[index] CentreCOM x610シリーズ コマンドリファレンス 5.4.1

L2スイッチング / DHCP Snooping


  - 概要
  - 基本設定

DHCP Snoopingは、DHCPサーバー・クライアント間でやりとりされるDHCPメッセージを監視して動的なIPソースフィルタリングを行う機能です。本機能を利用すれば、DHCPサーバーを用いたネットワーク環境において、正当なDHCPクライアントにだけIP通信を許可することができます。

概要

DHCP Snoopingでは、DHCPメッセージのやりとりを監視してDHCPクライアントがどのポート配下に存在するかを追跡し、その情報に基づいてIPパケットのフィルタリングを行います。

DHCP Snoopingを利用する場合は、次の図のように本製品をDHCPサーバーとDHCPクライアントの間に配置します。このとき、本製品がDHCP/BOOTPリレーエージェントとして動作していてもかまいません。


DHCP Snoopingでは、スイッチポートを次の2つに分類・設定します。デフォルトではすべてのポートがUntrustedポートとして設定されています。


DHCP Snoopingを有効にすると、本製品はDHCPサーバー・クライアント間で交換されるDHCPメッセージを監視するようになります。

Untrustedポートに接続されているクライアントがDHCPサーバーからIPアドレスの割り当てを受けると、本製品はクライアントのIPアドレスやMACアドレス、ポート番号などをDHCP Snoopingテーブル(バインディングデータベース)に登録します。

Untrustedポートでは、バインディングデータベースに登録されているクライアントからのIPパケットだけを許可し、その他のIPパケットは破棄します。これにより、不正に接続されたクライアントがポートを越えてネットワークにアクセスすることを防ぐことができます。

一方、Trustedポートでは特別な処理を行いません。Trustedポートで受信したパケットは(他のフィルタリング機能によって破棄されないかぎり)通常どおり転送されます。

基本設定

DHCP Snoopingを使用するための基本的な設定手順は次のとおりです。

ここでは、ポート1.0.1にDHCPサーバーが接続されており、ポート1.0.5には不特定多数のDHCPクライアントが接続されるものと仮定します。

  1. グローバルコンフィグモードに入ります。

    awplus# configure terminal
    


  2. DHCP Snoopingを有効にします。

    awplus(config)# service dhcp-snooping
    


  3. vlan1を指定してインターフェースモードに入ります。

    awplus(config)# interface vlan1
    


  4. VLANでDHCP Snoopingを有効にします。

    awplus(config-if)# ip dhcp snooping
    


  5. グローバルコンフィグモードに戻ります。

    awplus(config-if)# exit
    


  6. Trustedポートに設定するポート1.0.1を指定してインターフェースモードに入ります。

    awplus(config)# interface port1.0.1
    


  7. ポートをTrustedポートに設定します。

    awplus(config-if)# ip dhcp snooping trust
    


  8. グローバルコンフィグモードに戻ります。

    awplus(config-if)# exit
    


  9. ポートに対して複数のDHCPリースを許可するように、設定対象のポート1.0.5を指定してインターフェースモードに入ります。

    awplus(config)# interface port1.0.5
    


  10. ポートに対して許可するDHCPリースの最大数を、ここでは50に設定します。

    awplus(config-if)# ip dhcp snooping max-bindings 50
    


  11. グローバルコンフィグモードに戻ります。

    awplus(config-if)# exit
    


  12. 新しい名前ds1を指定して、ハードウェアアクセスリストモードに入ります。

    awplus(config)# access-list hardware ds1
    


  13. DHCP Snoopingテーブル(バインディングデータベース)の有効なエントリーに含まれる送信IPアドレスの通信のみを許可するハードウェアアクセスリストを設定します(access-list hardware(seq entry)コマンド)。コマンドの先頭には優先順位を示すシーケンス番号を指定し、permit、denyの順になるよう設定します。

    awplus(config-ip-hw-acl)# 2 permit ip dhcpsnooping any
    awplus(config-ip-hw-acl)# 100 deny ip any any
    


  14. グローバルコンフィグモードに戻ります。

    awplus(config-ip-hw-acl)# exit
    


  15. ハードウェアアクセスリストを設定するポートを指定して、インターフェースモードに入ります。

    awplus(config)# interface port1.0.5
    


  16. 手順13で設定したハードウェアアクセスリストを設定します。

    awplus(config-if)# access-group ds1
    


  17. グローバルコンフィグモードに戻ります。

    awplus(config-if)# exit
    


  18. 以上で設定は完了です。


■ DHCP Snoopingの全般的な情報を確認するには、show ip dhcp snoopingコマンドを使います。

awplus# show ip dhcp snooping


■ ポートごとのDHCP Snooping設定を確認するには、show ip dhcp snooping interfaceコマンドを使います。

awplus# show ip dhcp snooping interface


■ バインディングデータベースの内容を確認するには、show ip dhcp snooping bindingコマンドを使います。

awplus# show ip dhcp snooping binding


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