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CentreCOM 9600シリーズ コマンドリファレンス 2.7
スイッチング/概要・基本設定
- レイヤー3スイッチとしての設定手順
本製品はご購入時の状態でレイヤー2スイッチとして機能するよう設定されています。単なるスイッチとして使用するだけであれば、特別な設定を行うことなく、設置・配線を行うだけで使用できます。しかし、レイヤー3スイッチとしての本製品の機能を十分に発揮するためには、レイヤー3スイッチとしての設定を施す必要があります。
ここでは、レイヤー3スイッチとして使用するための基本的な設定手順について解説します。
- VLANの作成
ルーティング機能を有効にするには、最低でも2つのVLANが必要です。ご購入時には1つしかVLANが定義されていないので、新規にVLANを作成する必要があります。
VLANの作成はCREATE VLANコマンドで、ポートの割り当てはADD VLAN PORTコマンドで行います。
CREATE VLAN=white VID=10 ↓
CREATE VLAN=orange VID=20 ↓
ADD VLAN=white PORT=1-3 ↓
ADD VLAN=orange PORT=4-6 ↓
- IPプロトコルモジュールの有効化
デフォルトではIPモジュールは無効になっていますので、有効にしてください。これには、ENABLE IPコマンドを使います。
- IPインターフェースの作成
VLANにIPアドレスを割り当てることによって、VLAN上に仮想的なルーターインターフェースが作成されます。
IPの場合はADD IP INTERFACEコマンドを使ってVLANインターフェースにIPアドレスとネットマスクを設定します。マルチホーミング機能を使用すれば、1つのVLAN上に最大16個までの論理インターフェースを作成できます。
ADD IP INT=vlan-white IP=172.20.1.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=vlan-orange IP=172.20.2.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- 経路設定
必要に応じて経路の設定を行います。
同一筐体上のVLANだけで構成されたネットワークであれば、特別な経路設定は必要ありません。VLAN上にレイヤー3インターフェースを作成した時点で、該当するVLANへのダイレクト経路が自動的に経路表に登録され、2つのインターフェースが作成された時点でVLAN間ルーティングが有効になります。
これに対し、VLAN上に本製品以外のルーターがあり、その先に別のネットワークが存在する場合は、それらのネットワークへの経路情報をなんらかの方法で登録する必要があります。経路情報の管理には手動で行う方法(スタティックルーティング)と半自動で行う方法(ダイナミックルーティング)があります。
- IPで経路を静的に登録するには、ADD IP ROUTEコマンドを使います。外部への出口が1つしかないような場合は、デフォルトの経路を設定するのが一般的です。
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=vlan-white NEXTHOP=172.20.1.254 ↓
- IPで動的な経路制御を行うには、ダイナミックルーティングプロトコルのRIP(Routing Information Protocol)かOSPF(Open Shortest Path First)を使います。VLAN whiteとorangeでRIPバージョン2を有効にするには次のようにします。
ADD IP RIP INT=vlan-white SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
ADD IP RIP INT=vlan-orange SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
基本設定は以上です。
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