[index] CentreCOM x610シリーズ コマンドリファレンス 5.4.1

IPルーティング / ICMPルーター通知(IRDP)


  - 基本設定

ICMPルーター通知(ICMP Router Advertisement)は、サブネット上のIPホストにルーター(デフォルトゲートウェイ)の存在を通知するICMPの拡張メッセージ(ICMPメッセージタイプ10)です。

本製品は、RFC1256で定義されているIRDP(ICMP Router Discovery Protocol)のルーター部分を実装しており、ルーター通知メッセージを定期的に送信したり、ホストから要請メッセージ(ICMP Router Solicitation)を受けルーター通知メッセージで応答したりすることができます。

基本設定

初期設定ではルーター通知は無効になっています。
ルーター通知を有効にするための基本設定は次のとおりです。

なお、以下の例では、VLANとIPの基本設定までは完了しているものとします。VLANの設定については「L2スイッチング」の「バーチャルLAN」をご覧ください。また、IPインターフェースの基本設定については「IPルーティング」の「IPインターフェース」をご覧ください。

  1. interfaceコマンドでルーター通知を送信するIPインターフェースを指定し、インターフェースモードに入ります。

    awplus(config)# interface vlan10
    


  2. ip irdpコマンドを実行し、対象インターフェースでICMPルーター通知メッセージの送信を有効にします。

    awplus(config-if)# ip irdp
    


    ルーター通知を有効にしたいインターフェースのそれぞれに対し、手順1〜2を繰り返してください。

  3. 各インターフェースでルーター通知を有効にしたら、グローバルコンフィグモードに戻り、router ip irdpコマンドを実行して、システム全体でICMPルーター通知を有効にします。

    awplus(config)# router ip irdp
    


以上で設定は完了です。
router ip irdpコマンドを実行するとともに、各インターフェースからICMPルーター通知メッセージが定期的に送信されるようになります。また、ホストからICMPルーター要請メッセージを受信したときにも、ICMPルーター通知を送信します。

■ 各インターフェースから通知するルーターアドレスの有効期限を変更するには、インターフェースモードのip irdp lifetimeコマンドを使います。

■ 各インターフェースから通知するルーターアドレスの優先度を変更するには、インターフェースモードのip irdp address preferenceコマンドを使います。

■ 各インターフェースにおけるICMPルーター通知メッセージの送信間隔は、インターフェースモードのip irdp maxadvertintervalコマンドとip irdp minadvertintervalコマンドで変更できます。

■ ICMPルーター通知メッセージは、初期設定ではサブネット上の全ホストを表すマルチキャストアドレス224.0.0.1宛てに送信されます。これをリミテッドブロードキャストアドレスに変更したいときは、インターフェースモードのip irdp broadcastコマンドを実行するか、ip irdp multicastコマンドをno形式で実行します。

■ システム全体でICMPルーター通知メッセージの送信を停止するには、グローバルコンフィグモードのrouter ip irdpコマンドをno形式で実行します。

■ 特定のインターフェースでのみICMPルーター通知メッセージの送信を無効化するには、インターフェースモードのip irdpコマンドをno形式で実行します。

■ ICMPルーター通知の全般的な情報はshow ip irdpコマンドで確認します。

■ ICMPルーター通知のインターフェースごとの情報を確認するにはshow ip irdp interfaceコマンドを使います。


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