[index] CentreCOM 8724XL/8748XL コマンドリファレンス 2.7

ADD IP ROUTE FILTER

カテゴリー:IP / 経路制御フィルター


ADD IP ROUTE FILTER[=entry-id] IP=ipadd MASK=ipadd ACTION={INCLUDE|EXCLUDE} [DIRECTION={RECEIVE|SEND|BOTH}] [INTERFACE=vlan-if] [NEXTHOP=ipadd] [PROTOCOL={ANY|RIP|OSPF}]

entry-id: エントリー番号(1〜100)
ipadd: IPアドレスまたはネットマスク
vlan-if: VLANインターフェース(VLAN-nameかVLANvidの形式。nameはVLAN名、vidはVLAN ID)またはPPPインターフェース


IPルートフィルターリストにフィルターエントリーを追加する。

経路情報の送受信時には、ルートフィルターリストが番号の小さい順に検索され、最初にマッチしたフィルターエントリーが適用される。

ルートフィルターは、RIP、OSPFによる経路情報の交換を制御するもので、内部の経路情報(の一部)を外部に知らせないようにしたり、他のルーターから得た経路情報の一部を破棄したりする設定が可能。



パラメーター

FILTER: フィルターエントリー番号。省略時はフィルターリストの末尾に追加される。すでにn個のエントリーが存在している場合(1〜nが存在)、本パラメーターを省略すると「n+1」を指定したのと同じ動作になる。また、「n+1」より大きなエントリー番号を指定した場合も「n+1」を指定したものと見なされる。既存エントリーと同じ番号を指定した場合は、既存エントリーの前に新規エントリーが追加され、既存エントリー以降は番号が1つずつ後ろにずれる。

IP: ネットワークアドレスを指定する。バイト単位でワイルドカード(*)の指定が可能。たとえば、「192.168.*.*」は「192.168」で始まるすべてのアドレスにマッチする。「192.168.12*.*」のような指定は無効。

MASK: ネットマスクを指定。IPパラメーター同様、ワイルドカードを使用可能。

ACTION: 条件にマッチした経路情報に対するアクションを指定する。INCLUDEは経路情報をメッセージに含める(送信時)あるいはルーティングテーブルに追加する(受信時)。EXCLUDEは経路情報をメッセージに含めない(送信時)あるいはルーティングテーブルに追加しない(受信時)。

DIRECTION: 経路情報の送信時(SEND)にフィルターをかけるか、受信時(RECEIVE)にかけるか、あるいは、送信時受信時とも(BOTH)かを指定する。省略時はBOTHだが、受信時と送信時では他のパラメーターの意味が異なる場合があるため、通常はSENDかRECEIVEを明示的に指定すること。

INTERFACE: フィルターを適用するIP(VLAN)インターフェースを指定する。PROTOCOL=RIPのときだけ有効。本パラメーター指定時は、該当インターフェースで送受信されるRIPの経路情報に対してのみフィルターが適用される。

NEXTHOP: ネクストホップルーターのIPアドレス。PROTOCOL=RIPかつDIRECTION=RECEIVEのときだけ有効。本パラメーターを指定したときは、受信した経路情報のネクストホップが本パラメーターの値と一致する場合にのみマッチする。RIP1の場合は、RIPパケットの始点IPアドレスが本パラメーターと一致するときだけマッチ。RIP2の場合は、RIPパケットのNext Hopフィールドの値が本パラメーターと一致するか、Next Hopフィールドの値が0.0.0.0で始点アドレスが本パラメーターと一致するときだけマッチする。

PROTOCOL: フィルターの適用対象となるルーティングプロトコル(RIPまたはOSPF)を指定する。デフォルトはANY(すべて)だが、プロトコルによって他のパラメーターの意味が異なるため、通常はRIPかOSPFを明示的に指定すること。



宛先が「200.200.*.*」となる経路情報の送受信を行わないようにする
ADD IP ROUTE FILTER=1 IP=200.200.*.* MASK=*.*.*.* ACTION=EXCLUDE
ADD IP ROUTE FILTER=2 IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* ACTION=INCLUDE



備考・注意事項

PROTOCOLパラメーターには、ANYを指定する(あるいはPROTOCOLパラメーター自体を省略する)のではなく、可能な限り対象プロトコルを明示すること。たとえば、ある経路をRIPとOSPFの両方で学習している場合、この経路を受け取らないようにするには、PROTOCOL=ALLのエントリーを1つ作るのではなく、PROTOCOL=RIPのエントリーとPROTOCOL=OSPFのエントリーを作成する。

RIPに対するIPルートフィルターをコマンドラインから作成または変更したときは、RESET IPコマンドでIPモジュールを初期化するか、RESTARTコマンドでシステムを再起動すること。

OSPFに対するIPルートフィルターをコマンドラインから作成または変更したときは、RESET OSPFコマンドでOSPFモジュールを初期化するか、RESET IPコマンドでIPモジュールを初期化するか、RESTARTコマンドでシステムを再起動すること。



関連コマンド

DELETE IP ROUTE FILTER
SET IP ROUTE FILTER
SHOW IP ROUTE FILTER



参考

RFC791, INTERNET PROTOCOL
RFC792, INTERNET CONTROL MESSAGE PROTOCOL
RFC950, Internet Standard Subnetting Procedure


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