<前頁
次頁>
<<
>>
↓
目次 (番号順
(詳細)・
回線別
(詳細)・
機能別
(詳細))
CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #116 
専用線によるネイティブ型IPv6インターネット接続
専用線を使ってISPとIPv6のネイティブ型接続を行います。ここでは、純粋なIPv6ルーターとしての基本設定を示すため、IPv6フィルターなどの設定は行いません。
一般的なIPv6接続サービスでは、ネイティブ型、トンネル型などの接続形態にかかわらず、48ビット長(/48)のプレフィックスを割り当てられます。これは、64ビット長(/64)のサブネット65536個に相当する事実上無限のアドレス空間です。そのため、IPv6ではNATを使うことなく個々のホストがグローバルアドレスでインターネットにアクセスできます。
ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。
表 1:ルーターの基本設定
  | TDMグループ名 | 
  ISP | 
  | 回線速度 | 
  128Kbps | 
  | WAN側物理インターフェース | 
  bri0 | 
  | 使用できるプレフィックス | 
  3ffe:1:1::/48 | 
  | WAN側(ppp0)IPv6アドレス | 
  リンクローカルアドレスのみ | 
  | LAN側(eth0)IPv6アドレス | 
  3ffe:1:1:1::1/64 | 
この例では、ISPからプレフィックス3ffe:1:1::/48を割り当てられています。これは、3ffe:1:1:0::/64 〜 3ffe:1:1:ffff::/64 の65536個のサブネットを自由に使えることを示しています。ここでは、LAN側インターフェース(eth0)に3ffe:1:1:1::/64を割り当て、ルーター通知(RA)パケットでクライアントにプレフィックスなどの情報を通知します。

- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
  
    SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
  
 - bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対し、TDMグループ「ISP」を作成します。
  
    CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
  
 - PPPインターフェース「0」をTDMグループ「ISP」上に作成します。LQRはオフにします。
  
    CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP LQR=OFF ↓
  
 - IPv6モジュールを有効にします。
  
 - LAN側(eth0)インターフェースにIPv6アドレス3ffe:1:1:1::1/64を設定します。「PUBLISH=YES」は、LAN上にプレフィックスなどの情報を通知するよう指示するものです。IPv6対応クライアントホストは、ルーターから通知を受けることにより、自身のアドレスとデフォルトゲートウェイを自動設定できます。
  
    ADD IPV6 INT=eth0 IP=3ffe:1:1:1::1/64 PUBLISH=YES ↓
  
 - ルーター通知(RA)を有効にします。これにより、「PUBLISH=YES」と指定されたインターフェースでプレフィックスなどの通知を行うようになります。
  
 - WAN側(ppp0)インターフェースはグローバルアドレスを割り当てる必要が特にないので、CREATE IPV6 INTERFACEコマンドでリンクローカルアドレスだけを設定します(IPv4におけるUnnumbered PPPインターフェースとほぼ同じ扱い)。
  
 - デフォルトルートをWAN側(ppp0)インターフェースに向けて設定します。
  
    ADD IPV6 ROUTE=::/0 INT=ppp0 NEXT=:: ↓
  
 - 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
  
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
    
  
 
■ IPv6インターフェースの情報はSHOW IPV6 INTERFACEコマンドで確認できます。
  
■ 現在の設定内容を表示するには、次のコマンドを使います。
  
ルーターのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓ 
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓ 
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP LQR=OFF ↓ 
ENABLE IPV6 ↓ 
ADD IPV6 INT=eth0 IP=3ffe:1:1:1::1/64 PUBLISH=YES ↓ 
ENABLE IPV6 ADVERTISE ↓ 
CREATE IPV6 INT=ppp0 ↓ 
ADD IPV6 ROUTE=::/0 INT=ppp0 NEXT=:: ↓ 
 | 
CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #116 
(C) 1997 - 2008 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000216 Rev.C
<前頁
次頁>
<<
>>
↑
目次 (番号順
(詳細)・
回線別
(詳細)・
機能別
(詳細))