[index] CentreCOM x900シリーズ・SwitchBlade x908 コマンドリファレンス 5.3.2

運用・管理 / LLDP


  - 基本設定
  - 注意事項

本製品は、LAN上の隣接機器との間で管理情報(機器・ポートの識別子、管理アドレス、所属VLANなど)を通知しあうプロトコルLLDP(Link Layer Discovery Protocol。IEEE 802.1AB)に対応しています。

LLDPは情報の要求や確認応答の仕組みを持たず、対応機器が情報を一方的に通知して、もう一方の対応機器がこれを受信するだけの単純なプロトコルですが、受信した情報をMIBオブジェクトとして保持する方法が標準化されているため、LLDP対応機器が収集した情報にSNMP経由でアクセスすることができ、ネットワーク構成の把握などに役立ちます。

本製品は次の動作をサポートしています。

以下では、LLDPの基本的な設定方法について解説します。

基本設定

LLDPを利用するために必要な最小限の設定を紹介します。
ここでは、ポート1.0.1〜1.0.4でLLDPパケットの送受信を有効化し、自機の基本情報を通知するとともに、これらのポートに接続されたLLDP対応機器からの情報を収集するよう設定します。
  1. ポート1.0.1〜1.0.4でLLDPパケットの送受信を有効化します。

    awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.4
    awplus(config-if)# lldp transmit
    awplus(config-if)# lldp receive
    awplus(config-if)# exit
    

    Note - lldp transmitコマンドとlldp receiveコマンドは「lldp receive transmit」のように一行で記述することもできます。

  2. システム全体でLLDPを有効化します。
    LLDPを使うには、インターフェース(スイッチポート)ごとの設定とシステム全体設定の両方が有効になっている必要があります。

    awplus(config)# lldp run
    


    設定は以上です。

■ 前記の基本設定では、各ポートでLLDPパケットの送信と受信を行うよう設定していますが、必要に応じて送信のみ(情報通知のみ)、受信のみ(情報収集のみ)の設定も可能です。たとえば、ポート1.0.5〜1.0.6ではLLDPパケットの送信のみ、ポート1.0.7〜1.0.8ではLLDPパケットの受信のみを有効化するには次のようにします。

awplus(config)# interface port1.0.5-1.0.6
awplus(config-if)# lldp transmit
awplus(config-if)# exit
awplus(config)# interface port1.0.7-1.0.8
awplus(config-if)# lldp receive
awplus(config-if)# exit


■ LLDPではさまざまな情報を送信できますが、前記の基本設定では、必須とされている3つの情報要素(シャーシ識別子、ポート識別子、情報の有効期間)しか送信しません。
それ以外の情報を送信したい場合は、インターフェースモードのlldp tlv-selectコマンドで追加すべき情報を指定します。
たとえば、ポート1.0.1〜1.0.6において、本製品がサポートしているすべての情報を送信させたい場合は、次のようにします。

awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.6
awplus(config-if)# lldp tlv-select all


■ LLDPパケットの受信が有効なポートで収集した他機器の情報は、SNMPで取得できるほか、show lldp neighbors interfaceコマンドでも確認できます。
Note - SNMPでLLDPの情報を取得するためには、IPおよびSNMPの基本設定を行う必要があります。詳細は「IPルーティング」/「IPインターフェース」「運用・管理」/「SNMP」をご覧ください。

awplus# show lldp neighbors interface port1.0.1
LLDP Neighbor Information:

Total number of neighbors on these ports .... 1

  Capability Codes:
    O = Other   P = Repeater   B = Bridge               W = WLAN Access Point
    R = Router  T = Telephone  C = DOCSIS Cable Device  S = Station Only

Local   Neighbor         Neighbor    Neighbor                    Neighbor
Port    Chassis ID       Port Name   Sys Name                    Capability
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1   000a.7933.7b43   rl0         delirium.t.                               S


LLDPで収集した他機器の情報が変化したときにSNMPトラップを送信させるには、インターフェースモードのlldp notificationsコマンドを実行します。

awplus(config)# interface port1.0.1
awplus(config-if)# lldp notifications


なお、実際にSNMPトラップを送信するには、トラップ送信先などのSNMP基本設定に加え、snmp-server enable trapコマンドで「lldp」を有効にしておく必要があります。SNMPの基本設定については「運用・管理」/「SNMP」をご覧ください。

awplus(config)# snmp-server community viewers ro
awplus(config)# snmp-server host 192.168.10.2 traps version 2c viewers
awplus(config)# snmp-server enable trap lldp


注意事項


(C) 2007 - 2009 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-000751 Rev.H