アライドテレシスマネージメントフレームワーク(AMF) / 導入


導入にあたり
新規ネットワークへの導入手順
マスターの初期設定
メンバーの初期設定
マスターとメンバーの接続
既存ネットワークへの導入手順
注意事項
マスターへの追加設定
メンバーへの追加設定


ここでは、AMF導入編と題し、AMF対応スイッチに初期設定を行い、マスターのCLIから各ノードを操作できるようにするまでの手順を説明します。

導入にあたり

ここでは、AMFの導入にあたってご留意いただきたい事柄をまとめます。
ファームウェアバージョン5.4.5系列(5.4.5-0.1以降)におけるAMFの導入と運用は、以下の各項目を念頭に置きながら進めてください。


新規ネットワークへの導入手順

新規ネットワークの構築時にAMFを導入する場合の手順を説明します。

ここでは、例として下記構成のネットワークを作成します。

機種
ノード名
AMFにおける役割
所属グループ
概要
SwitchBlade x8100 SBx81 マスター - コアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW241 メンバー floor, 1F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW242 メンバー floor, 2F フロアスイッチ
AT-x510-52GTX ESW231 メンバー edge, 2F エッジスイッチ



ここでは、4台のスイッチはいずれもご購入時の状態であると仮定します。
もしそうでない場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、各スイッチをAMFクリーン状態に戻してから下記の手順を実施してください。

マスターの初期設定

最初に、マスターとして動作させるスイッチを起動して、初期設定を行います。他のスイッチとはまだ接続しないでください。
AMFマスターライセンスはすでに有効化されているものとします。

マスターの初期設定項目は次のとおりです。
以下、具体的な手順を示します。
  1. ログインします。

    awplus login: manager 
    Password: friend ↓ (実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.5 xx/xx/xx xx:xx:xx
    


  2. ノード名(ホスト名)を設定します。これにはhostnameコマンドを使います。
    このとき、ノード間で名前が重複しないようご注意ください(重複時はどちらかのノード名が強制的に変更されます)。また、ノード名は大文字小文字を区別しないため、その点にもご注意ください。

    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# hostname SBx81
    


  3. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    SBx81(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  4. AMFマスターに設定します。これには、atmf masterコマンドを使います。

    SBx81(config)# atmf master
    


  5. ポート1.1.1〜1.1.2をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    SBx81(config)# interface port1.1.1-1.1.2
    SBx81(config-if)# switchport atmf-link
    


  6. AMFの設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    SBx81(config-if)# end
    SBx81# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    Synchronizing file across the chassis, please wait...
    File synchronization with card-6 successfully completed
    [DONE]
    SBx81# reboot
    Are you sure you want to reboot the whole chassis? (y/n): y 
    


  7. 再起動が完了したら、マスターの用意は完了です。

メンバーの初期設定

次に、メンバーとなるスイッチを起動して、初期設定を行います。他のスイッチとはまだ接続しないでください。
メンバーはライセンス不要です。

メンバーの初期設定項目は次のとおりです。
Note - AMFグループの設定は必須ではありませんが、あらかじめ設置場所や役割に応じたグループを作成しておくと後々便利なため、ここでは初期設定時にグループを作成しています。なお、グループの設定はいつでも可能なため、AMFネットワークが自動構成された後に実施してもかまいません。

以下、フロアスイッチFSW241に対する初期設定の具体的な手順を示します。
  1. ログインします。

    awplus login: manager 
    Password: friend ↓ (実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.5 xx/xx/xx xx:xx:xx
    


  2. ノード名(ホスト名)を設定します。これにはhostnameコマンドを使います。
    このとき、ノード間で名前が重複しないようご注意ください(重複時はどちらかのノード名が強制的に変更されます)。また、ノード名は大文字小文字を区別しないため、その点にもご注意ください。

    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# hostname FSW241
    


  3. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    FSW241(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  4. ワーキングセット(操作対象ノード)の指定をしやすくするため、ユーザー定義グループを事前設定しておきます。これには、atmf groupコマンドを使います。
    グループ名は大文字小文字を区別します。
    ここでの設定により、フロアスイッチFSW241は、自動グループ「x510」のほか、ユーザー定義グループ「floor」と「1F」の所属になります。

    FSW241(config)# atmf group floor,1F
    


  5. ポート1.0.1をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    FSW241(config)# interface port1.0.1
    FSW241(config-if)# switchport atmf-link
    


  6. AMFの設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    FSW241(config-if)# end
    FSW241# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    FSW241# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    


  7. 再起動が完了したら、メンバーの用意は完了です。

他のメンバーも同様に設定し、設定をスタートアップコンフィグに保存してから再起動します。


マスターとメンバーの接続

初期設定と再起動が済んだら、マスターとメンバーを接続していきます。
  1. マスターのポート1.1.1とフロアスイッチFSW241のポート1.0.1を接続します。


    すると、マスターのコンソールに、FSW241がJoin(AMFネットワークに参加)したことを示すメッセージが出力されます。

    06:08:52 SBx81 ATMF[1953]: FSW241 has joined. 2 members in total.
    


  2. マスターのCLIからshow atmf nodesコマンドを実行し、AMFノード情報を確認してみましょう。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
    
     Current ATMF node count 2
    


  3. 続いて、マスターのポート1.1.2とフロアスイッチFSW242のport1.0.1を接続します。


    先ほどと同様、マスターのコンソールに、FSW242が参加したことを示すメッセージが出力されます。

    06:10:30 SBx81 ATMF[1953]: FSW242 has joined. 3 members in total.
    


  4. マスターのCLIからAMFノード情報を確認してみましょう。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
    
     Current ATMF node count 3
    


  5. 今度はフロアスイッチFSW242のポート1.0.2とエッジスイッチESW231のポート1.0.1を接続してみます。


    これまでと同様、マスターのコンソールにESW231が参加したことを示すメッセージが出力されます。

    06:14:14 SBx81 ATMF[1953]: ESW231 has joined. 4 members in total.
    


  6. もう一度マスターのCLIからAMFノード情報を確認してみます。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 4
    

    すべてのノードがAMFネットワークに参加していることを確認できます。
    これ以降、マスターのCLIから、Node Name欄に表示されているノード名を使って各スイッチの操作が可能です。

■ AMFの状態を確認する方法については、運用編のAMFの状態確認をご覧ください。

■ マスターのCLIから各ノードの設定や状態確認を行う方法については、運用編のワーキングセットをご覧ください。

既存ネットワークへの導入手順

すでに運用中のネットワークにAMFを導入する場合、基本的は各スイッチにAMFの初期設定を追加してAMFを有効にするだけですが、AMFの設定を有効化するため、全ノードの再起動が必要です。

注意事項


マスターへの追加設定

ここでは、AMFマスターライセンスは有効化されているものとします。
また、すでに適切なホスト名が設定されており、これをAMFノード名として使うものとします。

Note - 複数のノードに同じノード名が設定されている場合は、hostnameコマンドでいずれかのノードの名前を変更し、重複状態を解消してください。このとき、ノード名が大文字小文字を区別しない点にも注意してください。

  1. ログインします。

    SBx81 login: manager 
    Password: xxxxxxxx ↓ (実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.5 xx/xx/xx xx:xx:xx
    


  2. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    SBx81(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  3. AMFマスターに設定します。これには、atmf masterコマンドを使います。

    SBx81(config)# atmf master
    


  4. メンバーを接続するポートをAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    SBx81(config)# interface port1.1.1-1.1.2
    SBx81(config-if)# switchport atmf-link
    

    Note - これらのポートをタグなしポートとして運用していた場合は、switchport atmf-linkコマンド実行後に、switchport trunk native vlanコマンドでタグなしVLANを再設定する必要があります。詳しくは「注意事項」をご覧ください。

  5. AMFの設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    SBx81(config-if)# end
    SBx81# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    Synchronizing file across the chassis, please wait...
    File synchronization with card-6 successfully completed
    [DONE]
    SBx81# reboot
    Are you sure you want to reboot the whole chassis? (y/n): y 
    


  6. 再起動が完了したら、マスターの用意は完了です。

メンバーへの追加設定

ここでは、すでに各メンバーに重複のない適切なホスト名が設定されており、これをAMFノード名として使うものとします。

Note - 複数のノードに同じノード名が設定されている場合は、hostnameコマンドでいずれかのノードの名前を変更し、重複状態を解消してください。このとき、ノード名が大文字小文字を区別しない点にも注意してください。

  1. ログインします。

    FSW242 login: manager 
    Password: xxxxxxxx ↓ (実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.5 xx/xx/xx xx:xx:xx
    


  2. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    FSW242(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  3. ワーキングセット(操作対象ノード)の指定をしやすくするため、ユーザー定義グループを事前設定しておきます。これには、atmf groupコマンドを使います。
    グループ名は大文字小文字を区別します。
    ここでの設定により、フロアスイッチFSW241は、自動グループ「x510」のほか、ユーザー定義グループ「floor」と「1F」の所属になります。

    FSW242(config)# atmf group floor,2F
    


  4. 他のAMFノードと接続するポートをAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    FSW242(config)# interface port1.0.1-1.0.2
    FSW242(config-if)# switchport atmf-link
    

    Note - これらのポートをタグなしポートとして運用していた場合は、switchport atmf-linkコマンド実行後に、switchport trunk native vlanコマンドでタグなしVLANを再設定する必要があります。詳しくは「注意事項」をご覧ください。

  5. AMFの設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    FSW242(config-if)# end
    FSW242# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    FSW242# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    


  6. 再起動が完了したら、メンバーの用意は完了です。

他のメンバーも同様に設定し、設定をスタートアップコンフィグに保存してから再起動します。

マスターとメンバーの再起動が完了すると、AMFネットワークが自動的に構成され、マスターのCLIからすべてのノードを操作できるようになります。

■ AMFの状態を確認する方法については、運用編のAMFの状態確認をご覧ください。

■ マスターのCLIから各ノードの設定や状態確認を行う方法については、運用編のワーキングセットをご覧ください。

ナビゲーション

■ AMF導入後の日常作業の基本手順については、第3部 運用編をご覧ください。


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