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CentreCOM AR450S 設定例集 2.9 #145

UPnPによるフレッツ・コミュニケーション接続+インターネット接続(NTT西日本)


PPPoEセッションを2本使用して、インターネット(ISP)への接続と、フレッツ・コミュニケーション(NTT西日本)への接続を同時におこない、さらにフレッツ・コミュニケーションでUPnP機能によるサービスを利用します。


インターネットサービスプロバイダー(ISP)からは、次の情報を提供されているものとします。

表 1:ISPから提供された情報
PPPユーザー名 user@isp
PPPパスワード ipspasswd
PPPoEサービス名 指定なし
IPアドレス グローバルアドレス1個(動的割り当て)
DNSサーバー 接続時に通知される


フレッツ・コミュニケーション(以下、フレッツ)契約時に、次の情報を提供されているものとします。

表 2:フレッツ契約時に提供された情報
PPPユーザー名 user@flets-c.jp
PPPパスワード fletspasswd


ルーターには次のような方針で設定をおこないます。



以下、ルーターの基本設定についてまとめます。

表 3:ルーターの基本設定
WAN側物理インターフェース eth0
WAN側(ppp0)IPアドレス(1) 接続時にISPから取得する
WAN側(ppp1)IPアドレス(2) 接続時にフレッツサービス網から取得する
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.10.1/24
DNSリレー機能 有効




ルーターの設定

  1. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にインターネット(ISP)接続用のPPPインターフェース「0」を作成します。「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  2. ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


    Note - ファームウェアバージョン2.7以降、「IDLE=OFF」(デフォルト)に設定されたPPPoEインターフェースでは、PPPoEセッションキープアライブ機能が働くため、リンクダウン時に自動的に再接続を試みます(リンクダウンを検出するため「ECHO=ON」の設定は必要)。そのため、以前のバージョンで使用していた自動再接続のためのインターフェーストリガーは必要なくなりました。ただし、トリガーの設定があっても問題はありません。以前の設定もそのまま使用できます。

    Note - バージョン2.7よりも前のファームウェアでPPPoEの自動再接続を行うにはインターフェーストリガーの設定が必要です。設定方法については、ご使用中のバージョンに対応したマニュアルをご覧ください。

  3. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にフレッツ接続用のPPPインターフェース「1」を作成します。「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、契約時に通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  4. 契約時に通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


    Note - ファームウェアバージョン2.7以降、「IDLE=OFF」(デフォルト)に設定されたPPPoEインターフェースでは、PPPoEセッションキープアライブ機能が働くため、リンクダウン時に自動的に再接続を試みます(リンクダウンを検出するため「ECHO=ON」の設定は必要)。そのため、以前のバージョンで使用していた自動再接続のためのインターフェーストリガーは必要なくなりました。ただし、トリガーの設定があっても問題はありません。以前の設定もそのまま使用できます。

    Note - バージョン2.7よりも前のファームウェアでPPPoEの自動再接続を行うにはインターフェーストリガーの設定が必要です。設定方法については、ご使用中のバージョンに対応したマニュアルをご覧ください。

  5. IPモジュールを有効にします。


  6. IPCPネゴシエーションで与えられたIPアドレスをPPPインターフェースで使用するように設定します。


  7. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  8. インターネット接続用のWAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。ISPとの接続が確立するまで、IPアドレスは確定しません。


  9. フレッツ接続用のWAN側(ppp1)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。接続が確立するまで、IPアドレスは確定しません。


  10. デフォルトルートをインターネット(ISP)側に向けます。


  11. フレッツへの経路をスタティックに登録します。


    Note - 上記アドレス設定は、2004年8月時点の情報に基づきます。

  12. DNSリレー機能を有効にします。


  13. クライアントからのDNSリクエストをppp0インターフェースへ転送します。


  14. クライアントからのDNSリクエストのドメイン名が「flets-c.jp」の場合、ppp1インターフェースへ転送します。


  15. UPnP機能を有効にします。


  16. ファイアウォール機能を有効にします。


  17. ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。


  18. ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。


    Note - デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。

  19. ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。


  20. ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。UPnP機能を有効にするインターフェースについては、そのインターフェースがLAN側かWAN側かも指定します。


  21. ファイアウォールポリシー「net」に対してUPnP機能を有効に設定します。


  22. LAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定します。インターネット宛てパケットの場合は、NATアドレスとしてppp0のIPアドレスを使用します。フレッツ宛てパケットの場合は、NATアドレスとしてppp1のIPアドレスを使用します。


    Note - ファイアウォールのダイナミックENATでは、パケットがINTからGBLINTに転送されたときに、パケットの始点アドレスをGBLINTのアドレスに書き換えます。

  23. LAN側PCのためにDHCPサーバー機能を有効にします。


    Note - UPnPを使用する場合は、DHCPサーバー機能を有効にする必要があります。

  24. DHCPポリシー「BASE」を作成します。IPアドレスの使用期限は3,600秒(1時間)とします。


  25. DHCPクライアントに提供する情報を設定します。ここでは、DNSサーバーとしてルーターのLAN側インターフェースのIPアドレスを指定しています。


  26. DHCPクライアントに提供するIPアドレスの範囲を設定します。


  27. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


まとめ

ルーターのコンフィグ [テキスト版]
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@isp PASSWORD=isppasswd LQR=OFF ECHO=ON
CREATE PPP=1 OVER=eth0-ANY
SET PPP=1 OVER=eth0-ANY BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@flets-c.jp PASSWORD=fletspasswd LQR=OFF ECHO=ON
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP INT=ppp1 IP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=219.111.224.0 MASK=255.255.240.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=210.247.32.0 MASK=255.255.224.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=210.247.64.0 MASK=255.255.192.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0
ENABLE IP DNSRELAY
ADD IP DNS INT=ppp0
ADD IP DNS DOMAIN=flets-c.jp INT=ppp1
ENABLE UPNP
ENABLE FIREWALL
CREATE FIREWALL POLICY=net
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY
ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE UPNPTYPE=LAN
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp1 TYPE=PUBLIC UPNPTYPE=WAN
SET FIREWALL POLICY=net UPNP=ENABLED
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp1
ENABLE DHCP
CREATE DHCP POLICY=BASE LEASETIME=3600
ADD DHCP POLICY=BASE SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1
CREATE DHCP RANGE=LOCAL POLICY=BASE IP=192.168.10.200 NUMBER=32





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