[index] CentreCOM 9600/8600シリーズ コマンドリファレンス 2.2

DHCPサーバー/概要・基本設定

対象機種:8624、9606


  - DHCPサーバー
  - DHCPサーバー(複数サブネット)
  - BOOTPサーバー


本製品のDHCP/BOOTPサーバー機能について説明します。

Note - DHCPクライアント機能については、「IPインターフェース」で説明しています。

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、クライアントに対して動的にIP設定パラメーターを提供する機能です。

DHCPサーバーは、クライアントの要求に対して、あらかじめプールされたIPアドレスの中から使用されていないアドレスを選び、一定期間クライアントに割り当てます。

また、サブネットマスクやデフォルトルート、ネームサーバーアドレスなど、同一サブネット内で共通に用いられるパラメーターをサーバー側で管理し、クライアントに提供することもできます。


 

DHCPサーバー

本製品をDHCPサーバーとして機能させるために必要な最低限の設定について説明します。VLANとIPの設定は終わっているものとします。

  1. DHCPサーバーを有効にします。


  2. DHCPポリシーを作成します。ここでは、IPアドレスの使用期限(リース時間)を7200秒(2時間)とします。


  3. DHCPクライアントに提供する基本的なIP設定パラメーターを指定します。ここでは、以下の情報を提供するよう設定します。

    表 1
    サブネットマスク 255.255.255.0
    デフォルトルート 192.168.10.1
    プライマリーDNSサーバー 192.168.10.254
    セカンダリーDNSサーバー 192.168.10.253



    Note - IPアドレスなどを複数指定するときは、カンマの前後にスペースを入れないよう注意してください。

    Note - 上記以外のもさまざまな設定情報をクライアントに提供することができます。詳細はADD DHCP POLICYコマンドの説明をご覧ください。なお、提供された情報を使うかどうかはクライアントの実装によります。

  4. クライアントに割り当てるIPアドレスの範囲を指定します。ここでは192.168.10.240〜192.168.10.249の10アドレスを割り当てます。


以上で設定は完了です。


Note - マルチホーミングによってVLAN上に複数のIPインターフェースを作成した場合、そのVLANではDHCPサーバー機能を使用できません。DHCPサーバー機能を使用するVLANではマルチホーミングを使わないでください。

■ DHCPの全般的な設定内容を確認するには、SHOW DHCPコマンドを使います。

■ DHCPポリシーの情報を確認するには、SHOW DHCP POLICYコマンドを使います。

■ DHCPレンジ(割り当て用アドレスプール)の設定内容を確認するには、SHOW DHCP RANGEコマンドを使います。

■ DHCPクライアントの一覧はSHOW DHCP CLIENTコマンドで確認できます。


 

DHCPサーバー(複数サブネット)

複数のサブネットに対して、DHCPサービスを提供するための設定について説明します。ここでは次のような構成のネットワークを例に解説します。VLANとIPの設定は終わっているものとします。



  1. DHCPサーバーを有効にします。


  2. DHCPポリシーを作成します。ここでは、両VLANに共通のパラメーターをベースポリシー「base」としてまとめることにします。


  3. DHCPクライアントに提供するIP設定パラメーターを設定します。ポリシー「base」には、両VLANに共通な以下の情報を設定します。デフォルトゲートウェイはVLANごとに異なるため、ここでは設定しません。

    表 2
    サブネットマスク 255.255.255.0
    DNSサーバーのIPアドレス 192.168.10.5
    WINSサーバー(NBNS)のIPアドレス 192.168.20.5



    Note - IPアドレスなどを複数指定するときは、カンマの前後にスペースを入れないよう注意してください。

    Note - 上記以外のもさまざまな設定情報をクライアントに提供することができます。詳細はADD DHCP POLICYコマンドの説明をご覧ください。なお、提供された情報を使うかどうかはクライアントの実装によります。

  4. 次にVLAN別のDHCPポリシーを作成します。INHERITパラメーターを指定して、共通の設定情報を持つベースポリシー「base」を継承するようにします。


  5. VLANごとに異なる情報(デフォルトゲートウェイアドレス)を各ポリシーに追加します。


  6. クライアントに割り当てるIPアドレスの範囲をポリシーごとに指定します。VLAN whiteのクライアントには192.168.10.240〜192.168.10.249の10アドレスを、VLAN orangeのクライアントには192.168.20.240〜192.168.20.249の10アドレスを割り当てます。


以上で設定は完了です。

Note - マルチホーミングによってVLAN上に複数のIPインターフェースを作成した場合、そのVLANではDHCPサーバー機能を使用できません。DHCPサーバー機能を使用するVLANではマルチホーミングを使わないでください。

■ 継承関係のあるDHCPポリシーの設定内容は次のようになります。



 

BOOTPサーバー

BOOTP(Bootstrap Protocol)は、ネットワーク機器やディスクレスワークステーションなどのBOOTPクライアントが、起動に必要な情報を取得するためのプロトコルです。

bootrequestパケットを受け取ったBOOTPサーバーは、クライアントのMACアドレスをキーとして、あらかじめ設定されているBOOTPクライアントの一覧を検索し、該当するクライアント用のIPアドレスや、クライアントが使用するブートイメージの置かれているサーバーのアドレスなどをbootreplyパケットで返答します。

BOOTPクライアントは、サーバーから受け取った情報をもとに、自身のIPアドレスを設定し、次にTFTP(Trivial File Transfer Protocol)等を使って、ブートサーバーからブートイメージをダウンロードし、それを実行して起動します。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。

表 3
VLAN名(VID)
untaggedポート
taggedポート
IPアドレス
Green (10) 1〜8 なし 192.168.10.1/24
Blue (100) 24 なし 192.168.100.1/24


BOOTPサーバーが提供する情報は次のとおりです。

表 4
DHCP(BOOTP)ポリシー名 netboot
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトルート 192.168.10.1
DNSサーバーのIPアドレス 192.168.10.2
ブートサーバーのIPアドレス 192.168.10.100
ブートファイル名 boot.img


BOOTPクライアントの情報は次のとおりとします

表 5
MACアドレス
IPアドレス
00-00-f4-95-9f-31 192.168.10.126



スイッチの設定
  1. VLAN Green(VID=10)を作成し、ポート1〜8をuntaggedポートとして追加します。


  2. VLAN Blue(VID=100)を作成し、ポート24をuntaggedポートとして追加します。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. VLAN GreenのIPインターフェースにIPアドレスを設定します。


  5. VLAN BlueのIPインターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. デフォルトルートを設定します。ルーティングテーブルにないネットワークへのIPパケットは、この経路に送られます。


  7. BOOTP機能を有効にします。


  8. DHCPポリシー「netboot」を作成します。BOOTPを使用するときは、LEASETIMEにINFINITYを指定します。


  9. クライアントに提供する各種情報を設定します。


  10. クライアントに関する情報を登録します。


  11. これでスイッチの設定は完了です。設定をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


設定は以上です。


■ BOOTP(DHCP)の設定内容を確認するには、SHOW DHCPコマンドを使います。



■ BOOTP(DHCP)ポリシーの情報を確認するには、SHOW DHCP POLICYコマンドを使います。



■ BOOTP(DHCP)レンジ(割り当て用アドレスプール)の設定内容を確認するには、SHOW DHCP RANGEコマンドを使います。



■ BOOTP(DHCP)クライアントの一覧はSHOW DHCP CLIENTコマンドで確認できます。








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