[index] CentreCOM 9600/8600シリーズ コマンドリファレンス 2.2

IPマルチキャスト/付録


  - マルチキャスト
  - DVMRP
   - メッセージ
   - 基本動作
  - IGMP
   - メッセージ
   - 基本動作


 

マルチキャスト

IPパケット送信時のアドレス指定方法には次の種類があります。



 

DVMRP

DVMRP(Distance Vector Multicast Routing Protocol)は、RPM(Reverse Path Multicasting)の技術を用いて、送信者(始点)をルートとするマルチキャスト配送木を動的に構築、最適化するマルチキャスト経路制御プロトコルです。RIPをもとにした経路情報交換メカニズムによって、マルチキャスト用の経路表を独自に管理します。

 

メッセージ

DVMRPメッセージはIPを直接利用して配送されます。プロトコル番号は2(IGMP)で、IGMPと同じヘッダーを使用します。IGMPパケットタイプは0x13。IPヘッダーのTOSオクテットは0xc0(3ビットの優先度フィールドが110=Internet Control)にセットされます。DVMRPルーターグループアドレスは224.0.0.4。

DVMRPメッセージには以下の種類があります。

表 1
コード
メッセージ名
説明
1 DVMRP Probe 隣接ルーターを探索する
2 DVMRP Report 経路情報を交換する
3 DVMRP Ask Neighbors (診断用)現在は使われていない
4 DVMRP Neighbors (診断用)現在は使われていない
5 DVMRP Ask Neighbors 2 (診断用)隣接ルーターリストを要求する
6 DVMRP Neighbors 2 (診断用)隣接ルーターリストを返す
7 DVMRP Prune マルチキャスト配送木の枝刈り(不要なパスの削除)を要求する
8 DVMRP Graft マルチキャスト配送木の接ぎ木(新規パスの追加)を要求する
9 DVMRP Graft Ack Graftメッセージに対する確認応答



 

基本動作




個別のDVMRPルーターは次のような処理を行います。



 

IGMP

IGMP(Internet Group Management Protocol)は、LAN上のマルチキャスト対応ルーターとホストがメッセージを交換しあい、LAN上にどのマルチキャストグループのメンバーがいるかを把握するためのプロトコルです。ルーターはIGMPを通じて得た情報をもとに、他のルーターから受け取ったマルチキャストパケットを配下のLANに転送するかどうか判断したり、他のルーターに対して特定グループ宛てのパケットを配送してくれるよう依頼したりします。

 

メッセージ

IGMPメッセージはIPを直接利用して配送されます。プロトコル番号は2(IGMP)です。

IGMPメッセージには以下の種類があります。

表 2
タイプ
メッセージ名
説明
0x11 Membership Query サブネット上にどのグループのメンバーがいるかを調べるGeneral Queryと、特定グループにメンバーがいるかどうかを調べるGroup-Specific Queryの2種類のサブタイプがある。General Queryはサブネット上の全ホスト(224.0.0.1)に、Group-Specific Queryは該当グループアドレスに送信される。
0x16 (Version 2) Membership Report 特定グループに所属するメンバーの存在を知らせる。報告先のグループアドレスに送信される。
0x17 Leave Group 特定グループから脱退することを知らせる。サブネット上の全ルーター(224.0.0.2)に送信される。



 

基本動作

  1. マルチキャストルーターは、IGMPが有効に設定されているすべてのインターフェース(LAN)から、全ホストマルチキャストアドレス(224.0.0.1)に宛てて、定期的にGeneral Membership Queryを送信し、LAN上にマルチキャストグループのメンバーがいるかどうかをたずねます。LAN上に複数のマルチキャストルーターが存在する場合は、インターフェースアドレスのもっとも小さいルーターが代表として問い合わせを行います。

  2. 特定マルチキャストグループのトラフィックの配送を希望するホストは、ルーターの問い合わせに対してMembership Reportを返送し、該当グループのパケットを配送してくれるよう依頼します。サブネット上に同じグループのメンバーが複数存在する場合は、乱数タイマーによってそのうちのひとつだけがMembership Reportを送信します。ルーターはLAN上にマルチキャストグループのメンバーが存在するか否かを知りたいのであって、メンバーの数を知りたいのではないからです。また、グループ最初のメンバーとなるホストは、自発的にMembership Reportを送信して、ルーターにグループへの参加を表明します。

  3. Membership Reportを受け取ったルーターは、該当LAN上のアクティブグループリストを更新します。一覧にはメンバーの存在するグループが掲載されており、この情報をもとにルーターは別のルーターから受け取ったマルチキャストパケットをLANに転送するべきかどうかを判断します。

  4. ホストがグループから抜けるときは、ルーターにLeave Groupメッセージを送ります。Leave Groupメッセージを受け取ったルーターは、該当グループに対するGroup-Specific Membership Queryを何回か送信し、LAN上にグループのメンバーがいなくなったことを確認すると、上流ルーターにトラフィック配送の必要がないことを伝えます。









Copyright (C) 2000-2002 アライドテレシス株式会社

PN: J613-M0522-00 Rev.C