area nssa

モード: OSPFモード
カテゴリー: IP / 経路制御(OSPF)


(config-router)# area AREAID nssa [translator-role ROLE] [default-information-originate [metric <0-16777214>] [metric-type <1-2>]] [no-redistribution] [no-summary]

(config-router)# [no] area AREAID nssa [translator-role] [default-information-originate] [no-redistribution] [no-summary]


指定したOSPFエリアを準スタブエリア(NSSA)として設定する。あるいは、NSSAのオプションを変更する。
no形式でオプションを指定しなかった場合は、該当エリアを標準エリアに戻す。
no形式でオプションを指定した場合は、該当エリアはNSSAのままで、指定したオプションだけをオフにする。

NSSAはAS外部への出口を持てる(ASBRを配置できる)スタブエリア。ただし、NSSA内ではタイプ5LSAを送受信できないため、NSSAのASBRはAS外部経路をタイプ5ではなくタイプ7LSAとしてNSSA内に通知する。さらに、NSSAのABRはタイプ7LSAをタイプ5LSAに変換した上で他のエリアに通知する。
なお、スタブエリアと同じように、他エリアのASBRが生成したAS外部経路(タイプ5LSA)はNSSA内には通知されない。さらに、スタブエリアではAS外部経路の代わりとして通知されるデフォルト経路のタイプ3LSAもNSSAには通知されない。その代わり、デフォルト経路のタイプ7LSAを通知するよう設定することは可能。

スタブエリア同様、通常のNSSAでは、他エリアへの経路情報(タイプ3LSA)は個別に通知されるが、オプションで他エリアへの経路も通知しないよう設定できる(完全スタブエリア的なNSSA)。


パラメーター

AREAID OSPFエリアID。次のいずれかの形式で指定する
<0-4294967295> 単一10進数形式(例:1)
A.B.C.D IPアドレス形式(例:0.0.0.1)
translator-role ROLE (ABRでのみ有効)NSSAのASBRで生成されたタイプ7LSAをタイプ5に変換するかどうか。ROLEには次のいずれかを指定する。省略時はcandidate
always 他のNSSA ABRの動作に関わりなくつねに変換する
candidate NSSA Translatorに選出されたときだけ変換する(省略時設定)
never 変換しない
default-information-originate (ABRでのみ有効)デフォルト経路のタイプ7LSAを生成し、NSSA内に通知したい場合に指定する。スタブエリアや完全スタブエリアとは異なり、NSSAの基本設定(例:area 3 nssa)では、他エリアのASBRが生成したAS外部経路の代わりとなるデフォルト経路が通知されない。そのため、該当NSSAには、他エリアのASBR経由でないと到達できない非OSPFネットワークへの接続性がないことになる。これを回避するには本オプションを指定する
metric <0-16777214> (ABRでのみ有効)default-information-originateオプション指定時に生成するデフォルト経路のタイプ7LSAのコスト(メトリック)値。同オプションと組み合わせないと指定できない。省略時は1
metric-type <1-2> (ABRでのみ有効)default-information-originateオプション指定時に生成するデフォルト経路のタイプ7LSAのメトリックタイプ。同オプションと組み合わせないと指定できない。省略時は2
no-redistribution (ABRとASBRを兼務している場合のみ有効)NSSAのABRであり、なおかつASBRでもある場合に、非OSPFネットワークから取り込んだAS外部経路を通常エリア(バックボーン)にはタイプ5LSAとして通知するが、NSSAにはタイプ7LSAとして通知したくない場合に指定する。すなわち、通常エリア(バックボーン)ではASBRとして動作させるが、NSSAではASBRとして動作させたくない場合に指定する
no-summary (ABRでのみ有効)他エリアへの経路(タイプ3LSA)をNSSA内に通知せず、代わりにデフォルト経路のタイプ3LSAを生成してNSSA内に通知したい場合に指定する(完全スタブエリア的なNSSAの設定)。デフォルトタイプ3LSAのコスト(メトリック)値はarea default-costコマンド(OSPFモード)で変更できる


使用例

■ エリア3をNSSAにする。該当エリアに所属するすべてのルーターに同じ設定を行うこと。

awplus(config-router)# area 3 nssa

■ エリア3をNSSAにする。さらに、該当NSSAのABRに対しては、他エリアで生成されたAS外部経路(タイプ5LSA)の代わりとして、デフォルト経路のタイプ7LSAをNSSA内に通知するよう設定する。


■ エリア3を完全スタブエリア的なNSSAにする。完全スタブエリア的なNSSAには、他エリアで生成されたAS外部経路(タイプ5LSA)、および、他エリアへの経路(タイプ3LSA)が通知されない。その代わり、デフォルト経路のタイプ3LSAが通知される。


■ エリア3を完全スタブエリア的なNSSAから通常のNSSAに戻す。その場合は、ABRにだけ次の設定をすればよい。
awplus(config-router)# no area 3 nssa no-summary

■ エリア3を標準エリアに戻す。該当エリアに所属するすべてのルーターに同じ設定をすること。
awplus(config-router)# no area 3 nssa


注意・補足事項

■ NSSAの基本設定(例:area 3 nssa)は該当エリアに所属するすべてのルーターに対して行う必要がある。ただし、オプション(translator-role、default-information-originate、metric、metric-type、no-redistribution、no-summary)はABRやASBRなど特定の役割を持ったルーターにだけ設定すればよい。


コマンドツリー

router ospf (グローバルコンフィグモード)
    |
    +- area nssa(OSPFモード)

関連コマンド

area default-cost(OSPFモード)
show ip ospf(非特権EXECモード)
show ip ospf interface(非特権EXECモード)
show ip ospf neighbor(非特権EXECモード)



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