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CentreCOM 9600シリーズ コマンドリファレンス 2.7
IPv6マルチキャスト/MLD Snooping
MLD Snoopingは、VLAN環境において不要なIPv6マルチキャストトラフィックをフィルタリングする機能です。
Note
- MLD Snooping はデフォルトで有効になっていますが、本機能のサポートを受けるためには別売のフィーチャーライセンスAT-FL-13が必要です。
MLD Snoopingを使わない場合、マルチキャストパケットはサブネット(VLAN)単位で配送されます。すなわち、VLAN内にグループメンバーが1台でもいると、同一VLAN内のすべてのポートにパケットが転送されてしまいます。
MLD Snoopingを有効にすると、本製品は各ポートで交換されるMLDメッセージ(Multicast Listener Report、Query、Done)を監視して、受信者の存在するポートにだけ該当グループのトラフィックを配送するようになります。
■ MLD Snoopingは、ご購入時の状態(まったく設定を行っていない状態)で有効になっています。
MLD Snoopingはレイヤー2の機能であるため、本製品をレイヤー2スイッチとして使用する場合でも利用できます。次図のように、上位にマルチキャスト対応のIPv6ルーターが存在する場合、特別な設定をすることなくMLD Snoopingを利用できます。本製品にIPv6やMLD(MLD Querier機能)の設定は必要ありません。

■ MLD Snoopingの対象となるアドレスは以下のとおりです。マルチキャストアプリケーションでは、以下のマルチキャストグループアドレスを使用してください。
ffXY:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:AABB:CCDD
- 先頭の「ff」はマルチキャストアドレスであることを示すもので固定です。
- 続く「X」は4ビットのフラグフィールドです。適切な値を選択してください。現在は一時的なグループアドレスを示すT(Transient)フラグ(4ビット目)だけが定義されています。よって値は0(恒久的)か1(一時的)になります。
- 続く「Y」は4ビットのスコープフィールドです。グループアドレスの有効範囲を示します。アプリケーションに適した値を選択してください。通常は2(リンクローカル)、5(サイトローカル)、e(グローバル)を使います(詳細は表を参照)。
- 続く「xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:AABB:CCDD」は112ビットのグループIDです。「xx」の部分には任意の値(00〜ff)を指定できますが、「AA」「BB」「CC」「DD」の部分は、定義済みマルチキャストアドレスと重ならないよう、それぞれ次の範囲から選んでください。
- AA = 00〜fe
- BB = 00〜ff(ただし、AA = 00のときは03〜ff)
- CC = 00〜ff
- DD = 00〜ff
マルチキャストグループのスコープ値は次のように定義されています(RFC2373)。
表 1
0 |
予約済み |
1 |
ノードローカルスコープ(同一ノード内に限定) |
2 |
リンクローカルスコープ(同一データリンクに限定) |
3 |
予約済み |
4 |
予約済み |
5 |
サイトローカルスコープ(同一「サイト」に限定) |
6 |
予約済み |
7 |
予約済み |
8 |
組織ローカルスコープ(同一「組織」に限定) |
9 |
予約済み |
a |
予約済み |
b |
予約済み |
c |
予約済み |
d |
予約済み |
e |
グローバルスコープ(制限なし) |
f |
予約済み |
■ 本製品のみで単一VLANのネットワークを構成する場合は、デフォルトで有効なMLD Snoopingだけでなく、MLD機能(MLD Querierとしての機能)も有効にする必要があります。
Note
- MLD機能を使用するには、別売のフィーチャーライセンスAT-FL-13が必要です。
- IPv6モジュールを有効にします。
- VLAN defaultにIPv6アドレスを設定します。ご購入時の状態ではすべてのポートがVLAN defaultに所属しています。
ADD IPV6 INT=vlan-default IP=3ffe:b80:3c:10::1/64 PUBLISH=YES ↓
- ルーター通知(RA)を有効にします。
- MLDモジュールを有効にします。
- VLAN default上でMLDを有効にします。
ENABLE IPV6 MLD INT=vlan-default ↓
設定は以上です。MLD Snoopingはデフォルト有効なので、設定は必要ありません。
■ MLD Snoopingの状態はSHOW MLDSNOOPINGコマンドで確認できます。
■ MLD Snoopingを無効にするには、DISABLE MLDSNOOPINGコマンドを実行します。また、再度有効にするには、ENABLE MLDSNOOPINGコマンドを実行します。
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