finger
80/tcp HTTP(WWW)
80/udp HTTP(WWW)
88/tcp Kerberos
88/udp Kerberos
110/tcp POP3
110/udp POP3
111/tcp SUN Remote Procedure Call(sunrpc)
111/udp SUN Remote Procedure Call(sunrpc)
113/tcp ident(auth)
113/udp ident(auth)
119/tcp NNTP(ネットニュース)
119/udp NNTP(ネットニュース)
123/tcp NTP(Network Time Protocol)
123/udp NTP(Network Time Protocol)
137/tcp NETBIOS Name Service(netbios-ns)
137/udp NETBIOS Name Service(netbios-ns)
138/tcp NETBIOS Datagram Service(netbios-dgm)
138/udp NETBIOS Datagram Service(netbios-dgm)
139/tcp NETBIOS Session Service(netbios-ssn)
139/udp NETBIOS Session Service(netbios-ssn)
161/tcp SNMP
161/udp SNMP
162/tcp SNMP Trap
162/udp SNMP Trap
194/tcp IRC(Internet Relay Chat)
194/udp IRC(Internet Relay Chat)
389/tcp LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)
389/udp LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)
443/tcp https
443/udp https
445/tcp Microsoft-DS
445/udp Microsoft-DS
512/tcp rexec
512/udp biff
513/tcp rlogin
513/udp rwho
514/tcp rcmd
514/udp syslog
515/tcp LPD(Line Printer Spooler)
515/udp LPD(Line Printer Spooler)



 

IPアドレス

 

IPアドレスクラス一覧


表 35
クラス
アドレス範囲
先頭ビットパターン
ネットワーク部の長さ
ホスト部の長さ
A 0.0.0.0-127.255.255.255 0 7 24
B 128.0.0.0-191.255.255.255 10 14 16
C 192.0.0.0-223.255.255.255 110 21 8
D 224.0.0.0-239.255.255.255 1110 28(グループID) -
E 240.0.0.0-247.255.255.255 11110 - -


127.0.0.0/8(特に127.0.0.1)はループバックアドレスとして使われることが多い。


 

プライベートIPアドレス

RFC1918, Address Allocation for Private Internets


 

可変長サブネットマスク

RFC1878, Variable Length Subnet Table For IPv4

表 36
マスク長
10進
16進
ホスト数
備考
1 128.0.0.0 80000000 2^31 = 2,147,483,648(2048M) クラスA 128個
2 192.0.0.0 c0000000 2^30 = 1,073,741,824(1024M) クラスA 64個
3 224.0.0.0 e0000000 2^29 = 536,870,912(512M) クラスA 32個
4 240.0.0.0 f0000000 2^28 = 268,435,456(256M) クラスA 16個
5 248.0.0.0 f8000000 2^27 = 134,217,728(128M) クラスA 8個
6 252.0.0.0 fc000000 2^26 = 67,108,864(64M) クラスA 4個
7 254.0.0.0 fe000000 2^25 = 33,554,432(32M) クラスA 2個
8 255.0.0.0 ff000000 2^24 = 16,777,216(16M) クラスA 1個
9 255.128.0.0 ff800000 2^23 = 8,388,608(8M) クラスB 128個
10 255.192.0.0 ffc00000 2^22 = 4,194,304(4M) クラスB 64個
11 255.224.0.0 ffe00000 2^21 = 2,097,152(2M) クラスB 32個
12 255.240.0.0 fff00000 2^20 = 1,048,576(1024K) クラスB 16個
13 255.248.0.0 fff80000 2^19 = 524,288(512K) クラスB 8個
14 255.252.0.0 fffc0000 2^18 = 262,144(256K) クラスB 4個
15 255.254.0.0 fffe0000 2^17 = 131,072(128K) クラスB 2個
16 255.255.0.0 ffff0000 2^16 = 65,536(64K) クラスB 1個
17 255.255.128.0 ffff8000 2^15 = 32,768(32K) クラスC 128個
18 255.255.192.0 ffffc000 2^14 = 16,384(16K) クラスC 64個
19 255.255.224.0 ffffe000 2^13 = 8,192(8K) クラスC 32個
20 255.255.240.0 fffff000 2^12 = 4,096(4K) クラスC 16個
21 255.255.248.0 fffff800 2^11 = 2,048(2K) クラスC 8個
22 255.255.252.0 fffffc00 2^10 = 1,024(1K) クラスC 4個
23 255.255.254.0 fffffe00 2^9 = 512 クラスC 2個
24 255.255.255.0 ffffff00 2^8 = 256 クラスC 1個
25 255.255.255.128 ffffff80 2^7 = 128 クラスC 1/2個
26 255.255.255.192 ffffffc0 2^6 = 64 クラスC 1/4個
27 255.255.255.224 ffffffe0 2^5 = 32 クラスC 1/8個
28 255.255.255.240 fffffff0 2^4 = 16 クラスC 1/16個
29 255.255.255.248 fffffff8 2^3 = 8 クラスC 1/32個
30 255.255.255.252 fffffffc 2^2 = 4 クラスC 1/64個
31 255.255.255.254 fffffffe 2^1 = 2 クラスC 1/128個
32 255.255.255.255 ffffffff 2^0 = 1 単一ホスト


 

マルチキャストグループアドレス

RFC1700, ASSIGNED NUMBERS
http://www.iana.org/assignments/multicast-addresses

表 37
アドレス
対象グループ
224.0.0.0/24 経路制御プロトコルなどのために予約。転送されない
224.0.0.0 使用されない
224.0.0.1 同一サブネット上の全ノード
224.0.0.2 同一サブネット上の全ルーター
224.0.0.4 DVMRPルーター
224.0.0.5 OSPFルーター
224.0.0.6 OSPF代表ルーター
224.0.0.9 RIP Version 2ルーター
224.0.0.13 PIMルーター
224.0.0.18 VRRP
224.0.1.1 NTP(Network Time Protocol)
224.0.1.24 microsoft-ds








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