[index] AT-MWS-GPシリーズ リファレンスマニュアル 2.0.0

リファレンス編 / スイッチ / L2 Features / IGMP Snooping


  - 概要
  - Global Settings
  - VLAN Settings
  - Querier Settings
  - Group List
  - Router Settings


IGMP Snoopingは、VLAN環境において不要なIPv4マルチキャストトラフィックをフィルタリングする機能です。
 

概要

IGMP Snoopingを使わない場合、マルチキャストパケットはサブネット(VLAN)単位で配送されます。すなわち、VLAN内にグループメンバーが1台でもいると、同一VLAN内のすべてのポートにパケットが転送されてしまいます。

IGMP Snoopingを有効にすると、本製品は各ポートで交換されるIGMPメッセージ(Membership Report、Query、Leave)を監視して、メンバーの存在するポートにだけ該当グループのIPv4マルチキャストトラフィックを配送するようになります。
 

Global Settings

IGMP Snoopingに関する一般設定を行います。

表 1:IGMP Snoopingの一般設定
項目名
説明
Status IGMP Snoopingを使用するか否かを、「Enabled」または「Disabled」で設定します。
「Enabled」を選択した場合、本製品はIGMPメッセージを監視して、グループメンバーが存在するポートにだけ該当グループのトラフィックを配送します。
「Disabled」を選択した場合、IGMPメッセージを監視しません。
デフォルトは「Disabled」です。
Version 本製品で使用するIGMPバージョンを、「V2」、「V3」から選択します。
デフォルトは「V2」です。
Report Suppression IGMP SnoopingのReport抑制機能を有効にするか否かを、「Enabled」または「Disabled」で設定します。
「Enabled」を選択した場合、本製品は、IGMP Snooping機能を通じて得たグループメンバーシップ情報に基づいて、該当VLANのルーターポートから本製品自身のIPアドレスで、IGMPのReportメッセージやLeave Groupメッセージを送信します。ReportメッセージやLeave Groupメッセージをまとめることで、ルーターポートに無駄なIGMPメッセージを出さないようにします。
「Disabled」を選択した場合、受信したReportメッセージやLeave Groupメッセージをそのまま逐次ルーターポートに転送します。
デフォルトは「Enabled」です。

表 2:コマンドボタン
項目名
説明
Apply 設定の変更をコンフィグに保存し、動作に反映します。

 

VLAN Settings

VLANごとのIGMP Snoopingの設定を行います。

表 3:VLANごとの設定
項目名
説明
VLAN ID VLAN IDを表示します。
IGMP Snooping Status 対象のVLANにおいて、IGMP Snoopingを使用するか否かを、「Enabled」または「Disabled」で設定します。
「Enabled」を選択した場合、該当のVLAN IDにおいてIGMP Snoopingを有効にします。
「Disabled」を選択した場合、該当のVLAN IDにおいてIGMP Snoopingを無効にします。
デフォルトは「Disabled」です。
Fast Leave 対象のVLANにおいて、IGMP Snoopingの高速脱退(Fast Leave)機能を有効にするか否かを、「Enabled」または「Disabled」で設定します。
「Enabled」を選択した場合、IGMP Leaveメッセージを受信後、ただちに自身スイッチポートから該当のグループメンバーの登録を削除します。
「Enabled」を選択した場合、高速脱退機能を無効にします。
デフォルトは「Disabled」です。

本機能は、スイッチポートは以下に1台しかホストが接続されていないことを前提にした機能です。ポート配下に複数のホストが接続されているインターフェースでは、本機能を無効にしてください。

表 4:コマンドボタン
項目名
説明
Edit
該当のVLAN IDの設定内容を変更します。
Apply
設定の変更をコンフィグに保存し、動作に反映します。
Cancel
設定の変更を破棄します。

 

Querier Settings

VLANごとのQuerier設定を行います。
IGMP Snoopingでは、ネットワーク上のすべての機器に対して定期的にIGMP Queryメッセージを送信し、メンバーシップを更新する、中心となる機器(IGMP Querier)が必要となります。通常は、この役割をマルチキャストルーターが行いますが、VLAN内にマルチキャストルーターが存在しない場合は、本製品がIGMP QuerierとしてIGMP Queryの送信を行うことができます。

表 5:IGMP Querier設定
項目名
説明
VLAN ID VLAN IDを表示します。
Querier State 対象のVLANにおいて、IGMP Querier機能を有効にするか否かを、「Enabled」または「Disabled」で設定します。
「Enabled」を選択した場合、本製品は対象のVLANにおいて、機器に対して定期的にIGMP Queryメッセージを送信し、マルチキャストトラフィックを受信する必要があるかどうかを確認します。
「Disabled」を選択した場合、該当のVLANにおいて、IGMP Querier機能を無効にします。
デフォルトは「Disabled」です。
本機能は、IGMPv1またはIGMPv2 Snoopingでのみ有効です。
Querier Version 送信するIGMPパケットのバージョンを「v2」または「v3」から選択します。
受信機器においては、受信したIGMPパケットのバージョンが、自身が使用するバージョンより上位である場合、受信したIGMPパケットを破棄します。
デフォルトは「v2」です。
Querier Status 対象のVLANにおいて、IGMP Querierとして動作しているか否かを、「Querier」(IGMP Querierとして動作中)または「Non-Querier」(IGMP Querierとして動作していない)で表示します。
同じVLAN上で複数のIGMP Querier候補が存在する場合は、IPアドレスが最も小さい候補がIGMP Querierとして動作します。
Querier IP 対象のVLANにおいて動作中のIGMP QuerierのIPアドレスを表示します。
Robustness サブネットで発生が予想されるパケットロスに対する耐性を、1〜7の数値で設定します。
IGMPメッセージの送信に(Robustness-1)回までのパケットロスを許容し、Robustnessは、IGMPメッセージの送受信の間隔の計算に使用されます。
デフォルトは「2」です。
Interval 一般的なIGMP Queryメッセージの送信間隔を30〜18000の数値(単位:秒)で設定します。デフォルトは「125」です。
Oper Interval 現在のIGMP QuerierのIGMPメッセージの送信間隔(単位:秒)を表示します。
Max Response Interval IGMP Queryメッセージに対するReportメッセージの最大応答待機時間を、5〜20の数値(単位:秒)で設定します。デフォルトは「10」です。
Oper Max Response Interval 現在のIGMP Querierの、IGMP Queryメッセージに対するReportメッセージの最大応答待機時間(単位:秒)を表示します。
Last Member Query Counter Group-Specific Membership Queryメッセージの送信回数を、1〜7の数値で設定します。
IGMP Querierは、グループメンバーからLeaveメッセージを受け取ると、そのグループに他のメンバーが残っているか確認するため、Membership Queryメッセージを送信します。本項目で設定された送信回数のMembership Queryメッセージのいずれにも応答がなかった場合、該当のグループにはメンバーが存在しないものと判断し、マルチキャストパケットの転送を停止します。
デフォルトは「2」です。
Oper Last Member Query Counter 現在のIGMP QuerierのGroup-Specific Membership Queryメッセージの送信回数を表示します。
Last Member Query Interval Group-Specific Membership Queryメッセージに対する応答待機時間を、1〜25の数値(単位:秒)で設定します。
デフォルトは「1」です。
Oper Last Member Query Interval 現在のIGMP QuerierのGroup-Specific Membership Queryメッセージに対する応答待機時間(単位:秒)を表示します。

表 6:コマンドボタン
項目名
説明
Edit
該当のVLAN IDの設定内容を変更します。
Apply
設定の変更をコンフィグに保存し、動作に反映します。
Cancel
設定の変更を破棄します。

 

Group List

IGMP Snoopingが管理しているマルチキャストグループの情報を表示します。

表 7:IGMPマルチキャストグループ情報
項目名
説明
VLAN ID VLAN IDを表示します。
Group IP Address マルチキャストグループのIPアドレスを表示します。
Member Ports 該当のマルチキャストグループに所属するスイッチポート番号を表示します。

 

Router Settings

ルーターポート(IGMP Snoopingにおいてマルチキャストルーターが接続されているポート)を設定します。

表 8:ルーターポート
項目名
説明
VLAN ID VLAN IDを表示します。
Router Ports Auto Learned 該当のVLANにおいて、ルーターポートの自動学習を行うか否かを、「Enabled」または「Disabled」で設定します。
「Enabled」を選択した場合、本製品は対象のVLANにおいて、マルチキャストルーターが接続されたポートを自動学習します。
「Disabled」を選択した場合、該当のVLANにおいて、ルーターポートの自動学習を行いません。
デフォルトは「Enabled」です。
Dynamic Port List 自動学習により検出されたルーターポートのポート番号を表示します。
Static Port List/
Forbidden Port List
ポップアップ画面にて、ルーターポート(static)、または、ルーターポートして動作させないポート(forbid)を固定設定します。

・「static」を設定すると、ルーターポートに固定設定され、他のポートで受信したIGMP Reportメッセージを該当のポートに転送します。
・「forbid」を設定すると、ルーターポートとして動作しません。該当のポートでIGMP Queryメッセージを受信した場合は、メッセージを破棄します。
・「none」を選択すると、固定設定を行いません。

ポート番号は、以下のスイッチポートまたはトランクグループを指します。

AT-MWS2012GP
・1〜8: 10/100/1000BASE-T PoEポート
・9、10: 10/100/1000BASE-Tポート
・11、12: SFPスロット
・t1〜8: トランクグループ

AT-MWS5028GP
・1〜24: 10/100/1000BASE-T PoEポート
・25〜28: SFPスロット
・t1〜8: トランクグループ

トランクグループの詳細については、「L2 Features」/「Link Aggregation」をご覧ください。

表 9:コマンドボタン
項目名
説明
Edit
該当のVLAN IDの設定内容を変更します。
Apply
設定の変更をコンフィグに保存し、動作に反映します。
Cancel
設定の変更を破棄します。

ルーターポートの設定は、次のように行います。
  1. 編集するVLAN IDの行右端の「Edit」ボタンをクリックします。

  2. 該当のVLANにおいて、ルーターポートの自動学習を有効にするか否かを設定します。

  3. 必要に応じて、ルーターポートの手動設定を行います。
    「Static Port List」または「Forbidden Port List」テキストフィールドをクリックすると、ポート番号の一覧がポップアップ画面に表示されます。

    ポートごとに、以下の3つのラジオボタンから、ルーターポートとしての動作を選択します。


  4. 「Apply」ボタンをクリックして、設定の変更を適用します。
    変更を破棄する場合は、「Cancel」ボタンをクリックします。




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