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IPルーティング / 経路制御(フィルタリング)


  - 経路の分類・識別
   - 標準IPアクセスリスト
    - 番号付き標準IPアクセスリスト
    - 名前付き標準IPアクセスリスト
   - IPプレフィックスリスト
   - ルートマップ
  - RIPにおける経路フィルタリング
   - ディストリビュートリスト(RIP)
   - オフセットリスト
   - 再通知用ルートマップ(RIP)
  - OSPFにおける経路フィルタリング
   - エリアフィルターリスト
   - ディストリビュートリスト(OSPF)
   - 再通知用ルートマップ(OSPF)

経路情報のフィルタリング機能について説明します。

ここでのフィルタリングとは、あらかじめ指定した条件にしたがって経路情報を分類・識別し、特定の経路を許可・破棄したり、経路情報の属性を変更したりすることを指します。

本製品には、ダイナミックルーティングプロトコル(RIP、OSPF)使用時に経路情報をフィルタリングする方法として、それぞれ次の機能が用意されています。

表 1:RIP用の経路フィルタリング機能
名称
対象
機能
分類・識別方法
ディストリビュートリスト RIP経路の送受信時 RIPパケットの受信時に特定の経路を受け入れないよう設定したり、RIPパケットの送信時に特定の経路を通知しないよう設定したりする 標準IPアクセスリストかIPプレフィックスリスト
オフセットリスト RIP経路の送受信時 RIPパケットの受信時に特定の経路のメトリック値を大きくしたり、RIPパケットの送信時に特定の経路のメトリック値を大きくしたりする 標準IPアクセスリスト
再通知用ルートマップ 非RIP経路の再通知時 非RIP経路をRIPで再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定したり、特定の経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりする ルートマップ


表 2:OSPF用の経路フィルタリング機能
名称
対象
機能
分類・識別方法
エリアフィルターリスト エリア間経路の送受信時 ABRにおいて、特定エリアに対して他エリアの経路情報(タイプ3LSA)を通知しないよう設定したり、特定エリアの経路情報(タイプ3LSA)を他のエリアに通知しないよう設定したりする 標準IPアクセスリストかIPプレフィックスリスト
ディストリビュートリスト 非OSPF経路の再通知時 ASBRにおいて、非OSPF経路をAS内に再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定する 標準IPアクセスリスト
再通知用ルートマップ 非OSPF経路の再通知時 ASBRにおいて、非OSPF経路をAS内に再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定したり、特定の経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりする ルートマップ


経路情報をフィルタリングするためには、何らかの条件にしたがって経路情報を分類・識別したり、分類した経路情報に対する処理を指定したりする必要がありますが、そのための機能としては、次のものがあります。


以下では、まずこれら分類・識別のための機能について説明し、次に各ルーティングプロトコルにおける経路フィルタリングの設定について具体例を挙げながら説明します。

なお、ダイナミックルーティングの設定については、「IPルーティング」の「経路制御(RIP)」「IPルーティング」の「経路制御(OSPF)」をご覧ください。

経路の分類・識別

ここでは、経路情報を分類・識別するための各機能について解説します。

標準IPアクセスリスト

標準IPアクセスリストは、IPアドレスを1つだけ指定できるアクセスリストです。始点IPアドレスに基づくアクセス制御が本来の用途ですが、宛先ネットワークアドレス(プレフィックス)に基づく経路エントリーの分類・識別にも使用できます。

標準IPアクセスリストは複数のエントリーから構成されるリストで、検索はエントリーの追加順に行われます。検索時には、最初にマッチしたエントリーで処理(permitかdeny)が行われるか結果(permitかdeny)が返され、マッチした時点で検索は終了します。どのエントリーにもマッチしなかった場合はdenyとなります。

標準IPアクセスリストには、各リストを番号で識別するタイプと名前で識別するタイプがあり、それぞれ以下のコマンドで設定を行います。


両者は分類条件の指定方法が若干異なるだけで、経路フィルタリングの各機能においてはどちらも同じように使用できます。

以下では、標準IPアクセスリストを用いて経路エントリーを分類・識別する方法について解説します。

標準IPアクセスリストを使ってトラフィック(パケット)の分類・識別や制御を行う方法については、「トラフィック制御」の「アクセスリスト」をご覧ください。

番号付き標準IPアクセスリスト

番号で識別するタイプの標準IPアクセスリストを作成するには、access-list(standard)コマンドを使います。

番号付き標準IPアクセスリストでは、宛先プレフィックスのアドレス部分に対してのみマッチングを行います。このとき、ワイルドカードマスク(リバースマスクまたはORマスクともいう)を使うことで、柔軟なアドレス指定が可能です。次にいくつか例を示します。

Note - 番号付き標準IPアクセスリストの末尾には「deny any」、すなわち、すべてをdenyする暗黙のエントリーが存在していることにご注意ください。


名前付き標準IPアクセスリスト

名前で識別するタイプの標準IPアクセスリストを作成するには、access-list standardコマンドを使います。

名前付き標準IPアクセスリストでは、番号付き標準IPアクセスリストと同様に宛先プレフィックスのアドレス部分に対してマッチングを行うほか(ただし、ワイルドカードマスクではなく通常のマスク長を使います)、exact-matchオプションを指定することでアドレス/プレフィックス長(サブネットマスクの長さ)の組に対する完全一致のマッチングも可能です。次にいくつか例を示します。

Note - 名前付き標準IPアクセスリストの末尾には「deny any」、すなわち、すべてをdenyする暗黙のエントリーが存在していることにご注意ください。


IPプレフィックスリスト

IPプレフィックスリストは、標準IPアクセスリストとは異なり、経路エントリーの分類・識別に特化した仕組みです。

標準IPアクセスリストでは、原則として宛先プレフィックスのアドレス部分しかチェックできませんが(名前付き標準IPアクセスリストでexact-matchオプションを指定した場合は例外)、IPプレフィックスリストではつねに「アドレス/プレフィックス長(サブネットマスクの長さ)」の組に対してマッチングを行います。

IPプレフィックスリストは複数のエントリーから構成されるリストで、検索はエントリー番号の若い順に行われます。検索時には、最初にマッチしたエントリーで処理(permitかdeny)が行われるか結果(permitかdeny)が返され、マッチした時点で検索は終了します。どのエントリーにもマッチしなかった場合はdenyとなります。

IPプレフィックスリストを作成するには、ip prefix-listコマンドを使います。
次にいくつか例を示します。

Note - IPプレフィックスリストの末尾には「deny any」、すなわち、すべてをdenyする暗黙のエントリーが存在していることにご注意ください。


ルートマップ

ルートマップは、宛先プレフィックスだけでなく、ネクストホップやメトリックなどのさまざまな基準に基づいて経路エントリーを分類・識別し、分類した経路を破棄したり、経路属性を書き換えたりするための機能です。

ルートマップは複数のエントリーで構成されるリストで、検索はエントリー番号の若い順に行われます。検索時には、最初にマッチしたエントリーで以下に示す処理が行われ、マッチした時点で検索は終了します。どのエントリーにもマッチしなかった場合はdenyとなります。


ルートマップ内の各エントリーは、0〜複数個のmatch節、1個のアクション(denyかpermit)、0〜複数個のset節によって構成されます。match節、アクション、set節は、それぞれ次の役割を持ちます。


なお、match節では、以下の情報を条件として使用できます。


宛先プレフィックス、ネクストホップアドレスのマッチングには、前述した標準IPアクセスリストやIPプレフィックスリストを利用します。なお、ルートマップエントリーで標準IPアクセスリストやIPプレフィックスリストを使用する場合は、これらのリストを単独で使用する場合とdeny、permitの意味が異なるため注意してください。

また、set節では以下の情報を変更できます。


ルートマップの設定は次の流れで行います。

  1. 必要に応じて、宛先プレフィックスやネクストホップアドレスのマッチングを行うための標準IPアクセスリストやIPプレフィックスリストを作成します。
    このとき、リスト中のdeny、permitは経路エントリーを破棄するかどうかの指定でなく、該当経路エントリーをルートマップエントリーにマッチさせるかどうかの指定である点に注意してください。経路エントリーを破棄するかどうかは、リストのアクションではなく、ルートマップエントリーのアクションで指定します。

  2. route-mapコマンドでルートマップエントリーを作成し、アクションを指定します。同コマンドを実行すると、ルートマップエントリーの内容を編集するためのルートマップモードに移行します。

  3. ルートマップエントリーにmatch節を追加して分類条件を指定します。このとき、必要に応じて標準IPアクセスリストやIPプレフィックスリストを指定します。なお、match節のないルートマップエントリーは、すべての経路エントリーにマッチします。

  4. 手順2で指定したルートマップエントリーのアクションがpermitの場合は、必要に応じてset節を追加し、経路属性を変更するための設定を追加します。属性変更をしない場合、set節は不要です。

以下、ルートマップの作成例をいくつか示します。

Note - ルートマップの末尾には、すべてをdenyする暗黙のエントリーが存在していることにご注意ください。

Note - 前にも述べたとおり、ルートマップのmatch節で使用する標準IPアクセスリストやIPプレフィックスリストでは、deny、permitの意味が通常とは逆転しているので注意してください。


RIPにおける経路フィルタリング

ここでは、RIPを使用してダイナミックルーティングを行う場合の経路フィルタリングの方法について解説します。

ディストリビュートリスト(RIP)

ディストリビュートリストは、RIPパケットの受信時に特定の経路を受け入れないよう設定したり、RIPパケットの送信時に特定の経路を通知しないよう設定したりするための機能です。

ディストリビュートリストは、RIPモードのdistribute-listコマンドで設定します。経路エントリーの分類条件は、標準IPアクセスリストかIPプレフィックスリストで定義します。

■ RIPパケットの受信時に特定の経路を受け入れないようにするには、distribute-listコマンドを「in」方向で設定します。

たとえば、RIPインターフェースvlan20において、10.0.0.0/8に包含される経路エントリーを受け入れないようにするには、次のようにします。
  1. 宛先プレフィックスの先頭オクテットが「10」の経路エントリーを破棄し、その他は許可する標準IPアクセスリスト1を作成します。

    awplus(config)# access-list 1 deny 10.0.0.0 0.255.255.255
    awplus(config)# access-list 1 permit any
    


  2. RIPモードに移行して、受信用のディストリビュートリストをvlan20に設定します。このとき、分類条件として標準アクセスリスト1を指定します。

    awplus(config)# router rip
    awplus(config-router)# distribute-list 1 in vlan20
    


■ RIPパケットの送信時に特定の経路を通知しないようにするには、distribute-listコマンドを「out」方向で設定します。

たとえば、RIPインターフェースvlan10において、192.168.0.0/16に包含される経路エントリーを通知しないようにするには、次のようにします。
  1. 宛先プレフィックスの先頭2オクテットが「192.168」の経路エントリーを破棄し、その他は許可する標準IPアクセスリスト2を作成します。

    awplus(config)# access-list 2 deny 192.168.0.0 0.0.255.255
    awplus(config)# access-list 2 permit any
    


  2. RIPモードに移行して、送信用のディストリビュートリストをvlan10に設定します。このとき、分類条件として標準アクセスリスト2を指定します。

    awplus(config)# router rip
    awplus(config-router)# distribute-list 2 out vlan10
    


オフセットリスト

オフセットリストは、RIPパケットの受信時に特定の経路のメトリック値を大きくしたり、RIPパケットの送信時に特定の経路のメトリック値を大きくしたりするための機能です。

オフセットリストは、RIPモードのoffset-listコマンドで設定します。経路エントリーの分類条件は、標準IPアクセスリストで定義します。

■ RIPパケットの受信時に特定の経路のメトリックを大きくするには、offset-listコマンドを「in」方向で設定します。

たとえば、RIPインターフェースvlan20で経路情報を受信するとき、経路エントリー172.16.20.0/24の場合だけメトリックを4加算した上でRIP経路表に取り込むよう設定するには、次のようにします。
  1. 宛先プレフィックスが「172.16.20.0/24」に完全一致する経路エントリーをpermitし、その他はdenyする名前付き標準IPアクセスリスト「add4」を作成します。オフセットリストで使用するアクセスリストでは、メトリックを変更したい経路をpermit、変更したくない経路をdenyするよう設定します。

    awplus(config)# access-list standard add4 permit 172.16.20.0/24 exact-match
    


  2. RIPモードに移行して、受信用のオフセットリストをvlan20に設定します。このとき、分類条件として名前付き標準アクセスリスト「add4」を指定します。メトリック加算値は「4」とします。

    awplus(config)# router rip
    awplus(config-router)# offset-list add4 in 4 vlan20
    


■ RIPパケットの送信時に特定の経路のメトリックを大きくするには、offset-listコマンドを「out」方向で設定します。

たとえば、RIPインターフェースvlan10から経路情報を送信するとき、経路エントリー192.168.10.0/24の場合だけメトリックを5加算した上で通知するよう設定するには、次のようにします。
  1. 宛先プレフィックスが「192.168.10.0/24」に完全一致する経路エントリーをpermitし、その他はdenyする名前付き標準IPアクセスリスト「add4」を作成します。オフセットリストで使用するアクセスリストでは、メトリックを変更したい経路をpermit、変更したくない経路をdenyするよう設定します。

    awplus(config)# access-list standard add5 permit 192.168.10.0/24 exact-match
    


  2. RIPモードに移行して、送信用のオフセットリストをvlan10に設定します。このとき、分類条件として名前付き標準アクセスリスト「add5」を指定します。メトリック加算値は「5」とします。

    awplus(config)# router rip
    awplus(config-router)# offset-list add5 out 5 vlan10
    


再通知用ルートマップ(RIP)

再通知用ルートマップは、非RIP経路をRIPで再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定したり、特定の経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりするための機能です。

再通知用ルートマップは、RIPモードのredistributeコマンドで再通知の設定を行うときに、route-mapパラメーターで指定します。

■ 非RIP経路をRIPで再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定したり、特定の経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりするには、redistributeコマンドのroute-mapパラメーターでルートマップを指定します。

たとえば、OSPF経路をRIPで再通知するとき、経路エントリー172.24.0.0/16を再通知対象から除外するには、次のようにします。
  1. 経路エントリー172.24.0.0/16を破棄し、その他を許可するルートマップr24を作成します。

    awplus(config)# ip prefix-list p24 permit 172.24.0.0/16
    awplus(config)# route-map r24 deny 10
    awplus(config-route-map)# match ip address prefix-list p24
    awplus(config-route-map)# exit
    awplus(config)# route-map r24 permit 20
    awplus(config-route-map)# exit
    


  2. RIPモードに移行してOSPF経路再通知の設定をすると同時に、再通知する経路をフィルタリングするためのルートマップr24を指定します。

    awplus(config)# router rip
    awplus(config-router)# redistribute ospf route-map r24
    


OSPFにおける経路フィルタリング

ここでは、OSPFを使用してダイナミックルーティングを行う場合の経路フィルタリングの方法について解説します。

エリアフィルターリスト

エリアフィルターリストは、ABRにおいて、特定エリアに対して他エリアの経路情報(タイプ3LSA)を通知しないよう設定したり、特定エリアの経路情報(タイプ3LSA)を他のエリアに通知しないよう設定したりするための機能です。

エリアフィルターリストは、OSPFモードのarea filter-listコマンドで設定します。経路エントリーの分類条件は、標準IPアクセスリストかIPプレフィックスリストで定義します。

■ ABRにおいて、あるエリアに対して他エリアの経路情報(タイプ3LSA)を通知しないよう設定するには、area filter-listコマンドを方向「in」で設定します。

たとえば、エリア1のABRに対し、エリア1には172.23.0.0/16の範囲におさまるタイプ3LSA(他エリアの経路情報)を通知しないよう設定するには、次のようにします。
  1. 172.23.0.0/16に包含される宛先プレフィックスを持つ経路エントリーを破棄し、その他は許可するIPプレフィックスリストdpS23を作成します。

    awplus(config)# ip prefix-list dpS23 deny 172.23.0.0/16 le 32
    awplus(config)# ip prefix-list dpS23 permit any
    


  2. OSPFモードに移行して、エリア1に対する方向「in」のエリアフィルターリストを設定します。このとき、分類条件としてIPプレフィックスリストdpS23を指定します。

    awplus(config)# router ospf
    awplus(config-router)# area 1 filter-list prefix dpS23 in
    


■ ABRにおいて、あるエリアの経路情報(タイプ3LSA)を他のエリアに通知しないよう設定するには、area filter-listコマンドを方向「out」で設定します。

たとえば、エリア2のABRに対し、エリア2内部の経路172.22.254.0/24を他エリアにタイプ3LSAで通知しないよう設定するには、次のようにします。
  1. 172.22.254.0/16に包含される宛先プレフィックスを持つ経路エントリーを破棄し、その他は許可するIPプレフィックスリストdp254を作成します。

    awplus(config)# ip prefix-list dp254 deny 172.22.254.0/24
    awplus(config)# ip prefix-list dp254 permit any
    


  2. OSPFモードに移行して、エリア2に対する方向「out」のエリアフィルターリストを設定します。このとき、分類条件としてIPプレフィックスリストdp254を指定します。

    awplus(config)# router ospf
    awplus(config-router)# area 2 filter-list prefix dp254 out
    


ディストリビュートリスト(OSPF)

ディストリビュートリストは、ASBRにおいて、非OSPF経路をAS内に再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定するための機能です。

ディストリビュートリストは、OSPFモードのdistribute-listコマンドで設定します。経路エントリーの分類条件は、標準IPアクセスリストで定義します。

■ ASBRにおいて、非OSPF経路をAS内に再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定するには、distribute-listコマンドを方向「out」で設定します。

たとえば、ASBRにおいて、RIP経路をOSPFで再通知するとき、経路エントリー10.30.10.0/24を再通知対象から除外するには、次のようにします。
  1. 経路エントリー10.30.10.0/24を破棄し、その他を許可する名前付き標準IPアクセスリストnothirtyを作成します。

    awplus(config)# access-list standard nothirty deny 10.30.10.0/24 exact-match
    awplus(config)# access-list standard nothirty permit any
    


  2. OSPFモードに移行し、RIP由来の外部経路に対する方向「out」のディストリビュートリストを設定します。このとき、分類条件として標準IPアクセスリストnothirtyを指定します。

    awplus(config)# router ospf
    awplus(config-router)# distribute-list nothirty out rip
    


再通知用ルートマップ(OSPF)

再通知用ルートマップは、ASBRにおいて、非OSPF経路をAS内に再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定したり、特定の経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりするための機能です。

再通知用ルートマップは、OSPFモードのredistributeコマンドで再通知の設定を行うときに、route-mapパラメーターで指定します。

■ ASBRにおいて、非OSPF経路をAS内に再通知するときに、特定の経路を再通知しないよう設定したり、特定の経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりするには、redistributeコマンドのroute-mapパラメーターでルートマップを指定します。

たとえば、ASBRにおいて、RIP経路をOSPFで再通知するとき、経路エントリー10.100.10.0/24を再通知対象から除外するには、次のようにします。
  1. 経路エントリー10.100.10.0/24を破棄し、その他を許可するルートマップrhtを作成します。

    awplus(config)# ip prefix-list pht permit 10.100.10.0/24
    awplus(config)# route-map rht deny 10
    awplus(config-route-map)# match ip address prefix-list pht
    awplus(config-route-map)# exit
    awplus(config)# route-map rht permit 20
    awplus(config-route-map)# exit
    


  2. OSPFモードに移行してRIP経路再通知の設定をすると同時に、再通知する経路をフィルタリングするためのルートマップrhtを指定します。

    awplus(config)# router ospf
    awplus(config-router)# redistribute rip route-map rht
    


■ ASBRにおいて、デフォルト経路をAS内に再通知するときに、特定の条件を満たしたときだけデフォルト経路を再通知したり、デフォルト経路の属性を変更した上で再通知するよう設定したりするには、default-information originateコマンドのroute-mapパラメーターでルートマップを指定します。基本的な設定方法は、redistributeコマンドと同じです。


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