[index] CentreCOM x610シリーズ コマンドリファレンス 5.4.1

運用・管理 / ユーザー認証


  - 権限レベル
  - 初期設定アカウント
  - CLIログイン時の認証方式と認証順序
  - ユーザーアカウントの管理
  - パスワードルールの設定

本製品のCLIにログインするためのユーザーアカウントの管理について説明します。

権限レベル

本製品のCLIログイン用ユーザーアカウントには、それぞれ1〜15の権限レベルを設定することができます。権限レベルは、該当ユーザーが特権EXECモードに移行できるかどうか、および、特権EXECモードへの移行時に特権パスワードの入力が必要かどうかの判断に使用されます。

初期状態(特権パスワードを設定していない状態)において、権限レベルによる違いは次のとおりとなります。

表 1
権限レベル
説明
1〜6 特権EXECモードへの移行権限を持たない(非特権EXECモードコマンドのみ実行可能)
7〜14 特権EXECモードへの移行権限を持たない(非特権EXECモードコマンドとすべてのshow コマンドのみ実行可能)
15 特権EXECモードへの移行権限を持つ(すべてのコマンドを実行可能)


Note - ただし、enable passwordコマンドで特権パスワードを設定している場合は、権限レベルが7〜14のユーザーの場合はパスワードを正しく入力すれば特権EXECモードに移行できます(同コマンドの設定により、特権パスワードなしで移行することも可能です)。

初期設定アカウント

初期設定では、次に示す権限レベル15のユーザーアカウント「manager」が登録されています。初期導入時の設定作業を始め、ほとんどの管理・設定作業はこのアカウントを使用して行います。


初期設定のパスワードを使い続けることはセキュリティー上好ましくありませんので、初回ログイン時に変更することをおすすめします。パスワードの変更はグローバルコンフィグモードのusernameコマンドで行います。

たとえば、パスワードを「o10moDutch」に変更するには次のようにします。

awplus(config)# username manager password o10moDutch


Note - パスワードの設定は保存しないと再起動によって失われます。copyコマンドやwrite fileコマンド、write memoryコマンドで保存してください。詳しくは「運用・管理」の「コンフィグレーション」をご覧ください。

CLIログイン時の認証方式と認証順序

本製品はCLIログイン時のユーザー認証機構として、ユーザー認証データベースだけでなく、RADIUSサーバー、TACACS+サーバーへの問い合わせにも対応しています。

初期状態ではユーザー認証データベースだけを使いますが、aaa authentication loginコマンドを使うことで、使用する認証方式や認証順序を自由に設定可能です。

また、ラインモードのlogin authenticationコマンドを使うことで、端末ごとに認証方式や認証順序を設定することも可能です。

詳しくは各コマンドの解説と「運用・管理」の「RADIUSクライアント」をご参照ください。

Note - CLIログインの認証にRADIUSサーバーを使っている場合、ユーザー名「admin」でCLIにログインすることができません。

ユーザーアカウントの管理

ユーザー認証データベースにおけるユーザーアカウントの追加、編集、削除は、グローバルコンフィグモードのusernameコマンドで行います。

Note - ユーザーアカウントの設定は保存しないと再起動によって失われます。設定が完了したら、copyコマンドやwrite fileコマンド、write memoryコマンドで保存してください。詳しくは「運用・管理」の「コンフィグレーション」をご覧ください。

Note - CLIログイン認証にRADIUSサーバーだけを使用している場合、ユーザーアカウントはRADIUSサーバー側で管理します。RADIUSサーバーとユーザー認証データベースを併用している場合は両方に同じ名前のユーザーを登録することが可能ですが、この場合は原則的にユーザー認証データベース側の登録内容のほうが強くなります。詳細はaaa authentication loginコマンドの「注意・補足事項」をご覧ください。


ユーザー作成時には以下の情報が必要です。

表 2
情報
パラメーター
必須?
内容
ユーザー名 username 必須 半角英数字(a〜zA〜Z0〜9) 1〜64文字。ただし1文字目は英字のみ(a〜zA〜Z)。大文字小文字を区別する
権限レベル privilege 省略可(省略時は1) 1〜15から選択。通常、特権EXECモードでの作業が必要なときは15、そうでないときは1を指定する。コマンド実行時には省略可能だが、その場合は1になるため注意
パスワード password 必須 半角英数字(a〜zA〜Z0〜9) 1〜32文字。大文字小文字を区別する


■ ユーザーを追加するにはusernameコマンドを使います。たとえば、権限レベル15のユーザーzeinを追加するには、次のようにします。

awplus(config)# username zein privilege 15 password s69ro28n


■ 既存ユーザーのパスワードを変更するにはusernameコマンドを再実行します。既存ユーザーに対してusernameコマンドを実行するときは、変更するパラメーターだけを指定します。

awplus(config)# username zein password k6NEk02yaN


Note - パスワードを変更するためにはグローバルコンフィグモードに移行する必要がありますが、そのためには特権EXECモードへの移行権限が必要です。したがって、特権EXECモードへの移行権限を持たないユーザーが自分でパスワードを変更することはできません。

■ ユーザーを削除するには、usernameコマンドをno形式で実行します。

awplus(config)# no username zein


■ 登録済みユーザーの一覧を確認するには、show running-configコマンドを実行します。

awplus# show running-config | include username


■ パスワード暗号化サービス(service password-encryptionコマンド)が有効になっている場合(初期設定では有効)、usernameコマンドやenable passwordコマンドで設定したパスワードは暗号化された形式でコンフィグ(ランニングコンフィグやスタートアップコンフィグ)に保存されます。たとえば、次のようにして新しいユーザーを登録した場合、

awplus(config)# username shiro privilege 15 password kuro


コンフィグ中では次のようにパスワード部分が暗号化されます。このとき、後続の文字列が暗号化されたパスワードであることを示すキーワード「8」が自動的に付加されます。

awplus(config)# show running-config | include username shiro
username shiro privilege 15 password 8 $1$MFyhyXX0$VU3o1ZeLe.KGDuBGsCQxh/


なお、パスワード暗号化サービスを無効にした場合、それ以降に設定・変更したパスワードはコンフィグ中にそのまま表示されます。ただし、すでに暗号化されていたパスワードは暗号化されたままで変更されません。

awplus(config)# no service password-encryption
awplus(config)# username shiro privilege 15 password kuro
awplus(config)# show running-config | include username shiro
username shiro privilege 15 password kuro


詳しくは、service password-encryptionコマンドのページをご覧ください。

■ 現在ログインしているユーザーの一覧を確認するには、show usersコマンドを実行します。

awplus> show users


パスワードルールの設定


パスワード設定に関する各種のルールを設定することができます。これらは初期設定では無効になっています。

■ 有効期限切れのパスワードを、次回のログイン時にユーザーに変更を求めるよう指定するには、security-password forced-changeコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password forced-change


■ パスワード有効期間を設定するには、security-password lifetimeコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password lifetime 30


■ パスワードが期限切れになる前に、警告を表示するように設定するには、security-password warningコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password warning 25


■ 有効期限切れのパスワードの場合にログインを拒否するよう設定するには、security-password reject-expired-pwdコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password reject-expired-pwd


■ パスワード履歴を記憶して、過去のパスワードの使用を禁止する機能を有効にするには、security-password historyコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password history 5


■ パスワード設定時に必須とする最低文字数を指定するには、security-password minimum-lengthコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password minimum-length 8


■ パスワードに含めることを必須とする文字列の種類を設定するには、security-password minimum-categoriesコマンドを使用します。

aw-plus(config)# security-password minimum-categories 2


■ パスワード規則に関する設定を表示するには、show security-password configurationコマンドを使用します。

aw-plus# show security-password configuration



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