[index] CentreCOM x510シリーズ コマンドリファレンス 5.4.3

IPv6マルチキャスト / MLD


基本設定
共通項目
注意事項


MLD(Multicast Listener Discovery)は、LAN上のマルチキャスト対応ルーターとIPv6ノードがメッセージを交換しあい、LAN上にどのマルチキャストグループのメンバーがいるかを把握するためのプロトコルです。

ルーターはMLDを通じて得た情報をもとに、他のルーターから受け取ったマルチキャストパケットを配下のLANに転送するかどうか判断したり、他のルーターに対して特定グループ宛てのパケットを配送してくれるよう依頼したりします。

IPv6用のマルチキャスト経路制御プロトコル(PIM-SMv6)を使用するときや、スタティックIPv6マルチキャストルーティング機能を使用するときは、MLD機能もあわせて使用します。

以下では、本製品でMLDを使用する場合の設定について解説します。

なお、以下の説明では、IPv6の基本設定は完了しているものとします。VLANの設定については、「L2スイッチング」の「バーチャルLAN」をご覧ください。また、IPv6インターフェースの基本設定については「IPv6ルーティング」の「IPv6インターフェース」をご覧ください。

基本設定

■ MLD機能を単独で有効化するには、対象インターフェースでipv6 mldコマンドを実行します。

awplus(config)# interface vlan1
awplus(config-if)# ipv6 mld


■ 単独で使用しているMLD機能を無効化するには、対象インターフェースでipv6 mldコマンドをno形式で実行します。なお、同コマンドをno形式で実行すると、MLD機能だけでなく、MLDに関連するすべての機能(MLD Snoopingを含む)の設定が削除され、初期状態に戻るので注意してください。

awplus(config)# interface vlan1
awplus(config-if)# no ipv6 mld


共通項目

MLDの動作パラメーターを調整する方法や設定を確認する方法は、マルチキャスト経路制御プロトコルと併用する場合でも、単独で使用する場合でも同じです。

■ 使用するMLDのバージョンは、インターフェースごとにipv6 mld versionコマンドで指定します。初期設定はバージョン2です。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ipv6 mld version 1


■ グループメンバーをスタティック登録するには、ipv6 mld static-groupコマンドを使います。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ipv6 mld static-group ff1e::d510 interface port1.0.14


■ MLDグループメンバーシップの情報は、show ipv6 mld groupsコマンドで確認できます。

■ インターフェースのMLD設定は、show ipv6 mld interfaceコマンドで確認できます。

注意事項

MLD機能は、システム起動後に作成された最初の100 VLANでのみ使用可能です。

■ システム起動時には、スタートアップコンフィグ内のvlanコマンドで指定された順序にしたがってVLANが作成されますが、デフォルトVLAN(vlan1)は最初から存在しているため必ず1番目となります。

たとえば、スタートアップコンフィグに次のような記述がある場合を考えます。

vlan database
 vlan 2-200 state enable

この場合、VLAN作成順序は、つねに存在するデフォルトVLAN(vlan1)が先頭に入るため、vlan1、vlan2、vlan3 ... vlan200 の順となります。

この構成においてMLD機能を有効化できるのは先頭の100 VLAN、すなわち、vlan1 〜 vlan100 だけです。101番目以降の vlan101 〜 vlan200 で MLD機能を有効化しようとするとエラーになります。これは、vlan1 〜 vlan100 で MLD機能を有効化していなくても同じです。

■ 作成順が101番目以降のVLANでMLD機能を有効化したい場合は、スタートアップコンフィグを手で編集し、MLDを有効化したいVLANをvlanコマンドの先頭に記述して再起動してください。

たとえば、前述の構成において、vlan151 〜 vlan200 でMLD機能を有効化したい場合は、スタートアップコンフィグ内のvlanコマンドを次のように編集し、再起動します。

vlan database
 vlan 151-200,2-150 state enable

この場合、再起動後のVLAN作成順序は、つねに存在するデフォルトVLAN(vlan1)が先頭に入るため、vlan1、vlan151、vlan152 ... vlan200、vlan2、vlan3 ... vlan150 の順となります。

このときMLD機能を有効化できるのは先頭の100 VLAN、すなわち、vlan1、vlan151 〜 vlan200、vlan2 〜 vlan50 だけです。101番目以降の vlan51 〜 vlan150 で MLD機能を有効化しようとするとエラーになります。


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