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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #181

マルチグループVRRP設定(VLAN使用)


VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は、複数のルーターを連携させ1台のルーターであるかのように見せかけることで、IPネットワークの冗長構成を可能にする機能です。ここでは、VLANごとにVRRPを動作させるマルチグループVRRPの使用例を示します。

次のようなネットワーク構成を例に解説します。

本構成のマルチグループVRRPは複数のVLANでそれぞれ独立してVRRPを動作させることができます。
この構成ではルーターAとルーターBに192.168.10.100(VRID=10)と192.168.20.100(VRID=20)をバーチャルIPに設定しています。
ルーターAではVRID=10の優先度を、ルーターBではVRID=20の優先度をデフォルトよりも高く設定しています。
各ルーターのVRIDのステートは以下のようになります。

表 1:VRIDステート
VRID ルーターA ルーターB
10 MASTER BACKUP
20 BACKUP MASTER

サーバー、クライアントには、バーチャルIPアドレスをデフォルトゲートウェイとして設定します。
この例ではクライアントAには192.168.10.100を、クライアントBには192.168.20.100を設定することで、クライアントAからのトラフィックはルーターA経由、クライアントBからのトラフィックはルーターB経由で通信し負荷分散することができます。
なお、サーバーCからのトラフィックはルーターA経由となります。

ルーターAのvlan10の経路に障害が発生すると、同ルーターが定期的に送信しているVRRP AdvertisementパケットをルーターBが受信できなくなります。
この場合、ルーターBはルーターAのvlan10がダウンしたものと見なして、ルーターBのVRID=10のステートをマスターに移行し、デフォルトゲートウェイアドレスを引き継ぎます。
このとき、クライアントAからのトラフィックはルーターB経由となります。
ルーターAのvlan10の経路が復旧すると、ルーターBのVRID=10のステートはバックアップに戻ります。
また、ルーターBが故障した場合は、クライアントBからのトラフィックはルーターA経由で通信できます。

ルーターAの設定

  1. 2つのVLAN(vlan10、vlan20)を作成しポートを割り当てます。ここではvlan10にスイッチポートの1〜2、vlan20にポート3〜4を所属させます。


  2. IPモジュールを有効にし、各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. VRRPを有効にします。


  4. vlan10にVRID=10、vlan20にVRID=20を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.10.100および192.168.20.100とします。ルーターAのVRID=10をデフォルトのマスターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。


  5. eth0にVRID=1を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.2.100とします。こちらをデフォルトのマスターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。


  6. eth0がダウンした場合にvlan10側(VRID=10)の優先度を 99 に下げ、ルーターBのVRID=10がマスターになるよう設定します。


  7. vlan10がダウンした場合に eth0側(VRID=1)の優先度を 99 に下げ、ルーターBがマスターになるよう設定します。


  8. vlan20がダウンした場合に eth0側(VRID=1)の優先度を 99 に下げ、ルーターBがマスターになるよう設定します。


  9. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

ルーターBの設定

  1. 2つのVLAN(vlan10、vlan20)を作成しポートを割り当てます。ここではvlan10にスイッチポートの1〜2、vlan20にポート3〜4を所属させます。


  2. IPモジュールを有効にし、各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. VRRPを有効にします。


  4. vlan10にVRID=10、vlan20にVRID=20を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.10.100および192.168.20.100とします。ルーターBのVRID=20をデフォルトのマスターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。


  5. eth0にVRID=1を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.2.100とします。優先度はデフォルト値の 100 とします。


  6. eth0がダウンした場合にvlan20側(VRID=20)の優先度を 99 に下げ、ルーターAのVRID=20がマスターになるよう設定します。


  7. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

メモ

■ LAN上の各ホストには、デフォルトゲートウェイとして、バーチャルルーターのIPアドレスを設定します。
クライアントAには192.168.10.100を、クライアントBには192.168.20.100を設定します。
通常時には、ルーターAのVRID=10およびルーターBのVRID=20がマスターとして機能し、LAN間のトラフィックを転送します。

■ ルーターAのeth0がダウンした場合は、ルーターBのVRID=10、ルーターAのvlan10,vlan20がダウンした場合はルーターBのVRID=1がマスターとなりバーチャルルーターとしての役割を引き継ぎます。
このとき、バーチャルルーターのIPアドレスとMACアドレスは変化しないため、LAN上のホストがルーターの切り替えを意識することはありません。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
CREATE VLAN=VLAN10 VID=10
CREATE VLAN=VLAN20 VID=20
ADD VLAN=VLAN10 PORT=1-2
ADD VLAN=VLAN20 PORT=3-4
ENABLE IP
ADD IP INT=ETH0 IP=192.168.2.1
ADD IP INT=VLAN10 IP=192.168.10.1
ADD IP INT=VLAN20 IP=192.168.20.1
ENABLE VRRP
CREATE VRRP=10 OVER=VLAN10 IPADDRESS=192.168.10.100 PRIORITY=101
CREATE VRRP=20 OVER=VLAN20 IPADDRESS=192.168.20.100
CREATE VRRP=1 OVER=ETH0 IPADDRESS=192.168.2.100 PRIORITY=101
ADD VRRP=10 MONITOREDINTERFACE=ETH0 NEWPRIORITY=99
ADD VRRP=1 MONITOREDINTERFACE=VLAN10 NEWPRIORITY=99
ADD VRRP=1 MONITOREDINTERFACE=VLAN20 NEWPRIORITY=99


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
CREATE VLAN=VLAN10 VID=10
CREATE VLAN=VLAN20 VID=20
ADD VLAN=VLAN10 PORT=1-2
ADD VLAN=VLAN20 PORT=3-4
ENABLE IP
ADD IP INT=ETH0 IP=192.168.2.10
ADD IP INT=VLAN10 IP=192.168.10.10
ADD IP INT=VLAN20 IP=192.168.20.10
ENABLE VRRP
CREATE VRRP=10 OVER=VLAN10 IPADDRESS=192.168.10.100
CREATE VRRP=20 OVER=VLAN20 IPADDRESS=192.168.20.100 PRIORITY=101
CREATE VRRP=1 OVER=ETH0 IPADDRESS=192.168.2.100
ADD VRRP=20 MONITOREDINTERFACE=ETH0 NEWPRIORITY=99





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