AT-TQ5403・AT-TQm5403・AT-TQ5403e・AT-TQ1402・AT-TQm1402: クイックツアー
3.1 チャンネルブランケット(AWC-CB)概要
AWC-CB(AWC-Channel Blanket)は、セル型ネットワークと併用可能な、かつ、特許技術でより効率的に運用可能な、アライドテレシス独自のチャンネルブランケット型無線ネットワークです。
- セル型無線ネットワーク
従来型のセル型無線ネットワークでは、無線AP1台でカバーできない広いフロアに無線ネットワークを提供する場合、異なるチャンネルで動作する複数台の無線APを用いてフロアを網羅します。
運用する無線APが増加するとチャンネル設計が複雑になるうえ、フロア内の移動には無線AP間のローミングが伴い、パケットロスが生じたり、移動した先に無線APがあるにもかかわらず先に接続した無線APと低品質な電波状況での通信を続けてしまう「スティッキー端末」が発生したりします。
- ブランケット型無線ネットワーク
これに対し、チャンネルブランケット、または、ブランケット型ネットワークは、複数の無線APを単一チャンネルで運用し、仮想的に巨大なひとつの無線APとしてネットワークアクセスを提供する技術です。共通の無線チャンネルでフロア全体を包み込むため、ローミングによるパケットロスやスティッキー端末が発生せず、安定した通信が可能となります。また、煩わしいチャンネル設計は不要です。
一方で、チャンネルブランケット配下の無線クライアントは、すべて同じチャンネルで通信を行うため、同時に送信を行える無線APは原則として1台のみとなり、ダウンリンクのスループットは低下します。
AWC-CBでは、特許技術のマルチコミュニケーションテクノロジーにより、ブランケット型での運用時において、互いに電波干渉しない複数の無線端末は、異なる無線APを利用して同時に通信できます。
Note
ブランケット用のVLANに所属するすべての機器でMACアドレススラッシングを無効にする必要があります。
セル型とブランケット型の無線ネットワークには以下の違いがあります。
セル型とブランケット型の比較
| セル型(従来型) | ブランケット型 |
ローミング | × 端末に依存 | ◎ ゼロ時間 |
設置 | △ 煩雑なチャンネル設計が必要 | ◎ 同一チャンネルを使用するためチャンネル設計不要 |
スループット | ○ 複数セルを運用しセルあたりの端末数を抑えることで高スループットを実現可能 | × 同一チャンネルを使用するため端末数増加時のスループットは低下 |
Note
チャンネルブランケットは複数の無線APを仮想的に1つの大きな無線APとして制御するため、チャンネルブランケット内の無線APが協調して順番にビーコンフレーム(無線APの情報を無線クライアントに知らせるフレーム)を送信します。そのため、無線クライアントによっては受信感度が不安定に見える場合がありますが、実際に通信している無線APとビーコンフレームを送信する無線APが異なるためで、通信品質に問題はありません。
- ハイブリッドワイヤレスシステム
AWC-CBを利用したハイブリッドワイヤレスシステムでは、セル型とブランケット型の双方の利点を組み合わせ、快適なネットワークを簡便に導入することができます。
例えば、PCなど比較的移動が少なく高スループットの通信を行う固定端末をセル型VAPに、頻繁に移動を行い、かつスループットを重視しない移動端末をブランケット型VAPに収容することで、ネットワークをより効率的に運用できます。
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613-002599 Rev.K