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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #153

CUGサービスを利用した拠点間のPIM-DMによるIPマルチキャストルーティング(L2TP)


CUG(Closed Users Group)サービス(フレッツ・VPNワイド、フレッツ・グループアクセス(NTT東日本)、フレッツ・グループ(NTT西日本)など)を利用し、拠点間で、PIM-DMを使用したマルチキャストルーティングを行います。

PIM-DM(Protocol Independent Multicast - Dense Mode)は、Reverse Path Multicasting(RPM)を利用したマルチキャスト用経路制御プロトコルです。

CUG(Closed Users Group)サービスを利用し、拠点間で、PIM-DMを使用したマルチキャストルーティングを行います。
PIM-DMはマルチキャストサーバーが少なく、マルチキャストサーバーおよびマルチキャストリスナーが密集し移動が少ない(=マルチキャスト配送ツリーの変動が少ない)構成に適しています。各拠点にマルチキャストサーバーが存在し、マルチキャストリスナーが分散していたり移動が多い(=マルチキャスト配送ツリーの変動が多い)場合PIM-SMを使用してください。

本構成では、L2TPを使用しCUGサービス上でPIM-DMによる拠点間のマルチキャストルーティングの設定を行っていきます。PIM−SMにて流用するユニキャストのルートテーブルはRIPv1 (Routing Information Protocol version 1)を使用したダイナミックルーティングで作成します。
※ルーターAからマルチキャストラフィックが発生した場合、明示的に配送停止の要求を受けるまではルーターB、ルーターCへのマルチキャストトラフィックが転送されます。

CUGサービスのプライベートグループ(以下、グループ)管理者からは、次の情報を提供されているものとします。

表 1:グループ管理者から提供された情報
 
ルーターA
ルーターB
ルーターC
PPPユーザー名 user@cugA user@cugB user@cugC
PPPパスワード cugpasswdA cugpasswdB cugpasswdC
IPアドレス(端末型) 172.16.0.1/32 172.16.0.2/32 172.16.0.3/32


表 2:L2TPの設定
 
ルーターA
ルーターB
ルーターC
L2TPコール名 remote1(AB間)、remote2(AC間) remote1(AB間) remote2(AC間)
L2TP終端アドレス 172.16.0.1/32 172.16.0.2/32 172.16.0.3/32
L2TPサーバーモード LAC/LNS兼用(BOTH) LAC/LNS兼用(BOTH) LAC/LNS兼用(BOTH)
L2TPサーバーパスワード l2tpA l2tpB l2tpC


表 3:マルチキャストネットワークの構成
 
ルーターA
ルーターB
ルーターC
PIMで使用するPPP(ppp1x)上のアドレス 172.16.1.1(ppp11)、172.16.2.1(ppp12) 172.16.1.2(ppp11) 172.16.2.2(PPP12)



ルーターAの設定

  1. マルチキャストパケットをL2TPでカプセリングして送受信するために使用する L2TP を有効にします。


  2. L2TPサーバーをLNS/LACの兼用モードで起動します。


  3. 相手側からL2TPのコネクション確立要求が来たときに相手を認証するためのパスワードを設定します。


  4. L2TPコールを定義します。これはISDNにおけるISDNコールに相当するもので、接続先のL2TPサーバーとの間に仮想回線を張るための情報を定義します。CALLには任意の名前を、REMOTEには相手側で定義されているL2TPコールの名前を指定します。 LAN間接続の場合、TYPEにはVIRTUALを指定します。IPは接続先のL2TPルーター、PRECEDENCEは優先する呼の方向です。また、相手側にL2TPパスワードが設定されている場合は、PASSWORDパラメーターで接続パスワードを指定します。ルーターB向けコールとルーターC向けコールの設定を行います。


  5. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にCUGサービス接続用のPPPインターフェースを作成します。
    「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  6. グループ管理者から通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


  7. 各ルーター間でIGMPおよびPIMを有効にするインターフェースとしてL2TPコール上にPPPインターフェースを作成します。CREATE PPPコマンドでL2TPコールを物理インターフェースとして指定するときは、L2TPコール名の前に「TNL-」を付けます。ルーターB向け、およびルーターC向けのPPPインターフェースを作成します。


  8. IPモジュールを有効にします。


  9. IPCPネゴシエーションでISPから取得したIPアドレスをPPPインターフェースで使用できるように設定します。


  10. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  11. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。これは、ISPとの接続が確立するまでIPアドレスが確定しないことを示します。また、PIMが使用するソースアドレスとしてL2TP上のPPPインターフェース(ppp11/ppp12)にIPアドレスを割り当てます。


  12. L2TPトンネルを設定するためのルートを設定します。


  13. PIMはユニキャストのルートテーブルを流用するのでRIPを有効にしダイナミックにルートテーブルを作成します。


  14. グループメンバー管理のためIGMPを有効にします。


  15. 各インターフェースでIGMPを有効にします。


  16. PIMを有効にします。


  17. 各インターフェースでPIM-DMを有効にします。


  18. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。




ルーターBの設定


(ルーターCの設定もIPアドレスやパスワード以外は同様です。)

  1. マルチキャストパケットをL2TPでカプセリングして送受信するために使用する L2TP を有効にします。


  2. L2TPサーバーをLNS/LACの兼用モードで起動します。


  3. 相手側からL2TPのコネクション確立要求が来たときに相手を認証するためのパスワードを設定します。


  4. L2TPコールを定義します。これはISDNにおけるISDNコールに相当するもので、接続先のL2TPサーバーとの間に仮想回線を張るための情報を定義します。CALLには任意の名前を、REMOTEには相手側で定義されているL2TPコールの名前を指定します。 LAN間接続の場合、TYPEにはVIRTUALを指定します。IPは接続先のL2TPルーター、PRECEDENCEは優先する呼の方向です。また、相手側にL2TPパスワードが設定されている場合は、PASSWORDパラメーターで接続パスワードを指定します。ルーターA向けコールの設定を行います。


  5. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にCUGサービス接続用のPPPインターフェースを作成します。
    「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  6. グループ管理者から通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


  7. 各ルーター間でIGMPおよびPIMを有効にするインターフェースとしてL2TPコール上にPPPインターフェースを作成します。CREATE PPPコマンドでL2TPコールを物理インターフェースとして指定するときは、L2TPコール名の前に「TNL-」を付けます。ルーターA向けのPPPインターフェースを作成します。


  8. IPモジュールを有効にします。


  9. IPCPネゴシエーションでISPから取得したIPアドレスをPPPインターフェースで使用できるように設定します。


  10. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  11. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。これは、ISPとの接続が確立するまでIPアドレスが確定しないことを示します。PIMが使用するソースアドレスとしてL2TP上のPPPインターフェース(ppp11)にIPアドレスを割り当てます。


  12. L2TPトンネルを設定するためのルートを設定します。


  13. PIMはユニキャストのルートテーブルを流用するのでRIPを有効にしダイナミックにルートテーブルを作成します。


  14. グループメンバー管理のためIGMPを有効にします。


  15. 各インターフェースでIGMPを有効にします。


  16. PIMを有効にします。


  17. 各インターフェースでPIM-DMを有効にします。


  18. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターCの設定


  1. マルチキャストパケットをL2TPでカプセリングして送受信するために使用する L2TP を有効にします。


  2. L2TPサーバーをLNS/LACの兼用モードで起動します。


  3. 相手側からL2TPのコネクション確立要求が来たときに相手を認証するためのパスワードを設定します。


  4. L2TPコールを定義します。これはISDNにおけるISDNコールに相当するもので、接続先のL2TPサーバーとの間に仮想回線を張るための情報を定義します。CALLには任意の名前を、REMOTEには相手側で定義されているL2TPコールの名前を指定します。 LAN間接続の場合、TYPEにはVIRTUALを指定します。IPは接続先のL2TPルーター、PRECEDENCEは優先する呼の方向です。また、相手側にL2TPパスワードが設定されている場合は、PASSWORDパラメーターで接続パスワードを指定します。ルーターA向けコールの設定を行います。


  5. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にCUGサービス接続用のPPPインターフェースを作成します。
    「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  6. グループ管理者から通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


  7. 各ルーター間でIGMPおよびPIMを有効にするインターフェースとしてL2TPコール上にPPPインターフェースを作成します。CREATE PPPコマンドでL2TPコールを物理インターフェースとして指定するときは、L2TPコール名の前に「TNL-」を付けます。ルーターA向けのPPPインターフェースを作成します。


  8. IPモジュールを有効にします。


  9. IPCPネゴシエーションでISPから取得したIPアドレスをPPPインターフェースで使用できるように設定します。


  10. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  11. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。これは、ISPとの接続が確立するまでIPアドレスが確定しないことを示します。PIMが使用するソースアドレスとしてL2TP上のPPPインターフェース(ppp12)にIPアドレスを割り当てます。


  12. L2TPトンネルを設定するためのルートを設定します。


  13. PIMはユニキャストのルートテーブルを流用するのでRIPを有効にしダイナミックにルートテーブルを作成します。


  14. グループメンバー管理のためIGMPを有効にします。


  15. 各インターフェースでIGMPを有効にします。


  16. PIMを有効にします。


  17. 各インターフェースでPIM-DMを有効にします。


  18. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE L2TP
ENABLE L2TP SERVER=BOTH
ADD L2TP PASSWORD=l2tpA
ADD L2TP CALL=remote1 REMOTE=remote1 TYPE=VIRTUAL IP=172.16.0.2 PRECEDENCE=IN PASSWORD=l2tpB
ADD L2TP CALL=remote2 REMOTE=remote2 TYPE=VIRTUAL IP=172.16.0.3 PRECEDENCE=IN PASSWORD=l2tpC
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userA@cug PASSWORD=cugpasswdA LQR=OFF ECHO=ON
CREATE PPP=11 OVER=TNL-remote1 IDLE=ON BAP=OFF LQR=OFF
CREATE PPP=12 OVER=TNL-remote2 IDLE=ON BAP=OFF LQR=OFF
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP INT=ppp11 IP=172.16.1.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp12 IP=172.16.2.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=172.16.0.2 MASK=255.255.255.255 INTERFACE=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=172.16.0.3 MASK=255.255.255.255 INTERFACE=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP RIP INT=ppp11
ADD IP RIP INT=ppp12
ENABLE IP IGMP
ENABLE IP IGMP INT=ppp11
ENABLE IP IGMP INT=ppp12
ENABLE IP IGMP INT=vlan1
ENABLE PIM
ADD PIM INT=ppp11 MODE=DENSE
ADD PIM INT=ppp12 MODE=DENSE
ADD PIM INT=vlan1 MODE=DENSE


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE L2TP
ENABLE L2TP SERVER=BOTH
ADD L2TP PASSWORD=l2tpB
ADD L2TP CALL=remote1 REMOTE=remote1 TYPE=VIRTUAL IP=172.16.0.1 PRECEDENCE=OUT PASSWORD=l2tpA
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userB@cug PASSWORD=cugpasswdB LQR=OFF ECHO=ON
CREATE PPP=11 OVER=TNL-remote1 IDLE=ON BAP=OFF LQR=OFF
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP INT=ppp11 IP=172.16.1.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=172.16.0.1 MASK=255.255.255.255 INTERFACE=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP RIP INT=ppp11
ENABLE IP IGMP
ENABLE IP IGMP INT=ppp11
ENABLE IP IGMP INT=vlan1
ENABLE PIM
ADD PIM INT=ppp11 MODE=DENSE
ADD PIM INT=vlan1 MODE=DENSE


ルーターCのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE L2TP
ENABLE L2TP SERVER=BOTH
ADD L2TP PASSWORD=l2tpC
ADD L2TP CALL=remote2 REMOTE=remote2 TYPE=VIRTUAL IP=172.16.0.1 PRECEDENCE=OUT PASSWORD=l2tpA
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userC@cug PASSWORD=cugpasswdC LQR=OFF ECHO=ON
CREATE PPP=12 OVER=TNL-remote2 IDLE=ON BAP=OFF LQR=OFF
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.30.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP INT=ppp12 IP=172.16.1.3 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=172.16.0.1 MASK=255.255.255.255 INTERFACE=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP RIP INT=ppp12
ENABLE IP IGMP
ENABLE IP IGMP INT=ppp12
ENABLE IP IGMP INT=vlan1
ENABLE PIM
ADD PIM INT=ppp12 MODE=DENSE
ADD PIM INT=vlan1 MODE=DENSE





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