[index] CentreCOM 9424T/SP-E、9424Ts/XP-E コマンドリファレンス 2.4

フォワーディングデータベース/概要・基本設定


  - FDBエントリー
  - 自動学習とダイナミックエントリー
  - スタティックエントリー


フォワーディングデータベース(FDB)は、スイッチが受信フレームの転送先ポートを決定するために使用するデータベースです。本製品は最大16K個のアドレスを登録できます。

 

FDBエントリー

FDB内の各エントリーは次のようなフィールドで構成されています。

表 1
フィールド
内容
VLAN ID ステーションが所属するVLAN
MACアドレス ステーションのMACアドレス
ポート番号 ステーションが存在するポート
ステータス スタティック、ダイナミック、またはマルチキャストのどれか


スイッチは、フレームの宛先MACアドレスをキーにFDBを検索して出力ポートを決定します。宛先アドレスがFDBに登録されていない場合は、同一のVLANに所属するすべてのポート(受信ポートを除く)からフレームを出力します(フラッディング)。

FDBエントリーには、次のような種類があります。

表 2
種別
内容
ダイナミックエントリー 学習機能により自動的に登録されたエントリー。一定時間受信がなかったエントリーは削除される(エージング)。また、システムを再起動すると、すべてのエントリーが削除される。
スタティックエントリー 管理者が手動で登録したエントリー。ADD SWITCH FILTERコマンド、またはADD SWITCH FDBコマンドで登録する。また、ポートセキュリティーでSECUREDモードを設定すると、それまでに学習したエントリーもスタティックエントリーとなる。ポートセキュリティーの設定は、SET SWITCH PORT SECURITYMODEコマンドで行う。このエントリーは、エージングによって削除されることはない。設定をファイルに保存すれば、再起動後にも使用できる。
ポートセキュリティー(learn)エントリー ポートセキュリティー機能の「学習済みアドレス」としてカウントされる特殊なエントリー。ポートセキュリティーでLIMITEDモードを設定し、学習可能なMACアドレスの上限値を設定したポートで自動学習される。ポートセキュリティーの設定は、SET SWITCH PORT SECURITYMODEコマンドで行う。このエントリーはスタティックエントリーとして扱われる(エージングによって削除されない)が、ポートセキュリティー機能をオフにする(ポートセキュリティーのモードをAUTOMATICに設定する)、またはシステムの再起動によって削除される。



FDBはスイッチの学習機能によって自動的に構築されていくため、通常管理者が設定すべきことはありませんが、FDBを参照したり、タイマー設定を変更したり、エントリーを手動で登録したりすることも可能です。

 

自動学習とダイナミックエントリー

スイッチは、その動作の過程において、受信フレームの送信元MACアドレスと受信ポートの情報に基づきFDBエントリーを動的に作成していきます。これを自動学習機能と呼びます。また、自動学習により登録されたエントリーをダイナミックエントリーと呼びます。
個々のダイナミックエントリーにはタイマーが用意されており、一定時間(エージングタイム)受信のなかったアドレスはFDBから削除されるようになっています。これは、電源が切られたり、移動したりして無効になったエントリーが、いつまでも残らないようにするためです。一方、時間内に再度受信があったときはタイマーがリセットされます。このようにして、常に最新の情報が保たれます。

■ FDBの内容を確認するには、SHOW SWITCH FDBコマンドを実行します。

■ ダイナミックエントリーを削除するには、RESET SWITCH FDBコマンド、DELETE SWITCH FILTERコマンドまたはDELETE SWITCH FDBコマンドを使います。


■ エージングタイム(MACアドレス保持時間)を変更するにはSET SWITCH AGEINGTIMERコマンドまたはSET SWITCH AGINGTIMERコマンドを使用します。1〜1048575(12日と3時間16分15秒)の範囲で指定できます。デフォルトは300秒(5分)です。


■ エージングの設定を確認するにはSHOW SWITCHコマンドを使います。「MAC address aging time」(エージングタイム)の表示をご覧ください。

■ 自動学習の設定を確認するにはSHOW SWITCH PORT SECURITYMODEコマンドを使います。「Security Mode」の表示がAutomaticの場合は、自動学習機能が有効になっています。

 

スタティックエントリー

スタティックエントリーの登録は手動で行います。また、ポートセキュリティーでSECUREDモードを設定すると、それまでに学習したエントリーもスタティックエントリーとなります。

手動でFDBエントリーを追加するにはADD SWITCH FILTERコマンドまたはADD SWITCH FDBコマンドを使います。

スタティックエントリーは、スイッチ全体で1000件まで登録可能です。

■ スタティックエントリーを追加するときは、ADD SWITCH FILTERコマンド、またはADD SWITCH FDBコマンドを使用します。VLAN名またはVLAN IDも指定します。


Note - ポートセキュリティーの学習済みアドレス(learnエントリー)は、エージングにより削除されない点ではスタティックですが、ポートセキュリティー機能をオフにする、または、システム再起動によって削除されます。

■ スタティックエントリーはSHOW SWITCH FDBコマンドで確認できます。

■ スタティックエントリーを削除するには、DELETE SWITCH FILTERコマンドまたはDELETE SWITCH FDBコマンドを使います。


■ スタティックエントリーを一括で削除するには、DELETE SWITCH FILTERコマンドまたはDELETE SWITCH FDBコマンドを使います。









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