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CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #12 
ISDNによるIPX2点間接続
ISDN回線を使って2つのIPXネットワークを接続します。
ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。
表 1
  |   | 
  ルーターA | 
  ルーターB | 
  | ISDN番号 | 
  03-1234-1111 | 
  06-1234-2222 | 
  | ISDNコール名 | 
  TOOS | 
  TOOS | 
  | ISDN発着優先 | 
  発呼優先 | 
  着呼優先 | 
  | ISDN識別方式 | 
  サブアドレス識別 | 
  サブアドレス識別 | 
  | WAN側物理インターフェース | 
  bri0 | 
  bri0 | 
  | WAN側(ppp0)ネットワーク番号 | 
  129 | 
  129 | 
  | LAN側(eth0)ネットワーク番号 | 
  401 | 
  12 | 
  | ステーション番号(MACアドレス) | 
  0000f4740012 | 
  0000f4740022 | 
  | Ethernetフレームタイプ | 
  802.3 | 
  802.3 | 
  | ファイルサーバー名 | 
  Accounts | 
  (なし) | 
  | ファイルサーバー内部ネットワーク番号 | 
  7500 | 
  (なし) | 
  | ファイルサーバーステーション番号 | 
  00000001 | 
  (なし) | 
  | ファイルサーバーソケットアドレス | 
  0451 | 
  (なし) | 

- 接続先情報(ISDNコール)を定義します。ここではコール名を「TOOS」とし、接続先番号として「0612342222」を指定しています。「PRECEDENCE=OUT」は、ルーターBと同時に通信が発生した場合に、発呼を優先するよう指示するものです。また、「INTREQ=bri0」により、発呼に使用する物理インターフェースとしてbri0を指定します。
  
    ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0612342222 PRECEDENCE=OUT INTREQ=bri0 ↓
  
 - サブアドレスを設定します。「OUTSUB=LOCAL」により、自分のコール名(TOOS)をサブアドレスとして相手側に送信するよう指示します。また、「SEARCHSUB=LOCAL」により、自分のコール名と同じサブアドレスの着信呼にのみ応答するよう設定します。
  
    SET ISDN CALL=TOOS OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL ↓
  
 - ISDNコール「TOOS」上にPPPインターフェース「0」を作成します。また、「IDLE=ON」により、必要に応じて自動発呼するダイヤルオンデマンド機能を有効にします。
  
    CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON ↓
  
 - IPXモジュールを有効にします。
  
 - LAN側(eth0)インターフェースにIPXネットワーク番号を設定します。CIRCUITには任意の番号を、ENCAPSULATIONにはフレームタイプを指定します。
  
    ADD IPX CIRCUIT=1 INTERFACE=eth0 NETWORK=401 ENCAPSULATION=802.3 ↓
  
 - WAN側(ppp0)インターフェースにIPXネットワーク番号を設定します。CIRCUITには任意の番号を指定します。また、ダイヤルアップ環境向けのパラメーター「DEMAND=ON」を指定し、RIPパケットやSAPパケットの定期交換を行わないようにします。
  
    ADD IPX CIRCUIT=2 INTERFACE=ppp0 NETWORK=129 DEMAND=ON ↓
  
 - スタティックルートを設定します。ROUTEには接続先LANのIPXネットワーク番号、NEXTHOPには接続先ルーター(ルーターB)のWAN側IPXアドレス(WAN側ネットワーク番号:MACアドレス)を指定します。
  
    ADD IPX ROUTE=12 CIRCUIT=2 NEXTHOP=129:0000f4740022 ↓
  
Note
 - MACアドレスにはコロンやハイフンを含めないでください。本製品のMACアドレスは、SHOW ETH CONFIGURATIONコマンドかSHOW ETH MACADDRESSコマンドで確認できます。
 - 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
  
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
    
  
 
- 接続先情報(ISDNコール)を定義します。ここではコール名を「TOOS」とし、接続先番号として「0312341111」を指定しています。「PRECEDENCE=OUT」は、ルーターAと同時に通信が発生した場合に、着呼を優先するよう指示するものです。また、「INTREQ=bri0」により、発呼に使用する物理インターフェースとしてbri0を指定します。
  
    ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0312341111 PRECEDENCE=IN INTREQ=bri0 ↓
  
 - サブアドレスを設定します。「OUTSUB=LOCAL」により、自分のコール名(TOOS)をサブアドレスとして相手側に送信するよう指示します。また、「SEARCHSUB=LOCAL」により、自分のコール名と同じサブアドレスの着信呼にのみ応答するよう設定します。
  
    SET ISDN CALL=TOOS OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL ↓
  
 - ISDNコール「TOOS」上にPPPインターフェース「0」を作成します。また、「IDLE=ON」により、必要に応じて自動発呼するダイヤルオンデマンド機能を有効にします。
  
    CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON ↓
  
 - IPXモジュールを有効にします。
  
 - LAN側(eth0)インターフェースにIPXネットワーク番号を設定します。CIRCUITには任意の番号を、ENCAPSULATIONにはフレームタイプを指定します。
  
    ADD IPX CIRCUIT=1 INTERFACE=eth0 NETWORK=12 ENCAPSULATION=802.3 ↓
  
 - WAN側(ppp0)インターフェースにIPXネットワーク番号を設定します。CIRCUITには任意の番号を指定します。また、ダイヤルアップ環境向けのパラメーター「DEMAND=ON」を指定し、RIPパケットやSAPパケットの定期交換を行わないようにします。
  
    ADD IPX CIRCUIT=2 INTERFACE=ppp0 NETWORK=129 DEMAND=ON ↓
  
 - スタティックルートを設定します。ROUTEには接続先LANのIPXネットワーク番号、NEXTHOPには接続先ルーター(ルーターA)のWAN側IPXアドレス(WAN側ネットワーク番号:MACアドレス)を指定します。
  
    ADD IPX ROUTE=401 CIRCUIT=2 NEXTHOP=129:0000f4740012 ↓
  
Note
 - MACアドレスにはコロンやハイフンを含めないでください。本製品のMACアドレスは、SHOW ETH CONFIGURATIONコマンドかSHOW ETH MACADDRESSコマンドで確認できます。
 - ルーターA側にあるNetWareサーバーへの経路と、サーバーが提供するサービスをスタティックに登録します。ROUTEにはサーバーのインターナルネットワーク番号を指定します。SERVICEにはサーバー名を、ADDRESSにはファイルサーバーのインターナルネットワーク番号:ステーション番号:NCPソケットアドレスを指定します。TYPEにはサービスの種類を、HOPSにはサーバーまでのホップ数を指定します。
  
    
ADD IPX ROUTE=7500 CIRCUIT=2 NEXTHOP=129:0000f4740012 ↓
ADD IPX SERVICE=Accounts ADDRESS=7500:00000001:0451 TYPE=file CIRCUIT=2 HOPS=2 ↓
    
  
 - 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
  
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
    
  
 
■ 本製品のMACアドレスは、SHOW ETH CONFIGURATIONコマンドかSHOW ETH MACADDRESSコマンドで確認できます。
■ 手順6でDEMAND=OFF(デフォルト)に設定すると、定期的にRIPやSAPの交換が行われるため、そのたびに回線接続が発生して電話料金が加算されてしまいます。また、帯域が狭められてしまいますので、ダイヤルアップでご使用の方は通常DEMAND=ONに設定するようお勧めします。
■ 特定のサービスの情報をWAN越しに交換したくない場合は、ADD IPX SAPコマンドでSAPフィルターを作成し、これをWAN側IPXサーキットに適用します。
たとえば、プリンターサーバーの情報を交換したくない場合は次のようにします。ここでは、IPXサーキット「2」をWAN側と仮定します。2行目の設定により、プリンターサーバー以外のサービス情報は接続先にも送られます。
  
    
ADD IPX SAP=1 SERVICE=* TYPE=PRINTSERVER ACTION=EXCLUDE ↓
ADD IPX SAP=1 SERVICE=* TYPE=* ACTION=INCLUDE ↓
SET IPX CIRCUIT=2 OUTSAP=1 ↓
    
  
■ 特定のステーションやネットワークからのトラフィックをフォワードしたくない場合は、ADD IPX EXCLUSIONコマンドでトラフィックフィルターを設定します。次の例は、ステーション「10:0000f4123456」からのIPXパケットを遮断する設定です。
  
    ADD IPX EXCLUSION=10:0000f4123456 ↓
  
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0612342222 PRECEDENCE=OUT INTREQ=bri0 ↓ 
SET ISDN CALL=TOOS OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL ↓ 
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON ↓ 
ENABLE IPX ↓ 
ADD IPX CIRCUIT=1 INTERFACE=eth0 NETWORK=401 ENCAPSULATION=802.3 ↓ 
ADD IPX CIRCUIT=2 INTERFACE=ppp0 NETWORK=129 DEMAND=ON ↓ 
ADD IPX ROUTE=12 CIRCUIT=2 NEXTHOP=129:0000f4740022 ↓ 
 | 
ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0312341111 PRECEDENCE=IN INTREQ=bri0 ↓ 
SET ISDN CALL=TOOS OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL ↓ 
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON ↓ 
ENABLE IPX ↓ 
ADD IPX CIRCUIT=1 INTERFACE=eth0 NETWORK=12 ENCAPSULATION=802.3 ↓ 
ADD IPX CIRCUIT=2 INTERFACE=ppp0 NETWORK=129 DEMAND=ON ↓ 
ADD IPX ROUTE=401 CIRCUIT=2 NEXTHOP=129:0000f4740012 ↓ 
ADD IPX ROUTE=7500 CIRCUIT=2 NEXTHOP=129:0000f4740012 ↓ 
ADD IPX SERVICE=Accounts ADDRESS=7500:00000001:0451 TYPE=file CIRCUIT=2 HOPS=2 ↓ 
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CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #12 
(C) 1997 - 2008 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000216 Rev.C
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