[index] CentreCOM FS900Mシリーズ コマンドリファレンス 1.6.0

PoE/概要・基本設定

備考:PoE給電機能に対応しているのは FS909M-PS、FS917M-PS、FS926M-PS のみ


  - PoE給電機能のオン・オフ
  - 給電時の優先順位
  - ポートごとの給電制限
  - その他


本製品のPoE(Power over Ethernet)給電機能について説明します。

PoE(Power over Ethernet)は、UTPケーブルを使って、データと電力を同時に伝送する技術です。PoEの規格(IEEE 802.3af)では、電力を供給する側を「給電機器(PSE: Power Sourcing Equipment)」、電力の供給を受ける側を「受電機器(PD: Powered Device)」と呼びます。

FS900M-PSは、UTPケーブルを使って、データと電力を同時に受電機器に伝送することができます。

 

PoE給電機能のオン・オフ

PoE給電機能に対応しているのは、本体内蔵のスイッチポート(PoEポート)です。拡張ポート(FS909M-PSではポート9、FS917M-PSではポート17、FS926M-PSではポート25〜26)はPoEには対応していません。

デフォルトでは、すべてのPoEポート(FS909M-PSではポート1〜8、FS917M-PSではポート1〜16、FS926M-PSではポート1〜24)でPoE給電機能が有効になっており、接続された受電機器(PD)の検出、電力クラスの識別を自動的に行い、必要に応じて給電を開始します。接続されている機器が受電機器ではなく通常のEthernet機器だった場合は、給電を行わず通常のEthernetポートとして動作します。

Note - 電力クラスは、SHOW POEコマンドのClass欄、または、SHOW POE PORTコマンドのPower Class欄で確認できます。なお、電力クラスの情報は同コマンドの表示以外には使用されません(給電制御には使用されません)。

Note - 本製品を給電機器(PSE)とカスケード接続する場合は、本製品のカスケードポートのPoE給電機能をDISABLE POE PORTコマンドで無効に設定してください。

■ 指定したポートでPoE給電機能を無効にするには、DISABLE POE PORTコマンドを使います。


■ 指定したポートでPoE給電機能を再度有効にするには、ENABLE POE PORTコマンドを使います。


 

給電時の優先順位


PoE規格では受電機器の「電力クラス」を次のように規定していますが、15.4Wのクラス3受電機器ならFS909M-PSで3ポートまで、FS917M-PSで7ポートまで、FS926M-PSで10ポートまで、7.0Wのクラス2受電機器なら全ポート同時給電が可能です。

Note - 本製品はPoEポートに接続された受電機器の電力クラスを自動的に識別しますが、電力クラスの情報にもとづく給電制御は行いません。各PoEポートから出力する電力の上限値は、SET POE PORTコマンドのPOWERLIMITパラメーターを使って個別に設定可能です(下記「ポートごとの給電制限」を参照)。

表 1:電力クラス(参考)
クラス
用途
受電機器の最大使用電力
給電機器の最小出力電力
0 デフォルト 0.44〜12.95W 15.4W
1 オプション 0.44〜3.84W 4.0W
2 オプション 3.84〜6.49W 7.0W
3 オプション 6.49〜12.95W 15.4W
4 予備 予備 クラス0として処理


PoE電源の電力使用量がPoE電源最大給電電力+パワーマージンを上回った場合は、給電中のポートのうち、もっとも優先順位の低いポートへの給電を停止します。優先順位は次のようにして決定されます。

  1. ポートの給電優先度(SET POE PORTコマンドのPRIORITYパラメーターで設定)。CRITICAL(最高)、HIGH(高)、LOW(低)の3段階。

  2. 給電優先度の同じポート間では、ポート番号の小さい方が優先順位が高くなる。

デフォルトでは、すべてのPoEポートで給電優先度がLOWに設定されています。したがって、給電時の優先順位はポート番号の順になります(ポート1が優先順位最高)。

■ ポートの給電優先度を変更するには、SET POE PORTコマンドのPRIORITYパラメーターを使います。


 

ポートごとの給電制限

PoE給電機能が有効になっている各ポートからは、最大15.4Wの給電が可能ですが、ポート単位で出力電力に上限を設けることも可能です。デフォルトの上限値は15.4W(15400mW)です。

特定ポートにおいて、出力電力が上限値を超えた場合は、給電優先順位に関係なく該当ポートへの給電を停止します。

Note - 本製品はPoEポートに接続された受電機器の電力クラスを自動的に識別しますが、電力クラスの情報にもとづく給電制御は行いません。各PoEポートから出力する電力の上限値は、SET POE PORTコマンドのPOWERLIMITパラメーターを使って個別に設定可能です。

■ ポートの出力電力に上限値を設定するには、SET POE PORTコマンドのPOWERLIMITパラメーターを使います。単位はmW(ミリワット)です。


 

その他

■ PoE電源の電力使用量を監視するため、ログ記録とSNMPトラップ送信のしきい値を設定することができます。これには、SET POE THRESHOLDコマンドを使います。しきい値は、PoE電源の最大給電電力(FS909M-PSは60W、FS917M-PSは120W、FS926M-PSは180W)に対する割合(%)で指定します。デフォルトは95%です。


PoE電源の電力使用量がしきい値をまたぐと(「下から上」と「上から下」の両方)、そのことを示すメッセージがログに記録され、また、SNMPトラップの設定がなされている場合はSNMPトラップメッセージが送信されます。

Note - ログ機能については、「運用・管理」/「ログ」をご覧ください。また、SNMPトラップの設定については、「運用・管理」/「SNMP」をご覧ください。

■ PoE給電機能の各種情報を確認するには、SHOW POEコマンド、SHOW POE PORTコマンドを使います。




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