[index] CentreCOM x610シリーズ コマンドリファレンス 5.4.1

IPルーティング / ARP


  - ARPキャッシュ
  - ARPキャッシュログ
  - プロキシーARP
  - ローカルプロキシーARP

IPアドレスから物理アドレス(MACアドレス)を検索するARP(Address Resolution Protocol)関係の機能について説明します。

ARPキャッシュ

通常、ARPキャッシュはプロトコルスタックの働きによって動的に構築・維持されていくため、管理者が手動で行うべきことはありません。しかしながら、状況に応じて手動でARPエントリーを登録することもできます。

■ ARPキャッシュにスタティックエントリーを追加するには、arpコマンドを使います。

awplus(config)# arp 192.168.30.254 0000.f0f0.abcd port1.0.18


■ スタティックなARPエントリーを削除するには、arpコマンドをno形式で実行します。

awplus(config)# no arp 192.168.30.254 0000.f0f0.abcd port1.0.18


■ ダイナミックなARPエントリーをすべて削除したいときは、clear arp-cacheコマンドを使います。

awplus# clear arp-cache


■ ARPキャッシュの内容はshow arpコマンドで確認できます。

awplus# show arp


ARPキャッシュログ

本製品は、ARPキャッシュの変更(登録・削除)をログに記録できます。

■ ARPキャッシュログを有効にするには、arp logコマンドを使います。デフォルトは無効です。

awplus# arp log


■ ARPキャッシュログを表示するには、show logコマンドを使います。show logコマンドでは他のログメッセージも表示されますが、「 | include ARP_LOG」を指定すればARP関連のログだけを見ることができます。

awplus# show log | include ARP_LOG
2010 Apr  6 06:21:01 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 add 0013.4078.3b98 (192.168.2.4)
2010 Apr  6 06:22:30 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 del 0013.4078.3b98 (192.168.2.4)
2010 Apr  6 06:23:26 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 add 0030.940e.136b (192.168.2.20)
2010 Apr  6 06:23:30 user.notice awplus IMISH[1830]: show log | include ARP_LOG

awplus# show log | include ARP_LOG
2010 Apr  6 06:25:28 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 add 00-17-9a-b6-03-69 (192.168.2.12)
2010 Apr  6 06:25:30 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 add 00-03-37-6b-a6-a5 (192.168.2.10)
2010 Apr  6 06:26:53 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 del 00-30-94-0e-13-6b (192.168.2.20)
2010 Apr  6 06:27:31 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 del 00-17-9a-b6-03-69 (192.168.2.12)
2010 Apr  6 06:28:09 user.notice awplus HSL[1007]: ARP_LOG port1.0.7 vlan1 del 00-03-37-6b-a6-a5 (192.168.2.10)
2010 Apr  6 06:28:14 user.notice awplus IMISH[1830]: show log | include ARP_LOG
awplus# 


ログメッセージ本体(Message)の表示項目は、左から順にポート番号、VLAN ID、イベント(addかdel)、MACアドレス、IPアドレスです。

Note - あるIPアドレスに対応するMACアドレスが変更された場合は、delイベントとaddイベントが生成されます。



プロキシーARP

プロキシーARPは、他サブネットのIPアドレスを対象としたARP要求に対し、本製品が自分自身のMACアドレスで代理応答する機能です。

■ プロキシーARPの有効・無効は、インターフェースモードのip proxy-arpコマンドで設定します。初期設定は無効です。

awplus(config)# interface vlan10
awplus(config-if)# ip proxy-arp


プロキシーARP有効時は、受信したARP要求の対象IPアドレスへの経路(ただし、受信インターフェースのインターフェース経路を除く)を持っている場合、自分自身のMACアドレスで代理応答し、代理応答に基づいて送られてきたパケットを実際の宛先に向かって転送します。

ローカルプロキシーARP

ローカルプロキシーARPは、自サブネットのIPアドレスを対象としたARP要求に対し、本製品が自分自身のMACアドレスで代理応答する機能です。サブネット内のホストが直接通信できない特殊なネットワークに接続されたインターフェースで本機能を有効化すれば、同一サブネット内のホスト同士が本製品を介した間接ルーティングで通信できるようになります。

■ ローカルプロキシーARPの有効・無効は、インターフェースモードのip local-proxy-arpコマンドで設定します。初期設定は無効です。

awplus(config)# interface vlan100
awplus(config-if)# ip local-proxy-arp


Note - 本機能はホスト間の直接通信が禁止されている特殊なサブネットでのみ使用してください。

Note - ローカルプロキシーARPが有効なIPインターフェースでは、ICMPリダイレクトメッセージの生成や転送が行われません。


(C) 2011 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001613 Rev.A