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スイッチング / イーサネットリングプロテクション(EPSR)


  - 概要
   - EPSRドメイン
   - ノードの種類
   - プライマリーポートとセカンダリーポート
   - コントロールVLANとデータVLAN
   - 制御メッセージ
   - 障害検出機能
    - Healthcheckメッセージ
    - Link Downメッセージ
   - 基本動作
    - 正常動作時
    - 障害発生時
    - 障害回復時
    - Double Failへの対応
   - エンハンストリカバリー(EPSR+/++)
   - SuperLoop
  - 基本設定
   - マスターノードの作成
   - トランジットノードの作成
   - SuperLoopの作成

イーサネットリングプロテクション(EPSR = Ethernet Protected Switched Ring)は、リング構成のEthernetネットワークに特化したレイヤー2のループ防止・冗長化機能(RFC3619)です。

EPSRは、トポロジーをリング構成に限定し、各スイッチの役割をあらかじめ固定しておくことで、障害の検出と経路の切り替えをより高速に行います(最短50ミリ秒未満)。

この章では、EPSRの概要と使用方法について、コマンドラインインターフェースによる設定を中心に説明します。

概要

EPSRは、リング構成のEthernetネットワークでのみ動作します。

EPSRリングは複数のスイッチ(ノード)で構成され、そのうちの1台はリングの動作を制御するマスターノードとして、その他はトランジットノードとして機能します。

各スイッチは2つのポートでEthernetリングに接続します。マスターノード上のポートは、一方をプライマリーポート、もう一方をセカンダリーポートとして設定します。データトラフィックに対し、プライマリーポートは常時フォワーディング状態ですが、セカンダリーポートは通常ブロッキング状態であり、リングに障害が発生したときだけフォワーディング状態に切り替わります。障害から回復したときは再度ブロッキング状態に戻ります。

次にリングの基本的な構成を示します。


Note - ポート認証のAuthenticatorポートを、EPSRのリングを構成するポートにすることはできません。

EPSRドメイン

EPSRの保護機能(ループ防止・冗長化機能)は、EPSRドメインと呼ばれる単位ごとに実行されます。EPSRドメインで定義されるのはおもに次の情報です。



ノードの種類

EPSRドメインを構成するリング上の各スイッチは、役割上マスターノードとトランジットノードに分類されます。マスターノードは、該当EPSRドメインの動作を制御するスイッチで、各ドメインに1台だけ設定できます。その他のスイッチはトランジットノードになります。
トランジットノードは、マスターノードの指示によりリングの切り替えに対応し、自らのポート制御を行います。

各ノードは2つのポート(トランクグループは1ポート扱い)でEPSRドメインのEthernetリングに接続します。リング上での通信は、制御トラフィック、データトラフィックともにこの2ポートを通じて行われるため、これらのリング接続用ポートはタグ付きに設定することとなります。

プライマリーポートとセカンダリーポート

マスターノードでは、2つのリング接続用ポートをプライマリーポートとセカンダリーポートに設定します。

プライマリーポートは、コントロールVLAN、データVLANの両方に対して、常にフォワーディング状態にある(送受信を行える)ポートです。

一方、セカンダリーポートは、コントロールVLANに対して常にフォワーディング状態ですが、データVLANに対してはループを防ぐため通常はブロッキング状態になっています。リングに障害が発生した場合は、データVLANに対してもフォワーディング状態となり、送受信を行います。リングが障害から回復したときは、再びブロッキング状態となってループを防止します。

コントロールVLANとデータVLAN

EPSRドメインは、制御メッセージを運ぶコントロールVLANと、通常データを運ぶデータVLANで構成されます。

コントロールVLANは各ドメインに1つだけ設定でき、各スイッチ上においては純粋に2つのポート(トランクグループは1ポート扱い)で構成しなくてはなりません。

Note - コントロールVLANで使用するインターフェースは、ディレクションをNETWORKに設定してください。インターフェースのディレクションの設定変更は、SET INTERFACE GEコマンドまたはSET INTERFACE XEコマンドで行えます。

データVLANは1つのEPSRドメインに対して複数設定できます。データVLANは、リング上ではコントロールVLANの2ポートを共有して通信を行います。また、通常データVLANは、リング接続ポート以外にユーザー接続用のメンバーポートを持ちます。

制御メッセージ

コントロールVLANでは、次の制御メッセージがやりとりされます。EPSRでは、これらの制御メッセージを使って、リング障害の発生・回復を検出し、通信回復のための処置を行います。

表 1:EPSR制御メッセージ
メッセージ名
機能
Healthcheck リング障害を検出するため、マスターノードが定期的にプライマリーポートから送出するメッセージ。マスターノードは、一定の時間内にセカンダリーポートでHealthcheckメッセージを受信できなかった場合、リングに障害が発生したと判断する。障害発生中もマスターノードはHealthcheckメッセージを送出し続け、セカンダリーポートで再び受信した場合にリングが障害から回復したと判断する
Ring Up リングが障害から回復したと判断したマスターノードが、その他のノードに対してFDBをクリアするよう指示するために送出するメッセージ。ただし、後述するDouble Failからの回復時に限り、トランジットノードが送出する場合もある
Ring Down リングに障害が発生したと判断したマスターノードが、その他ノードに対してFDBをクリアするよう指示するために送出するメッセージ
Link Down 自身のリング接続用ポートがリンクダウンしたことを検出したトランジットノードが、リング障害の発生をマスターノードに伝えるために送出するメッセージ。Link Downメッセージを受信したマスターノードは、リングに障害が発生したと判断して、Healthcheckメッセージがタイムアウトしたときと同様のアクションをとる
Link Forward Request 自身のリング接続用ポートがリンクアップしたことを検出したトランジットノードが、該当ポートをフォワーディング状態に遷移させてよいかマスターノードに許可を求めるためのメッセージ。オプション機能であるエンハンストリカバリー有効時にのみ使用される


障害検出機能

EPSRでは、リング障害(ケーブルやスイッチの障害)を検出するために、次の2つの手段を用います。


Healthcheckメッセージ

マスターノードは、コントロールVLAN上において、プライマリーポートからHealthcheckメッセージを定期的に送出します。一定の時間内にセカンダリーポートでHealthcheckメッセージを受信できなかった場合は、リングに障害が発生したと判断します。

マスターノードは、障害発生中もHealthcheckメッセージを送出し続け、セカンダリーポートで再び受信できるようになると、リングが障害から回復したと判断します。


Link Downメッセージ

トランジットノードは、リングに接続しているポートがリンクダウンしたことを検出すると、もう一方のポートからLink Downメッセージを送出して、障害発生をマスターノードに伝えます。

Link Downメッセージを受信したマスターノードは、リングに障害が発生したと判断して、Healthcheckメッセージがタイムアウトしたときと同様のアクションをとります。


Note - トランジットノードがスヌーピング機能にのみ対応している場合は、Link Downメッセージの送出は行いません。

基本動作

次に、EPSRの基本的な動作について説明します。

正常動作時

EPSRドメインを構成するリングに障害が発生していない場合、マスターノードがプライマリーポートから送出したHealthcheckメッセージは、一定時間内にセカンダリーポートに到着します。

マスターノードはリングが「Complete」状態にあるとみなし、データVLANに対してセカンダリーポートをブロックします。


障害発生時

マスターノードは、一定時間内にセカンダリーポートでHealthcheckメッセージを受信できなかった場合、または、トランジットノードからLink Downメッセージを受信した場合、リングに障害が発生したと判断します。

マスターノードはリングを「Failed」状態に移行させ、データVLANに対してセカンダリーポートのブロックを解除します。またFDBをクリアしてMACアドレスを再学習します。

さらに、マスターノードはRing Downメッセージをすべてのノードに送信して、FDBをクリアするよう指示します。これにより、リング上での通信が回復します。


なお、マスターノードは、障害の回復を検出するため障害発生中もHealthcheckメッセージを通常どおり送出し続けます。

障害回復時

障害が回復すると、マスターノードはセカンダリーポートで再びHealthcheckメッセージを受信できるようになります。

この場合、マスターノードはリングを「Complete」状態に復帰させ、データVLANに対してセカンダリーポートを再度ブロックします。またFDBをクリアしてMACアドレスを再学習します。

さらに、マスターノードはRing Upメッセージをすべてのノードに送信して、FDBをクリアするよう指示します。これにより、リング上での通信が正常時の動作に回復します。

なお、障害発生箇所に接続されているトランジットノードは、リング接続用ポートのリンクアップにより障害の回復を検知できますが、このとき、回復したポートをデータVLANに対してただちにフォワーディング状態に戻すとループが起こる可能性があるため、該当ポートを一時的にプリフォワーディング状態に遷移させ、マスターノードからRing Upメッセージが届くのを待って、FDBをクリアし、該当ポートをフォワーディング状態に戻します。
アウェア機能、またはスヌーピング機能にのみ対応したトランジットノードでは、プリフォワーディング状態でもポートはブロックされず、ただちに通信を再開します。

Double Failへの対応

あるノードの両端のリンクに障害が発生している状態をDouble Failと呼びます。

下図のように、Double Failが発生したノードであるスイッチBの下流側(マスターノードのセカンダリーポートに近い側)のリンクが回復した場合、回復したリンクの下流ノードにあたるスイッチCでは両方のポートがリンクアップし、プリフォワーディング状態に移行します。


スイッチCがフル実装のトランジットノードである場合、プリフォワーディング状態に遷移したポートは、上流(マスターノードのプライマリーポート近い側)のスイッチBからRing Upメッセージが届くまでの間、通信をブロックします。
しかし、スイッチBでは、もう一方のプライマリーポートが依然ダウンしているため、下流のスイッチCにはマスターノードからのRing Upメッセージが到達しません。このような場合、スイッチCは、プリフォワーディング状態からフォワーディング状態に移行できず、スイッチB-C間のデータVLANのリンクがブロックされたままになります。結果、単純な1リンクの障害発生時と同じリンク状態にもかかわらず、スイッチBの一方はダウン、もう一方はブロックされ、EPSRドメインから孤立した状態となります。


この問題を解決するため、スイッチBは、片方のポートがリンクアップしてから4秒経過してももう一方のポートがリンクアップしない場合、マスターノードの代わりにRing Upメッセージを送出してスイッチCをフォワーディング状態に遷移させます。

Note - スイッチBのトランジットノードがスヌーピング機能にのみ対応している場合は、EPSR制御メッセージを送出しないため、Double Failに対応できません。

Note - Double Failが発生したノードの下流のトランジットノードがアウェア機能、またはスヌーピング機能にのみ対応している場合は、ノード間のリンクが障害から回復した際、ポートはブロックされず、ただちに通信を再開します。

エンハンストリカバリー(EPSR+/++)

前述のDouble Failよりさらに複雑な障害として、複数ノード/複数リンクの同時障害があります。

たとえば次の図では、スイッチB・C間とD・A間でリンク障害が発生しています。このとき、スイッチA・BとスイッチC・Dは互いに接続性がなく、結果的にEPSRドメインがスイッチA・BとC・Dの2つの部分に分割された状態となります。


初期設定では、この状態からどちらか一方のリンクが復旧しても、該当リンク上におけるデータVLANの通信は復旧しません(EPSRドメインの2分割状態は変化しません)。

たとえば次の図では、スイッチB・C間のリンクが復旧していますが、スイッチB・Cともにプリフォワーディング状態で停止してしまい、復旧したB・C間のリンクではデータVLANがブロックされたままとなります。


前述のとおり、単一ノードの両端リンク障害(Double Fail)から片側のリンクが復旧した場合は、トランジットノードがRing Upメッセージを送信して、復旧したリンクの対向ノードをフォワーディング状態に遷移させますが、本例はDouble Failに当たらないため、どのトランジットノードもRing Upメッセージを送信できず、結果的に復旧したリンクの両端に位置するスイッチB・Cがプリフォワーディング状態から抜け出せないのです。

初期設定において、本例のような障害から回復できるのは、障害の発生していたすべてのリンクが復旧し、マスターノードが「リングの回復」を認識したときだけです。

しかし、オプション機能である「エンハンストリカバリー」を有効化すると、本例のような複雑な障害からも部分的な回復が可能になります。EPSRリング上のすべてのノードでエンハンストリカバリーを有効化した場合の動作は以下のとおりです。

先の例と同じように、スイッチB・C間とD・A間でリンク障害が発生している状態から、スイッチB・C間のリンクが復旧した場合、スイッチB・Cでは両方のポートがリンクアップし、プリフォワーディング状態に移行します。

エンハンストリカバリー無効時(初期設定)は、プリフォワーディング状態に遷移したトランジットノードは、Ring Upメッセージが届くまでの間、リンクアップしたポート上でデータVLANをブロックしますが、エンハンストリカバリー有効時は、Link Forward Request(LFR)メッセージを送信して、マスターノードにフォワーディング状態に遷移するための許可を求めます。


LFRメッセージを受信したマスターノードは、Healthcheckメッセージでリングがまだ完全復旧していないことを確認すると、Permit Link Forward(PLF)メッセージで応答して、トランジットノードにフォワーディング状態への遷移を許可します。

自分宛てのPLFメッセージを受信したトランジットノードは、プリフォワーディングからフォワーディング状態に遷移して、ポートのブロッキングを解除します。

Note - マスターノードがダウンしている場合やエンハンストリカバリーに対応していない場合、他にも障害箇所があってマスターノードと通信できない場合などは、PLFメッセージを受信できませんが、その場合はマスターノード不在、すなわち、リングが完全でない(ループしていない)とみなし、一定時間後にプリフォワーディングからフォワーディング状態に遷移し、ポートのブロッキングを解除します。

これにより、EPSRドメインはスイッチD・A間だけが切れた単一リンク障害の構成となり、スイッチA・B・C・D間の通信も回復します。

SuperLoop

SuperLoopは次のようなEPSRの設定を行っている際に発生する可能性があります。


SuperLoopを防ぐためには、EPSRドメインでシェアした共通リンクを構成しているインターフェースに優先付けを行います。優先度は0から127の間で指定します。初期設定では、EPSRドメインの各リングインターフェースは0(優先度がもっとも低い)に設定されています。ただし、SuperLoopを避ける必要があるリングが相互に接続している場合は、高い値の優先度を設定します。

■ 優先度を決めるには下記の手順を参考にしてください。
  1. ネットワークトポロジーを見直し、どのリングがSuperLoopを起こしやすいかを確認します。
  2. リングに個別の優先番号を割り当ててみます。優先番号の割り当ては最上位のアップリンクを127で指定し、アップストリームネットワークから離れていくごとに1つずつ優先番号を下げていきます(127、126、125...)。
  3. リングの優先度に共通リンクのインターフェースを割り当てます。
  4. リングの優先度にマスターノードのインターフェースを割り当てます。

■ SuperLoopの設定要件
  1. SuperLoop機能は、RFC3619を満たす他社のスイッチと相互運用できます。ただし、他社のスイッチは、共通リンクのドメインをマスターノードして設定できません。また、SuperLoopトポロジーの共通リンクの一方のエンドには置けません。
  2. SuperLoop機能を含むソフトウェアを起動しているネットワーク製品は、SuperLoopリングトポロジーに置くことができる。
  3. SuperLoop機能がないネットワーク機器は、共通リンクのドメインのマスターノードまたは、SuperLoopリングトポロジーに置いたときの共通のリンクの一方のトランジットノードには置けない。


基本設定

EPSRを使用するための基本設定について説明します。

マスターノードの作成

  1. EPSRドメイン「allied」をマスターノードで作成します


  2. コントロールVLANを作成します。
    コントロールVLANはちょうど2ポートで構成しなくてはならず、さらに両ポートともタグ付きに設定する必要があります。


    Note - コントロールVLANにはIPアドレスの設定などを行わないでください。コントロールVLANはリングを構成・制御するためだけに存在するVLANです。

  3. インターフェースのプライマリーポート、セカンダリーポートの設定をします。


  4. EPSRドメイン名「allied」にコントロールVLANを設定します。


  5. データVLANを作成します。
    データVLANは、リング接続用のポート2つとユーザー接続用のポートで構成します。リング接続用のポートは、コントロールVLANのメンバーポートと同じポートで、同じくタグ付きに設定します。一方、ユーザー接続用のポートは通常タグなしに設定します。


  6. EPSRドメイン名「allied」にデータVLANを設定します。


  7. 最後にEPSRドメインのエンハンストリカバリー機能を有効にします。


  8. EPSRドメインの設定を確認します。

    officer SEC>> SHOW EPSR=allied
    
    --- EPSR Domain Information ---
    EPSR Domain Name...................... allied
    EPSR Domain Node Type................. Master
    EPSR Domain State..................... IDLE
    MAC Address of Master Node............ 00:15:77:F5:68:61
    EPSR Domain Status.................... Disabled
    Control Vlan.......................... 3501
    Enhanced Recovery..................... ON
    Primary Interface..................... ETH:[0.2]
    Physical State of Primary Interface... DOWN
    Primary Interface Type................ DOWNSTREAM
    Primary Interface State............... PHYSICALLY FORWARDING
    Primary Interface Priority............ 0
    Primary Interface Priority Rank....... 0
    Secondary Interface................... ETH:[1.3]
    Physical State of Secondary Interface. DOWN
    Secondary Interface Type.............. DOWNSTREAM
    Secondary Interface State............. PHYSICALLY FORWARDING
    Secondary Interface Priority.......... 0
    Secondary Interface Priority Rank..... 0
    Hello Timer (seconds)................. 1
    Failover Timer (seconds).............. 2
    RingFlap Timer (seconds).............. 0
    Hello Time Remaining (seconds)........ 0
    Failover Time Remaining (seconds)..... 0
    RingFlap Time Remaining (seconds)..... 0
    Hello Sequence........................ 0
    Data Vlans............................ 3502
    


以上で設定は完了です。


トランジットノードの作成

  1. EPSRドメイン「allied」をトランジットノードで作成します


  2. コントロールVLANを作成します。
    コントロールVLANはちょうど2ポートで構成しなくてはならず、さらに両ポートともタグ付きに設定する必要があります。


    Note - コントロールVLANにはIPアドレスの設定などを行わないでください。コントロールVLANはリングを構成・制御するためだけに存在するVLANです。

  3. インターフェースのディレクションを設定します。
    ディレクションはNETWORKを指定します。


  4. EPSRドメイン名「allied」にコントロールVLANを設定します。


  5. データVLANを作成します。
    データVLANは、リング接続用のポート2つとユーザー接続用のポートで構成します。リング接続用のポートは、コントロールVLANのメンバーポートと同じポートで、同じくタグ付きに設定します。一方、ユーザー接続用のポートは通常タグなしに設定します。


  6. EPSRドメイン名「allied」にデータVLANを設定します。


  7. 最後にEPSRドメインのエンハンストリカバリー機能を有効にします。


  8. EPSRドメインの設定を確認します。

    officer SEC>> SHOW EPSR=allied
    
    --- EPSR Domain Information ---
    EPSR Domain Name...................... allied
    EPSR Domain Node Type................. Transit
    EPSR Domain State..................... LINKS-UP
    MAC Address of Master Node............ 00:0C:25:1F:80:09
    EPSR Domain Status.................... Enabled
    Control Vlan.......................... 3501
    Enhanced Recovery..................... ON
    Ring Interface # 1.................... ETH:[8.0]
    Physical State of Ring Interface # 1.. UP
    Ring Interface # 1 Type............... UPSTREAM
    Ring Interface # 1 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 1 Priority........... 0
    Ring Interface # 1 Priority Rank...... 0
    Ring Interface # 2.................... ETH:[8.2]
    Physical State of Ring Interface # 2.. UP
    Ring Interface # 2 Type............... DOWNSTREAM
    Ring Interface # 2 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 2 Priority........... 0
    Ring Interface # 2 Priority Rank...... 0
    Data Vlans............................ 3502
    


以上で設定は完了です。


SuperLoopの作成


  1. リング1のEPSRドメインを作成します。


  2. リング2のEPSRドメインを作成します。


  3. コントロールVLAN、データVLANを作成します。


  4. コントロールVLAN、データVLANとインターフェースの関連付けをします。


  5. インターフェースをデフォルトVLAN(VID=1)から削除します。


  6. GEインターフェースにネットワークのディレクションの設定をします。


  7. 「allied-1」ドメインにインターフェースを関連付けます。


  8. 「allied-2」ドメインにインターフェースを関連付けます。


  9. 「allied-1」ドメインにコントロールVLANを関連付けます。


  10. 「allied-1」ドメインにデータVLANを関連付けます。


  11. 「allied-1」の設定を確認します。

    officer SEC>> SHOW EPSR=allied-1
    
    --- EPSR Domain Information ---
    
    EPSR Domain Name...................... allied-1
    EPSR Domain Node Type................. Transit
    EPSR Domain State..................... IDLE
    MAC Address of Master Node............ 00:00:00:00:00:00
    EPSR Domain Status.................... Disabled
    Control Vlan.......................... 200
    Enhanced Recovery..................... ON
    Ring Interface # 1.................... ETH:[8.2]
    Physical State of Ring Interface # 1.. UP
    Ring Interface # 1 Type............... RING
    Ring Interface # 1 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 1 Priority........... 0
    Ring Interface # 1 Priority Rank...... 0
    Ring Interface # 2.................... ETH:[3.2]
    Physical State of Ring Interface # 2.. UP
    Ring Interface # 2 Type............... RING
    Ring Interface # 2 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 2 Priority........... 0
    Ring Interface # 2 Priority Rank...... 0
    Data Vlans............................ 6, 20
    


  12. 「allied-2」ドメインにコントロールVLANを関連付けます。


  13. 「allied-2」ドメインにデータVLANを関連付けます。


  14. 「allied-2」の設定を確認します

    officer SEC>> SHOW EPSR=allied-2
    
    --- EPSR Domain Information ---
    EPSR Domain Name...................... allied-2
    EPSR Domain Node Type................. Transit
    EPSR Domain State..................... IDLE
    MAC Address of Master Node............ 00:00:00:00:00:00
    EPSR Domain Status.................... Disabled
    Control Vlan.......................... 300
    Enhanced Recovery..................... ON
    Ring Interface # 1.................... ETH:[9.2]
    Physical State of Ring Interface # 1.. UP
    Ring Interface # 1 Type............... RING
    Ring Interface # 1 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 1 Priority........... 0
    Ring Interface # 1 Priority Rank...... 0
    Ring Interface # 2.................... ETH:[3.2]
    Physical State of Ring Interface # 2.. UP
    Ring Interface # 2 Type............... RING
    Ring Interface # 2 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 2 Priority........... 0
    Ring Interface # 2 Priority Rank...... 0
    Data Vlans............................ 6, 20
    


  15. 共通リンクの優先度を設定します。ここでは、allied-2がallied-1よりも優先度が高く設定します。


  16. EPSRドメインを有効にします。EPSRドメインは同時に有効にしてください。


  17. EPSRドメインに関連付けたデータVLANの確認をします。

    officer SEC>> SHOW EPSR DATAVLANS
    
    --- EPSR Domain Information ---
    EPSR Domain Overlapping Domain(s)/Shrd Ring Port Data Vlans
    ----------- ------------------------------------ ------------
    allied-1    allied-2/3.2                         6,20
    allied-2    allied-1/3.2                         6,20
    

  18. 各EPSRドメインの設定情報を確認します。

    officer SEC>> SHOW EPSR FULL
    
    --- EPSR Domain Information ---
    EPSR Domain Name...................... allied-1
    EPSR Domain Node Type................. Transit
    EPSR Domain State..................... LINKS-UP
    MAC Address of Master Node............ 00:15:77:F5:68:61
    EPSR Domain Status.................... Enabled
    Control Vlan.......................... 200
    Enhanced Recovery..................... ON
    Ring Interface # 1.................... ETH:[8.2]
    Physical State of Ring Interface # 1.. UP
    Ring Interface # 1 Type............... DOWNSTREAM
    Ring Interface # 1 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 1 Priority........... 0
    Ring Interface # 1 Priority Rank...... 0
    Ring Interface # 2.................... ETH:[3.2]
    Physical State of Ring Interface # 2.. UP
    Ring Interface # 2 Type............... UPSTREAM
    Ring Interface # 2 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 2 Priority........... 10
    Ring Interface # 2 Priority Rank...... 0
    Data Vlans............................ 6, 20
    --- EPSR Domain Information ---
    EPSR Domain Name...................... allied-2
    EPSR Domain Node Type................. Transit
    EPSR Domain State..................... LINKS-UP
    MAC Address of Master Node............ 00:0C:25:00:05:33
    EPSR Domain Status.................... Enabled
    Control Vlan.......................... 300
    Enhanced Recovery..................... ON
    Ring Interface # 1.................... ETH:[9.2]
    Physical State of Ring Interface # 1.. UP
    Ring Interface # 1 Type............... DOWNSTREAM
    Ring Interface # 1 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 1 Priority........... 0
    Ring Interface # 1 Priority Rank...... 0
    Ring Interface # 2.................... ETH:[3.2]
    Physical State of Ring Interface # 2.. UP
    Ring Interface # 2 Type............... UPSTREAM
    Ring Interface # 2 State.............. PHYSICALLY FORWARDING
    Ring Interface # 2 Priority........... 11
    Ring Interface # 2 Priority Rank...... 1
    Data Vlans............................ 6, 20
    

以上で設定は完了です。


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