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CentreCOM AR410 V2 設定例集 2.6 #109
IPルートフィルター
IPルートフィルターを使って、ルーティングプロトコルによって通知される経路情報のうち、特定の経路を受信・伝播しないように設定します。
IPルートフィルターは、おもにダイナミックルーティングプロトコル(RIP/OSPF)による経路情報のやりとりを制御する機能です。特定の経路情報を受け取らないようにしたり、通知しないようにしたりすることができます。
ここでは、OSPFが使われているネットワークとRIP2が使われているネットワークの境界に位置するAS境界ルーター(ASBR)を想定し、LAN上のルーターからOSPFで通知されてくる経路情報のうち、192.168.100.0/24の情報を受け取らず、結果として専用線で接続された対向RIPルーターにも通知されないようにします。
IPルートフィルターは、対象ルーティングプロトコルがOSPFであるか、RIPであるかによって、DIRECTIONパラメーターの指定方法に違いがあります。その違いを示す例にもなっています。
ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。
表 1
| |
ルーターA |
ルーターB |
| TDMグループ名 |
TOOS |
TOOS |
| 回線速度 |
128Kbps |
128Kbps |
| WAN側物理インターフェース |
bri0 |
bri0 |
| WAN側(ppp0)IPアドレス |
172.16.10.1/24 |
172.16.10.2/24 |
| LAN側(vlan1)IPアドレス |
192.168.10.1/24 |
192.168.20.1/24 |
| 役割 |
OSPF ASBR(OSPFとRIP2) |
RIP2ルーター |

- 専用線の設定を行います。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
- PPPインターフェースを作成します。
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓
- IPモジュールを有効にします。
- LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースでRIP2を有効にします。
ADD IP RIP INT=ppp0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
- バックボーンエリア(0.0.0.0)を定義します。
- バックボーンエリアに所属するネットワークの範囲を指定します。
ADD OSPF RANGE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 AREA=BACKBONE ↓
- OSPFメッセージを送受信するインターフェースをエリアに割り当てます。
ADD OSPF INT=vlan1 AREA=BACKBONE ↓
- ASBR(エリア境界ルーター)として動作するよう設定します。
SET OSPF ASEXTERNAL=ON RIP=BOTH ↓
- OSPFモジュールを有効にします。
- IPルートフィルターの設定を行います。ここでは、LAN側(vlan1)で受信したOSPFの経路情報のうち、192.168.100.0/24に関する情報だけを受け取らないように設定します。その他の経路情報は、送信・受信とも通常どおり行います。
- OSPFで通知される192.168.100.0/24の経路情報は受信しません。
ADD IP ROUTE FILTER IP=192.168.100.* MASK=255.255.255.* AC=EXCLUDE DIR=RECEIVE INT=vlan1 PROTO=OSPF ↓
- OSPFで通知される他の経路情報は送信・受信とも行います。PROTOCOLにOSPFを指定した場合、DIRECTIONパラメーターには明示的にSEND(送信)、RECEIVE(受信)を指定してください。
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE DIR=SEND INT=vlan1 PROTO=OSPF ↓
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE DIR=RECEIVE INT=vlan1 PROTO=OSPF ↓
- WAN側(ppp0)で送受信するRIPメッセージはすべて受け入れます。PROTOCOLにRIPを指定した場合は、DIRECTIONパラメーターを省略するとSEND、RECEIVE両方を行います。
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE INT=ppp0 PROTO=RIP ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
- 専用線の設定を行います。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
- PPPインターフェースを作成します。
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓
- IPモジュールを有効にします。
- LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.10.2 MASK=255.255.255.0 ↓
- LAN側(vlan1)インターフェースでRIP2を有効にします。
ADD IP RIP INT=vlan1 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースでRIP2を有効にします。
ADD IP RIP INT=ppp0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP RIP INT=ppp0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
ADD OSPF AREA=BACKBONE ↓
ADD OSPF RANGE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 AREA=BACKBONE ↓
ADD OSPF INT=vlan1 AREA=BACKBONE ↓
SET OSPF ASEXTERNAL=ON RIP=BOTH ↓
ENABLE OSPF ↓
ADD IP ROUTE FILTER IP=192.168.100.* MASK=255.255.255.* AC=EXCLUDE DIR=RECEIVE INT=vlan1 PROTO=OSPF ↓
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE DIR=SEND INT=vlan1 PROTO=OSPF ↓
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE DIR=RECEIVE INT=vlan1 PROTO=OSPF ↓
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE INT=ppp0 PROTO=RIP ↓
|
ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.10.2 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP RIP INT=vlan1 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
ADD IP RIP INT=ppp0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2 ↓
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CentreCOM AR410 V2 設定例集 2.6 #109
(C) 2002 - 2008 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: J613-M3048-02 Rev.M
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