[index] CentreCOM x610シリーズ コマンドリファレンス 5.4.1

access-list(standard)(seq entry)

モード: 番号付き標準IPアクセスリストモード
カテゴリー: トラフィック制御 / アクセスリスト


(config-ip-std-acl)# [<1-65535>] {deny|permit} SRCIP

(config-ip-std-acl)# no <1-65535>

(config-ip-std-acl)# no {deny|permit} SRCIP


対象番号付き標準IPアクセスリスト(シーケンス番号対応)にエントリーを新規追加または変更する。
no形式で実行した場合は指定したエントリーを削除する。

番号付き標準IPアクセスリストは複数のエントリーから構成されるリストで、検索はシーケンス番号によって指定したエントリーの並び順に行われる。検索時には、最初にマッチしたエントリーで処理(permitかdeny)が行われるか結果(permitかdeny)が返され、マッチした時点で検索は終了する。どのエントリーにもマッチしなかった場合はdenyとなる。

なお、ルートマップのmatch節で番号付き標準IPアクセスリストを使用するときは、結果が「permit」ならルートマップの該当エントリーにマッチしたと見なされ、結果が「deny」の場合はマッチしたと見なされない。


パラメーター

<1-65535> シーケンス番号。対象アクセスリスト内におけるエントリーの位置を指定する。エントリーの新規作成時に省略した場合は、既存エントリーの最後にエントリーが作成され、既存エントリーの最後の番号の次の10Stepの番号の値が自動で登録さる。(最初にシーケンス番号なしで作成したエントリーは10になり、既存エントリーの最大番号が99の場合で新規エントリをシーケンス番号なしで追加した場合は100になる。)また、設定を保存して再起動した場合は、設定したエントリーは設定のシーケンス番号は保持されず、全て10Stepに変更される
deny|permit 条件に合致した場合のアクション。拒否(deny)、許可(permit)のどちらかを指定する
SRCIP IPアドレス(通常始点IPアドレス)または経路エントリーの宛先プレフィックス(アドレス部分)。次のいずれかの形式で指定する
A.B.C.D [W.X.Y.Z] IPアドレスとワイルドカードマスク。W.X.Y.Zはワイルドカードマスク(リバースマスクまたはORマスクともいう)といい、対象アドレスとA.B.C.Dの比較時に無視したいビット(ワイルドカードとして扱いたいビット)を指定する。比較対象ビットを指定する通常のマスク(ANDマスク)の各ビットを反転させたものと考えればよい。たとえば、192.168.10.0/24の範囲(192.168.10.0〜192.168.10.255)にマッチさせたい場合、先頭24ビットを比較対象にするということは、末尾8ビットを無視すればよいので、「0.0.0.255」を指定する。「0.0.0.0」を指定した場合は対象アドレスとA.B.C.Dが完全一致したときだけマッチする(「host A.B.C.D」と同義)。また、省略時も「0.0.0.0」と見なされる
host A.B.C.D A.B.C.Dが単一ホストアドレスであることを示す指定。「A.B.C.D 0.0.0.0」や「A.B.C.D」と同義
any すべてのIPアドレスまたはプレフィックスに合致させる場合に指定する。「0.0.0.0 255.255.255.255」と同義


使用例

■ IPアドレスや経路エントリー(アドレス部分)の先頭3オクテットが「192.168.10」の場合にこれを拒否(deny)し、それ以外を許可(permit)する番号付き標準IPアクセスリスト「1」を作成する。

awplus(config)# access-list 1
awplus(config-ip-std-acl)# deny 192.168.10.0 0.0.0.255
awplus(config-ip-std-acl)# permit any


注意・補足事項

■ 番号付き標準IPアクセスリストの末尾には「deny any」、すなわち、すべてをdenyする暗黙のエントリーが存在している。

■ 本コマンドを経路エントリーのフィルタリングに用いる場合、宛先プレフィックスのアドレス部分だけが比較対象となり、プレフィックス長(サブネットマスクの長さ)は比較対象にならない。経路エントリー「192.168.10.0/28」を例にするなら、「192.168.10.0」の部分に対してマッチングを行うことはできるが、「/28」の部分に対してマッチングを行うことはできない。

■ 本コマンドを経路エントリーのフィルタリングに用いる場合、「0.0.0.0 0.0.0.0」や「0.0.0.0」、「host 0.0.0.0」はデフォルト経路(0.0.0.0/0)の指定となるが、「0.0.0.0 255.255.255.255」はすべての経路エントリー(anyと同じ)を指定することになるので注意。

■ 通常のマスク(ANDマスク)が「w.x.y.z」(w、x、y、zはそれぞれ0〜255の数値)であると仮定した場合、ワイルドカードマスク(ORマスク)「W.X.Y.Z」のW、X、Y、Zは、それぞれ「W = 255 - w」、「X = 255 - x」、「Y = 255 - y」、「Z = 255 - z」で求められる。
たとえば、通常のマスク「255.255.255.0」に対応するワイルドカードマスクは「0.0.0.255」であり、通常のマスク「255.255.255.248」に対応するワイルドカードマスクは「0.0.0.7」となる。


コマンドツリー

access-list(standard)(list) (グローバルコンフィグモード)
    |
    +- access-list(standard)(seq entry)(番号付き標準IPアクセスリストモード)


関連コマンド

access-list standard(グローバルコンフィグモード)
area filter-list(OSPFモード)
distribute-list(RIPモード)
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offset-list(RIPモード)
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show ip access-list(特権EXECモード)
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