[index] CentreCOM 9424T/SP-E、9424Ts/XP-E コマンドリファレンス 2.4

IP/ARP


  - プロトコル概要
  - ARPエントリーの手動登録


IPアドレスから物理アドレス(MACアドレス)を検索するARP(Address Resolution Protocol)関係の機能について説明します。

 

プロトコル概要

Ethernet上での通信は、たとえ上位でIPを使用していたとしても、最終的にはEthernetアドレス(MACアドレス)を使って行われます。ARPはこれを支援するために開発されたIPの重要なサポートプロトコルです。

同じVLANに所属する2台のホストがIPで通信する場合を考えます。ホスト192.168.10.1はTelnetサーバー、ホスト192.168.10.100がTelnetクライアントだとします。

Telnetセッションを開始しようとするクライアントは、最初にARP Requestパケットをブロードキャストして、サーバーのIPアドレス「192.168.10.1」に対応するMACアドレスを要求します。これに対し、サーバーはARP Replyパケットでクライアントに自分のMACアドレスを伝えます。これで初めて、クライアントはサーバーにIPパケット(TCP Synパケット)を直接送信できるようになります。

ルーター越えの通信でもARPは使用されます。なぜならば、別のIPネットワーク上にあるホストと通信するためには、ルーターにパケットを送りつけてIPパケットの転送を依頼しなくてはならないからです。ルーターにIPパケットを送る手順は、前述したクライアント、サーバー間の通信と何ら変わりません。ルーターにIPパケットを届けるためには、最初にルーターのMACアドレスを知らなくてはならないからです。

通常IPホストは、ARPによって学習したMACアドレスとIPアドレスの対応付けをARPキャッシュと呼ばれるテーブルに保存しています。これは、ARPパケットのブロードキャストを減らすためです。IP通信の開始時には、最初にARPキャッシュを検索し、検索に失敗したときだけARPリクエストをブロードキャストします。また、ARPエントリーにはタイマーが設定され、一定時間通信のなかったエントリーは削除(エージング)されるようになっています。


 

ARPエントリーの手動登録

通常、ARPキャッシュはプロトコルスタックの働きによって動的に構築・維持されていくため、管理者が手動で行うべきことはありません。しかしながら、状況に応じて手動でARPエントリーを登録することもできます。

■ スタティックARPエントリーを追加するには、ADD IP ARPコマンドを使います。


■ ARPエントリーを削除するには、DELETE IP ARPコマンドを使います。スタティックエントリーだけでなく、ダイナミックエントリーを削除することも可能です。


■ ARPキャッシュの内容を確認するには、SHOW IP ARPコマンドを実行します。












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