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CentreCOM AR560S 設定例集 2.9 #123

BGP-4:基本設定例


ドメイン間経路制御プロトコルBGP-4(Border Gateway Protocol version 4)の基本設定例です。シンプルなネットワーク構成を例に、I-BGP(内部BGP)とE-BGP(外部BGP)の両方の設定方法を示します。


Note - 本機能はオプション機能ですので、ご使用にはフィーチャー(追加機能)ライセンスが必要です。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。


各AS(65010、65020)にはそれぞれ次のルーターがあります。


この例では、以下のBGPセッションを張るための設定について示します。



ルーターAの設定

  1. IPモジュールを有効にします。


  2. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. 自AS番号を設定します。


  4. ルーターBをBGPピアとして指定します。自分と同じAS番号を持つピアはI-BGPピア(内部ピア)となります。


  5. BGPで配布する経路情報を指定します。ここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


  6. BGPピアとのセッションを開始します。


ルーターBの設定

  1. 専用線とPPPの設定を行います。


  2. IPモジュールを有効にします。


  3. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  4. 自AS番号を設定します。


  5. ルーターAをBGPピアとして指定します。自分と同じAS番号を持つピアはI-BGPピア(内部ピア)となります。「NEXTHOPSELF=YES」は、自分自身をNEXT_HOPとして通知するための設定です。


  6. ルーターCをBGPピアとして指定します。自分と異なるAS番号を持つピアはE-BGPピア(外部ピア)となります。


  7. BGPで通知する経路情報を指定します。ここではここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


    Note - 特定の経路だけを配布したい場合は、ADD BGP IMPORTコマンドではなく、ADD BGP NETWORKコマンドで配布するプレフィックスを指定します。詳細は本設定例末尾の「メモ」をご覧ください。

  8. BGPピアとのセッションを開始します。


ルーターCの設定

  1. 専用線とPPPの設定を行います。


  2. IPモジュールを有効にします。


  3. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  4. 自AS番号を設定します。


  5. ルーターBをBGPピアとして指定します。自分と異なるAS番号を持つピアはE-BGPピア(外部ピア)となります。


  6. BGPで通知する経路情報を指定します。ここではここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


    Note - 特定の経路だけを配布したい場合は、ADD BGP NETWORKコマンドで配布するプレフィックスを指定します。詳細は本設定例末尾の「メモ」をご覧ください。

  7. BGPピアとのセッションを開始します。


設定は以上です。


メモ

■ 特定の経路だけをBGP-4で配布したい場合は、ADD BGP IMPORTコマンドではなくADD BGP NETWORKコマンドで配布するプレフィックスを指定することができます。たとえば、ルーターBにおいて、ローカルルートのうち192.168.20.0/24の情報だけを配布するには、手順7の代わりに次のコマンドを実行します。なお、ADD BGP NETWORKコマンドで指定したプレフィックスは、(静的設定やIGPによって)ルーターの経路表に登録されているときだけBGPで通知されます。


■ 経路表を確認するには、SHOW IP ROUTEコマンドを使います。


■ BGPピアの状態はSHOW BGP PEERコマンドで確認します。


■ BGP-4の経路表を確認するには、SHOW BGP ROUTEコマンドを使います。


■ BGP-4の設定情報を確認するにはSHOW BGPコマンドを使います。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65010
ADD BGP PEER=192.168.100.2 REMOTEAS=65010
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.100.2


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET PRI=0 MODE=TDM TDMSLOTS=1-24
CREATE TDM GROUP=remote INT=pri0 SLOTS=1-24
CREATE PPP=0 OVER=TDM-remote
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.110.2 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65010
ADD BGP PEER=192.168.100.1 REMOTEAS=65010 NEXTHOPSELF=YES
ADD BGP PEER=192.168.110.1 REMOTEAS=65020
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.100.1
ENABLE BGP PEER=192.168.110.1


ルーターCのコンフィグ [テキスト版]
SET PRI=0 MODE=TDM TDMSLOTS=1-24
CREATE TDM GROUP=remote INT=pri0 SLOTS=1-24
CREATE PPP=0 OVER=TDM-remote
ENABLE IP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.30.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.110.1 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65020
ADD BGP PEER=192.168.110.2 REMOTEAS=65010
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.110.2





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