[index] CentreCOM GS900M V2シリーズ コマンドリファレンス 2.3.2

運用・管理/アクセスフィルター


  - アクセスフィルターの基本設定
  - コマンド例
   - デフォルトアクションの設定例
   - エントリーの作成例
   - 設定内容の確認
  - マッチ判定
   - フィルター適用のまとめ


アクセスフィルターとは本製品宛てへの通信に適用するセキュリティー機能です。本製品宛てのパケットを受信すると、受信パケットに関連付けられたフィルターを参照し、受信を許可するか、拒否するかの決定を行います。

本製品では、各種サービス(ICMP、TELNET、FTP、HTTP、SNMP)にIPアドレスおよび受信ポートを組み合わせて関連付けたフィルタリングに対応しています。各組み合わせパターンをエントリーと呼び、システム全体で512件まで登録できます。

以下では、コマンドラインインターフェースによる設定方法を説明します。なお、Web GUIでは「システム設定」-「アクセスフィルター」で設定できます。(詳細は「Web GUI」/「システム設定」をご覧ください。)


 

アクセスフィルターの基本設定

アクセスフィルターのコマンド例をいくつか示します。本製品へのIPアドレスの付与については、「IP」の章をご覧ください。

■ 管理用端末(192.168.10.100)からのアクセスを除き、本製品(192.168.10.1)宛てへのすべてのアクセスを拒否するよう設定します。



  1. ENABLE ACCESS FILTERコマンドでアクセスフィルター機能を有効にします。ここでは、あらゆるプロトコル・サービスを含むグローバルフィルターを設定します。


  2. 次に、SET ACCESS FILTERコマンドで、デフォルトのアクション(処理)ではパケットを破棄するよう設定します。


  3. エントリーを作成します。ADD ACCESS FILTERコマンドで、管理用端末(ポート:14、IPアドレス:192.168.10.100)からのすべてのパケットを許可するエントリーを作成します。
    ここで、MASKに指定するのはこのIPアドレスのサブネットマスクではなく、受信パケットの送信元IPアドレスをマスクするのに指定するものです(マスクされた送信元IPアドレスと指定したIPADDRESSがマッチするとフィルタリングを行います)。


以上で設定は終わりです。

Note - アクセスフィルター機能はデフォルトで無効になっています。

■ エントリーを削除するには、DELETE ACCESS FILTER ENTRYコマンドを使います。


Note - エントリー番号は、SHOW ACCESS FILTERコマンドで確認してから指定してください。
■ エントリーの設定を変更するには、SET ACCESS FILTER ENTRYコマンドを使います。


Note - エントリー番号は、SHOW ACCESS FILTERコマンドで確認してから指定してください。
■ アクセスフィルター機能を無効にするには、DISABLE ACCESS FILTERコマンドを使います。



 

コマンド例


上記基本設定の手順2と3にあたるコマンドについて、いくつか例を示します。


 

デフォルトアクションの設定例


■ デフォルトのアクションでは、すべてのサービス(SNMP、FTP、TELNET、HTTP、ICMPのすべて)のパケットを破棄します。


Note - FILTERオプションのGLOBALはすべてのサービスを意味します。ALLを指定した場合、SNMP、FTP、TELNET、HTTP、ICMP、GLOBALを指定したことと同じになります。

■ デフォルトのアクションでは、ICMP(PINGなど)のみ許可します。



 

エントリーの作成例


■ 管理用端末(ポート:1、IPアドレス:192.168.10.100)からのICMP(PINGパケットなど)を許可します。


■ ポート4配下の、IPアドレス:192.168.30.nからのICMP(PINGパケットなど)を拒否します。


■ ポート5配下の、IPアドレス:192.168.50.nからのすべてのパケットを許可します。


■ ポート6配下の、IPアドレス:192.168.70.nからのFTPとTelnetのパケットを許可します。



Note - エントリーとして設定するサービスは、ENABLE ACCESS FILTERコマンドで有効にする必要があります。デフォルトでは無効になっています。


 

設定内容の確認


■ 各サービスの有効/無効を確認します。


■ Telnetサービスのエントリー内容を確認します。




 

マッチ判定


受信パケットが複数のエントリーに一致した場合は、より限定された条件のエントリーの処理が適用されます(最長マッチ)。

■ Telnetサービスに対し、次のコマンドを実行したとします。


表 1
エントリー番号
ポート
マスク
IPアドレス
処理
(なし。Telnetサービスに対するデフォルト) なし 0.0.0.0 0.0.0.0 DISCARD
1 1 255.255.0.0 192.168.0.0 PASS
2 1 255.255.255.0 192.168.1.0 DISCARD


受信パケットの送信元IPアドレスが192.168.1.1であるとします。
このとき
<エントリー1> 192.168.1.1 AND 255.255.0.0 -> 192.168.0.0 (一致)
<エントリー2> 192.168.1.1 AND 255.255.255.0 -> 192.168.1.0 (一致)
となり、エントリー1とエントリー2の2つが一致します。

各エントリーのマスク長(マスクビット数)はエントリー2(24ビット) >エントリー1(16ビット)ですので、エントリー2の処理が適用されます。

したがって上記のTelnetフィルターグループは
「192.168.x.xは(192.168.1.xを除いて)許可」
「その他はすべて破棄」
という動作になります。

※マスク長:32 - 値が1である最下位ビット番号

 

フィルター適用のまとめ

フィルタリング対象パケットは
  1. 各サービス(Telnet、SNMPなど)に関連付けられたフィルター
     1.1. 各ポートによるフィルター
     1.2. PORT=ALLのフィルター
     1.3. フィルターグループのデフォルト
  2. グローバルフィルター
の順でフィルタリングされます。









(C) 2009-2011 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001180 Rev.E