[index] CentreCOM x900シリーズ・SwitchBlade x908 コマンドリファレンス 5.3.2

show ip route database

モード: 非特権EXECモード
カテゴリー: IPルーティング / 経路制御


> show ip route database [TYPE]


IP経路表(RIB: Routing Information Base)を表示する。

IP経路表(RIB)は、IP転送表(FIB: Forwarding Information Base)のもとになるデータベース。RIB内に同一宛先への経路が複数存在している場合は、最適経路だけがFIBに登録される。FIBを表示させるにはshow ip routeコマンドを使う。


パラメーター

TYPE 表示する経路を絞り込むときに指定する。次の値を指定できる
connected インターフェース経路(直結経路)だけを表示する
ospf OSPF経路だけを表示する
bgp BGP経路だけを表示する
rip RIP経路だけを表示する
static スタティック経路だけを表示する


使用例

■ RIP使用時のRIB表示例

awplus> show ip route database
Codes: C - connected, S - static, R - RIP, B - BGP
       O - OSPF, IA - OSPF inter area
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
       > - selected route, * - FIB route, p - stale info

C    *> 172.16.10.0/24 is directly connected, vlan10
C    *> 172.21.10.0/24 is directly connected, vlan20
R    *> 172.22.10.0/24 [120/2] via 172.16.10.2, vlan10, 00:04:11
R    *> 172.22.20.0/24 [120/3] via 172.16.10.2, vlan10, 00:04:11
R    *> 172.23.10.0/24 [120/2] via 172.16.10.3, vlan10, 00:04:11
R    *> 192.168.10.0/24 [120/2] via 172.21.10.2, vlan20, 00:04:09
R    *> 192.168.20.0/24 [120/2] via 172.16.10.3, vlan10, 00:00:18
S    *> 192.168.30.0/24 [1/0] via 172.16.10.100, vlan10


■ OSPF使用時のRIB表示例

awplus> show ip route database
Codes: C - connected, S - static, R - RIP, B - BGP
       O - OSPF, IA - OSPF inter area
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
       > - selected route, * - FIB route, p - stale info

O       172.16.10.0/24 [110/10] is directly connected, vlan10, 03:47:53
C    *> 172.16.10.0/24 is directly connected, vlan10
O    *> 172.21.0.0/16 [110/0] is a summary, Null, 05:09:48
O       172.21.10.0/24 [110/10] is directly connected, vlan20, 05:10:07
C    *> 172.21.10.0/24 is directly connected, vlan20
O IA *> 172.22.0.0/16 [110/11] via 172.16.10.2, vlan10, 03:32:22
O IA *> 172.23.0.0/16 [110/20] via 172.16.10.3, vlan10, 03:27:46
O IA *> 172.24.0.0/16 [110/30] via 172.21.10.3, vlan20, 04:53:28
O E2 *> 192.168.10.0/24 [110/20] via 172.21.10.2, vlan20, 03:08:19
O E2 *> 192.168.20.0/24 [110/20] via 172.16.10.3, vlan10, 03:26:48



■ BGP使用時のRIB表示例

awplus> show ip route database
Codes: C - connected, S - static, R - RIP, B - BGP
       O - OSPF, IA - OSPF inter area
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
       > - selected route, * - FIB route, p - stale info

C    *> 10.10.10.0/24 is directly connected, vlan1000
B    *> 172.16.0.0/16 [200/0] is a summary, Null, 00:01:34
C    *> 172.16.10.0/24 is directly connected, vlan10
C    *> 172.16.20.0/24 is directly connected, vlan20
C    *> 172.16.30.0/24 is directly connected, vlan30
C    *> 172.16.40.0/24 is directly connected, vlan40
C    *> 172.16.50.0/24 is directly connected, vlan50
C    *> 172.16.60.0/24 is directly connected, vlan60
C    *> 172.16.70.0/24 is directly connected, vlan70
C    *> 172.16.80.0/24 is directly connected, vlan80
C    *> 172.16.90.0/24 is directly connected, vlan90
C    *> 172.16.100.0/24 is directly connected, vlan100
B    *> 172.20.0.0/16 [20/0] via 10.10.10.5, vlan1000, 00:09:09
B    *> 172.22.0.0/16 [20/500] via 10.10.10.7, vlan1000, 00:27:10
B    *> 172.23.0.0/16 [20/500] via 10.10.10.8, vlan1000, 00:26:24
B    *> 172.24.0.0/16 [20/600] via 10.10.10.7, vlan1000, 00:25:15

■ 各行の先頭に表示される「C」、「S」のような記号は、経路種別(経路の学習元)を示す。サポートしている経路種別には以下のものがある。

表 1:経路種別を表す記号
記号
経路種別
C インターフェース経路(直結経路)
S スタティック経路
R RIP経路
O OSPFエリア内経路
O IA OSPFエリア間経路
O E1 OSPF外部経路(メトリックタイプ1)
O E2 OSPF外部経路(メトリックタイプ2)
O N1 OSPF NSSA外部経路(メトリックタイプ1)
O N2 OSPF NSSA外部経路(メトリックタイプ2)
B BGP経路


また、宛先プレフィックスの前に表示される「*>」のような記号は、各経路の属性フラグを示す。それぞれの意味は次のとおり。

表 2:経路エントリーの属性フラグ
記号
属性フラグ
* FIB経路フラグ。該当経路がIP転送表(FIB:Forwarding Information Base)にも登録されていることを示す。「*」の付く経路には必ず次項の「>」が付くが、その逆は必ずしも真ではない
> 最適経路フラグ。該当経路がRIB内における該当プレフィックス宛ての最適経路であることを示す。通常、最適経路 == FIB経路だが、RIB内に特定プレフィックス宛ての最適経路が複数存在している場合は、maximum-pathsコマンドで設定された等コストパスの最大数まではFIBに登録されるが、それ以上最適経路があってもFIBには登録されない。したがって、「>」のみ表示されている経路もありうる


■ インターフェース経路(記号:C)の表示項目は次のとおり。

C    *> 172.16.10.0/24 is directly connected, vlan10


表 3:インターフェース経路の表示項目
C Connected route、すなわち、インターフェース直結経路であることを示す
*> 経路属性フラグ。詳細は別表を参照のこと。インターフェース経路はつねに最適経路であり(>)、FIBにも登録される(*)
172.16.10.0/24 宛先プレフィックス(ネットワークアドレス/プレフィックス長)
is directly connected 「C」の繰り返し。直結経路であることを示す
vlan10 ネクストホップインターフェース(出力インターフェース)


■ スタティック経路(記号:S)の表示項目は次のとおり。

S    *> 192.168.30.0/24 [1/0] via 172.16.10.100, vlan10


表 4:スタティック経路の表示項目
S Static route、すなわち、スタティック経路であることを示す
*> 経路属性フラグ。詳細は別表を参照のこと
192.168.30.0/24 宛先プレフィックス(ネットワークアドレス/プレフィックス長)
[1/0] 管理距離/メトリック。スタティック経路の管理距離は特に指定しないかぎり1となる。メトリックはスタティック経路では意味を持たないのでつねに0と表示される
via 172.16.10.100 ネクストホップアドレス(転送先IPアドレス)
vlan10 ネクストホップインターフェース(出力インターフェース)


■ RIP経路(記号:R)の表示項目は次のとおり。

R    *> 172.22.20.0/24 [120/3] via 172.16.10.2, vlan10, 00:04:11


表 5:RIP経路の表示項目
R RIP route、すなわち、RIP経路であることを示す
*> 経路属性フラグ。詳細は別表を参照のこと
172.22.20.0/24 宛先プレフィックス(ネットワークアドレス/プレフィックス長)
[120/3] 管理距離/RIPメトリック。RIP経路の管理距離は特に指定しないかぎり120となる。RIPにおけるメトリックはホップ数だが、各種設定により変更も可能
via 172.16.10.2 ネクストホップアドレス(転送先IPアドレス)
vlan10 ネクストホップインターフェース(出力インターフェース)
00:04:11 該当経路の情報が最後に更新されてからの経過時間


■ OSPF経路(記号:O)の表示項目は次のとおり。

O IA *> 172.24.0.0/16 [110/30] via 172.21.10.3, vlan20, 04:53:28


表 6:OSPF経路の表示項目
O OSPF route、すなわち、OSPF経路であることを示す。エリア内経路以外は、この後に2文字のサブ記号が続く。詳細は別表を参照のこと
IA OSPF intra-area route、すなわち、OSPFのエリア間経路であることを示す
*> 経路属性フラグ。詳細は別表を参照のこと
172.24.0.0/16 宛先プレフィックス(ネットワークアドレス/プレフィックス長)
[110/30] 管理距離/OSPFメトリック。OSPF経路の管理距離は特に指定しないかぎり110となる。OSPFにおけるメトリックは通過するインターフェースのコストの和だが、各種設定により変更も可能
via 172.21.10.3 ネクストホップアドレス(転送先IPアドレス)
vlan20 ネクストホップインターフェース(出力インターフェース)
04:53:28 該当経路の情報が最後に更新されてからの経過時間


■ BGP経路(記号:B)の表示項目は次のとおり。

B    *> 172.22.0.0/16 [20/500] via 10.10.10.7, vlan1000, 00:27:10


表 7:BGP経路の表示項目
B BGP route、すなわち、BGP経路であることを示す
*> 経路属性フラグ。詳細は別表を参照のこと
172.22.0.0/16 宛先プレフィックス(ネットワークアドレス/プレフィックス長)
[20/500] 管理距離/メトリック(MED値)。BGP経路の管理距離は特に指定しないかぎりeBGPピアから学習した経路が20、iBGPピアから学習した経路が200となる。BGPでは経路間の優劣比較に複数の属性値を使うが、ここではメトリックとしてMED値(MULTI_EXIT_DISC属性値)が表示される
via 10.10.10.7 ネクストホップアドレス(転送先IPアドレス)
vlan1000 ネクストホップインターフェース(出力インターフェース)
00:27:10 該当経路の情報が最後に更新されてからの経過時間


注意・補足事項

■ インターフェースがダウンしている場合、該当するインターフェース経路は表示されない。


関連コマンド

ip address(インターフェースモード)
ip address dhcp(インターフェースモード)
ip route(グローバルコンフィグモード)
router bgp(グローバルコンフィグモード)
router rip(グローバルコンフィグモード)
router ospf(グローバルコンフィグモード)
show ip ospf route(非特権EXECモード)
show ip rip(非特権EXECモード)
show ip route(非特権EXECモード)
show ip route summary(非特権EXECモード)



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