[index] CentreCOM x600シリーズ コマンドリファレンス 5.4.2

IPルーティング / IPインターフェース


  - IPインターフェースの作成・削除
  - DHCPによるIPアドレス自動設定
  - セカンダリーIPアドレス
  - ループバックインターフェース
  - ディレクティドブロードキャスト転送制御

IPインターフェースは、IPパケットの送受信(IP通信)を行うためのインターフェースです。

IPインターフェースは、インターフェースモードでip addressコマンドを実行し、対象インターフェースにIPアドレス(とネットマスク)を割り当てることによって作成します。

IPアドレスを割り当てることのできるインターフェースは次のとおりです。


IPインターフェースの作成・削除

■ IPインターフェースを作成するにはインターフェースモードのip addressコマンドを使って、対象インターフェースにIPアドレスとネットマスクを割り当てます。ネットマスクはマスク長で指定します。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip address 192.168.10.1/24


Note - 複数のインターフェースに対し、同一サブネットのIPアドレスを割り当てることはできません。たとえば、vlan10にIPアドレス192.168.10.1/24を割り当てた場合、192.168.10.2〜192.168.10.254の範囲は同一IPサブネットになるので、この範囲を他のインターフェースに割り当てることはできません。

■ インターフェースに割り当てたIPアドレスを変更するには、再度ip addressコマンドを実行します。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip address 192.168.100.1/24


■ インターフェースに割り当てたIPアドレスを削除するには、ip addressコマンドをno形式で実行します。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# no ip address


■ 割り当てられたIPアドレスなど、IPインターフェースの情報はshow ip interfaceコマンドで確認できます。

awplus# show ip interface
Interface             IP-Address      Status          Protocol
lo                    unassigned      admin up        running
vlan1                 unassigned      admin up        down
vlan10                192.168.10.1    admin up        running
vlan20                192.168.20.1    admin up        running
vlan30                192.168.30.1    admin up        running

awplus# show ip interface vlan10
Interface             IP-Address      Status          Protocol
vlan10                192.168.10.1    admin up        running


DHCPによるIPアドレス自動設定

ネットワーク上のDHCPサーバーを利用して、インターフェースのIPアドレスを自動設定することもできます(DHCPクライアント機能)。

Note - 本製品はDHCPサーバーとして、クライアントにIPアドレスやIPパラメーターを割り当てることもできます。ここで説明しているのは、本製品がDHCPクライアントとして別のDHCPサーバーからアドレスをもらうための設定です。DHCPサーバー機能については、「IP付加機能」の「DHCPサーバー」をご覧ください。

■ インターフェースのIPアドレスをDHCPを使って設定するには、ip address dhcpコマンドを使います。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip address dhcp


■ DHCPでIPアドレスを配布するインターネットサービスプロバイダー(ISP)をご利用の場合、接続認証用の「コンピューター名」を指定されることがあります。その場合は、ip address dhcpコマンドのhostnameオプションにISPから通知されたコンピューター名を指定してください。これにより、同コマンドで設定したコンピューター名が、DHCPパケットのHostnameフィールドにセットされて送信されるようになります。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip address dhcp hostname myComputerName


■ 本製品のDHCPクライアント機能では、インターフェースのIPアドレスとサブネットマスクに加え、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバー、デフォルトドメイン名の情報も取得・自動設定できます。DHCPで取得したこれらの情報は次のように扱われます。


■ DHCPクライアントとして設定しているインターフェースを確認したいときは、show running-configコマンドにセクション名「interface」を指定して実行し、ip address dhcpコマンドを探すのがよいでしょう。

awplus# show running-config interface


■ DHCPサーバーから割り当てられたIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーなどは、show dhcp leaseコマンドで確認できます。

■ インターフェースに設定されたIPアドレスは、show ip interfaceコマンドで確認します。

■ デフォルトルートはshow ip routeコマンドで確認します。「0.0.0.0/0」のエントリーがデフォルトルートです。

■ ドメイン名の設定は、show ip domain-nameコマンドで確認します。

■ DNSサーバーアドレスの設定状況は、show ip name-serverコマンドで確認します。

セカンダリーIPアドレス

本製品では、1つのインターフェース上に複数のIPアドレスを設定することができます。こうすることにより、同一インターフェースの配下に複数のIPサブネットを混在させることができます。

複数のIPアドレスを割り当てる場合、主となるアドレスをプライマリーアドレス、その他のアドレスをセカンダリーアドレスと呼びます。

■ vlan10にIPアドレスを3つ割り当てます。複数アドレスを設定する場合は、最初にプライマリーアドレスを割り当て、次にセカンダリーアドレスを割り当てます。セカンダリーアドレスを設定するときは、ip addressコマンドにsecondaryオプションを付けてください。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip address 192.168.10.1/24
awplus(config-if)# ip address 192.168.11.1/24 secondary
awplus(config-if)# ip address 192.168.12.1/24 secondary


Note - secondaryオプションを忘れると、プライマリーアドレスの指定となるため、以前に設定したプライマリーアドレスが変更されてしまいます。たとえば、前記の「ip address 192.168.11.1/24 secondary」を「ip address 192.168.11.1/24」としてしまうと、その前の行で設定したプライマリーアドレス192.168.10.1/24が192.168.11.1/24に変更されてしまいます。

Note - セカンダリーIPアドレスを使ってVLANに複数のIPアドレスを設定した場合、そのVLANではDHCPサーバー機能を使用できません。DHCPサーバー機能を使用するVLANには複数のIPアドレスを設定しないでください。

Note - セカンダリーIPアドレスを使ってVLANに複数のIPアドレスを設定した場合、そのVLANではRIPを使用できません。

ループバックインターフェース

ループバックインターフェースは、下位層(物理層/データリンク層)との関連を持たない仮想的なインターフェースです。物理的なインターフェースに割り当てたIPアドレスは、該当インターフェースのリンクダウンにより到達不能になる可能性がありますが、ループバックインターフェースは下位層の状態に依存しないため、このインターフェースに設定したIPアドレスを広告することで、本製品への到達性を高めることができます。

■ ループバックインターフェースは「lo」というインターフェース名を持ちます。ループバックインターフェースにIPアドレスを設定するには、次のようにします。

awplus(config)# interface lo
awplus(config-if)# ip address 192.168.0.1/32


■ ループバックインターフェースのIPアドレスを変更するには、再度ip addressコマンドを実行します。

awplus(config)# interface lo
awplus(config-if)# ip address 192.168.0.2/32


■ ループバックインターフェースのIPアドレスを削除するには、ip addressコマンドをno形式で実行します。

awplus(config)# interface lo
awplus(config-if)# no ip address


■ ループバックインターフェースの情報を確認するには、show interfaceコマンドかshow ip interfaceコマンドを使います。「lo」がループバックインターフェースです。

awplus> show interface lo
Interface lo
  Scope: both
  Link is UP, administrative state is UP
  Hardware is Loopback
  IPv4 address 192.168.0.2/32
  VRRP Master of :  VRRP is not configured on this interface.
  index 2 metric 1 mtu 16436
  <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST>
  VRF Binding: Not bound
  Bandwidth 1g
    input packets 105732, bytes 13851278, dropped 0, multicast packets 0
    output packets 105732, bytes 13851278, multicast packets 0 broadcast packets
 0

awplus# show ip interface lo
Interface             IP-Address      Status          Protocol
lo                    192.168.0.2     admin up        running


ディレクティドブロードキャスト転送制御

本製品の初期設定では、各IPインターフェース配下のネットワークに対するディレクティドブロードキャストパケットを転送しません。

たとえば、vlan10に192.168.10.1/24を、vlan20に192.168.20.1/24を設定している場合、vlan10で受信した「終点IPアドレス=192.168.20.255」のIPパケット(vlan20側サブネットに対するディレクティドブロードキャストパケット)は、vlan20に転送されずに破棄されます。

ディレクティドブロードキャストパケットはサービス妨害(DoS)攻撃などで悪用される恐れがあるため、通常は初期設定のままご使用になることをおすすめしますが、特別な理由がある場合は、IPインターフェースごとに転送を許可する設定も可能です。

■ vlan10に対するディレクティドブロードキャストパケットの転送を許可するには、vlan10を対象としたインターフェースモードでip directed-broadcastコマンドを実行します。これにより、他VLANからvlan10へのディレクティドブロードキャストパケットが転送されるようになります。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip directed-broadcast


■ ディレクティドブロードキャストパケットの転送を禁止するには、ip directed-broadcastコマンドをno形式で実行してください(前述のとおり、初期状態では転送禁止に設定されています)。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# no ip directed-broadcast



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