無線クライアントが異なるIPサブネットワークのアクセスポイントにローミングしたとき、アクセスポイントの間にIPベースのトンネルを張り、初期のIPアドレスを継続して使用できるようにします。ローミングによりL2レベルの切断が起こりますが、トンネルによりL3レベルの接続を維持するため無線クライアント(アプリケーション)の切断が起こりません。この転送方法は、通常隣接したアクセスポイントの間で使用します(分散型トンネリング)。トンネルは必要に応じて随時張ります。
最初に無線クライアントがアクセスポイントにアソシエートしたとき、無線クライアントからのフレームはVLANフォワーディングで転送されます。
最初に無線クライアントがアソシエートしたアクセスポイントを「ホームAP」と呼びます。無線クライアントが異なったIPサブネットアドレスを持つ他のアクセスポイントにローミングしたとき、その新しいアクセスポイントを「アソシエーションAP」と呼びます。
アソシエーションAPは、無線クライアントからのすべてのトラフィックをホームAPにトンネルします。ホームAPは、トンネルからのトラフィックを有線ネットワークに送信します。無線クライアントが同じサブネットの他のアクセスポイントにローミングした場合は、そのアクセスポイントはその無線クライアントの新たなホームAPとなりトンネルは生成されません。ホームAPが新たなトンネルの生成ができなければ、アソシエーションAPにローミングした無線クライアントは切断され新たなIPアドレスを得ます。