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CentreCOM AR550S 設定例集 2.9 #176

PPPoEによる端末型インターネット接続+IPv6ブリッジによるフレッツ・ドットネット(NTT東日本)/ フレッツ・v6アプリ(NTT西日本)接続


PPPoEによる端末型インターネット接続と、IPv6ブリッジによるフレッツ・ドットネット(NTT東日本)、またはフレッツ・v6アプリ(NTT西日本)への接続を同時に行います。

ISPからは次の情報を提供されているものとします。

表 1:ISPから提供された情報
PPPユーザー名 user@isp
PPPパスワード isppasswd
PPPoEサービス名 指定なし
IPアドレス グローバルアドレス1個(動的割り当て)
DNSサーバー 接続時に通知される

ルーターには、次のような方針で設定を行います。
以下にルーターの基本設定についてまとめます。

表 2:ルーターの基本設定
WAN側物理インターフェース eth0
WAN側(ppp0)IPアドレス 接続時にISPから取得する
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.1.1/24
ブリッジポート1 eth0
ブリッジポート2 vlan1
ブリッジするプロトコル IPv6

ルーターの設定

  1. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にPPPインターフェースを作成します。「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  2. ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. IPCPネゴシエーションで与えられたIPアドレスをPPPインターフェースで使用するように設定します。


  5. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。ISPとの接続が確立するまで、IPアドレスは確定しません。


  7. デフォルトルートをインターネット(ISP)側に向けます。


  8. DNSリレー機能を有効にします。


  9. DNSリレーの中継先を指定します。通常、中継先にはDNSサーバーのアドレスを指定しますが、IPCPによりアドレスを取得するまでは不明であるため、ここではインターフェース名を指定します。

    Note - このコマンドの代わりに「ADD IP DNS INT=ppp0」を使用することもできます。

  10. ファイアウォール機能を有効にします。


  11. ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。


  12. ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。

    Note - デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。

  13. ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。


  14. ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
    LAN側(vlan1)インターフェースをPRIVATE(内部)に設定します。


    WAN側(ppp0)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。


  15. LAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定します。グローバルアドレスには、ppp0のIPアドレスを使用します。


  16. ブリッジモジュールを有効にします。


  17. 各インターフェースにブリッジポートを作成します。


  18. ブリッジするプロトコルを指定します。ここでは、IPv6プロトコルをブリッジ対象にします。


  19. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

メモ

■ 本設定では、ルーター起動直後にPPPoEセッションが確立され、以後常時接続された状態となります。したがって、PPPoEセッションの切断、再接続は手動で行う必要があります。


■ 常時接続ではなく、LAN側からインターネット側に対して通信要求が発生したときに自動的にPPPoEセッションを確立し、無通信状態が60秒続いたときにPPPoEセッションを切断するには、次のコマンドを入力します。


■ DNSリクエストの転送先インターフェースを指定するコマンド(手順9)は、実在するインターフェースに対して適用する必要があります。この例では、2つのコマンドが必ず次の順序で実行されるようにしてください。

特に、設定ファイル(*.cfg)を直接「EDIT」で編集する場合や、作成済みの設定ファイルをダウンロード(LOAD)する場合、2つのコマンドの順序が入れ替わらないように注意してください。コマンド順序の違いによるトラブルは、わかりにくいため注意が必要です。


■ あらかじめDNSサーバーアドレスがわかっている場合は、手順9の代わりに、次のようにしてDNSサーバーを設定しておいてもかまいません。ただし、この場合は、ISP側の都合でアドレスが変更されると、手動で設定を変更する必要があります。


■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。

記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。


■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。

記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。

まとめ

ルーターのコンフィグ [テキスト版]
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@isp PASSWORD=isppasswd LQR=OFF ECHO=ON
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.1.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXT=0.0.0.0
ENABLE IP DNSRELAY
SET IP DNSRELAY INT=ppp0
ENABLE FIREWALL
CREATE FIREWALL POLICY=net
ENABLE FIREWALL POLICY=NET ICMP_F=PING,UNREACH
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY
ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0
ENABLE BRIDGE
ADD BRIDGE PORT=1 INT=eth0
ADD BRIDGE PORT=2 INT=vlan1
ADD BRIDGE PROTOCOL TYPE=86dd





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PN: J613-M0710-04 Rev.P

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