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CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #22 
ISDNによる専用線バックアップ&補助(PPPセカンダリー/デマンドリンク)
PPPデマンドリンクとセカンダリーリンクを利用して、ISDNを専用線メイン回線の補助とバックアップに使用する設定例です。PPPデマンドリンクはメイン回線(PPPプライマリーリンク)のトラフィック量がしきい値を超えたときに自動的に起動され、マルチリンクバンドルに追加されるリンク(回線)です。また、PPPセカンダリーリンクはメイン回線(PPPプライマリーリンク)がダウンしたときに自動的に起動されるバックアップ用リンク(回線)です。
ここでは次のようなネットワーク構成を例に解説します。
表 1
  |   | 
  ルーターA | 
  ルーターB | 
  | プライマリーリンク | 
  専用線128Kbps | 
  専用線128Kbps | 
  | TDMグループ名 | 
  PRIMARY | 
  PRIMARY | 
  | セカンダリーリンク | 
  ISDN Bチャンネル×2 | 
  ISDN Bチャンネル×2 | 
  | デマンドリンク | 
  ISDN Bチャンネル×2 | 
  ISDN Bチャンネル×2 | 
  | ISDN番号(デマンド/セカンダリー共通) | 
  03-1234-1111 | 
  06-1234-2222 | 
  | ISDNコール名(デマンド) | 
  DEMAND | 
  DEMAND | 
  | ISDNコール名(セカンダリー) | 
  SECONDARY | 
  SECONDARY | 
  | ISDN発着優先 | 
  発呼優先 | 
  着呼優先 | 
  | ISDN識別方式 | 
  ユーザー間情報による識別 | 
  ユーザー間情報による識別 | 
  | WAN側物理インターフェース(専用線) | 
  bri0 | 
  bri0 | 
  | WAN側物理インターフェース(ISDN) | 
  pri0 | 
  pri0 | 
  | WAN側(ppp0)IPアドレス | 
  192.168.100.1/24 | 
  192.168.100.2/24 | 
  | LAN側(eth0)IPアドレス | 
  192.168.10.1/24 | 
  192.168.20.1/24 | 

- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
  
    SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
  
 - bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「PRIMARY」を作成します。
  
    CREATE TDM GROUP=PRIMARY INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
  
 - ISDNの接続先を作成します。コール名を「DEMAND」とし、ルーターBと同時に通信が発生した場合は発呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。
  
    ADD ISDN CALL=DEMAND NUMBER=0612342222 PREC=OUT INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=DEMAND ↓
  
 - ISDNの接続先を作成します。コール名を「SECONDARY」とし、ルーターBと同時に通信が発生した場合は発呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。
  
    ADD ISDN CALL=SECONDARY NUMBER=0612342222 PREC=OUT INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=SECONDARY ↓
  
 - TDMグループ「PRIMARY」上にPPPインターフェース「ppp0」を作成します。また、LQRパケットの送出間隔を10秒に、障害検出時のリンク再設定試行回数を2回に設定します。
  
    CREATE PPP=0 OVER=TDM-PRIMARY LQR=10 CONF=2 ↓
  
 - PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「DEMAND」をデマンドリンクとして追加します。また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。
  
    ADD PPP=0 OVER=ISDN-DEMAND TYPE=DEMAND NUMBER=2 ↓
  
 - PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「SECONDARY」をセカンダリーリンクとして追加します。 また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。
  
    ADD PPP=0 OVER=ISDN-SECONDARY TYPE=SECONDARY NUMBER=2 ↓
  
 - IPモジュールを有効にします。
  
 - EthernetインターフェースにIPアドレスを設定します。
  
    ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
  
 - PPPインターフェースにIPアドレスを設定します。
  
    ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0 ↓
  
 - 経路情報を設定します。
  
    ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2 ↓
  
 - 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
  
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
    
  
 
- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
  
    SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
  
 - bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「PRIMARY」を作成します。
  
    CREATE TDM GROUP=PRIMARY INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
  
 - ISDNの接続先を作成します。コール名を「DEMAND」とし、ルーターAと同時に通信が発生した場合は着呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。
  
    ADD ISDN CALL=DEMAND NUMBER=0312341111 PREC=IN INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=DEMAND ↓
  
 - ISDNの接続先を作成します。コール名を「SECONDARY」とし、ルーターAと同時に通信が発生した場合は着呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。
  
    ADD ISDN CALL=SECONDARY NUMBER=0312341111 PREC=IN INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=SECONDARY ↓
  
 - TDMグループ「PRIMARY」上にPPPインターフェース「ppp0」を作成します。また、LQRパケットの送出間隔を10秒に、障害検出時のリンク再設定試行回数を2回に設定します。
  
    CREATE PPP=0 OVER=TDM-PRIMARY LQR=10 CONF=2 ↓
  
 - PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「DEMAND」をデマンドリンクとして追加します。また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。
  
    ADD PPP=0 OVER=ISDN-DEMAND TYPE=DEMAND NUMBER=2 ↓
  
 - PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「SECONDARY」をセカンダリーリンクとして追加します。 また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。
  
    ADD PPP=0 OVER=ISDN-SECONDARY TYPE=SECONDARY NUMBER=2 ↓
  
 - IPモジュールを有効にします。
  
 - EthernetインターフェースにIPアドレスを設定します。
  
    ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
  
 - PPPインターフェースにIPアドレスを設定します。
  
    ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0 ↓
  
 - 経路情報を設定します。
  
    ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1 ↓
  
 - 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
  
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
    
  
 
■ セカンダリーリンク(バックアップリンク)は、プライマリーリンクの障害検出後、指定時間が経過してから起動されます。セカンダリーリンクには、通常ISDN回線やアナログ回線を指定しますが、これらの回線はプライマリーリンクがダウンしている間中接続された状態となりますので、通信料金等にご注意ください。
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓ 
CREATE TDM GROUP=PRIMARY INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓ 
ADD ISDN CALL=DEMAND NUMBER=0612342222 PREC=OUT INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=DEMAND ↓ 
ADD ISDN CALL=SECONDARY NUMBER=0612342222 PREC=OUT INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=SECONDARY ↓ 
CREATE PPP=0 OVER=TDM-PRIMARY LQR=10 CONF=2 ↓ 
ADD PPP=0 OVER=ISDN-DEMAND TYPE=DEMAND NUMBER=2 ↓ 
ADD PPP=0 OVER=ISDN-SECONDARY TYPE=SECONDARY NUMBER=2 ↓ 
ENABLE IP ↓ 
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓ 
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0 ↓ 
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2 ↓ 
 | 
ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓ 
CREATE TDM GROUP=PRIMARY INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓ 
ADD ISDN CALL=DEMAND NUMBER=0312341111 PREC=IN INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=DEMAND ↓ 
ADD ISDN CALL=SECONDARY NUMBER=0312341111 PREC=IN INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=SECONDARY ↓ 
CREATE PPP=0 OVER=TDM-PRIMARY LQR=10 CONF=2 ↓ 
ADD PPP=0 OVER=ISDN-DEMAND TYPE=DEMAND NUMBER=2 ↓ 
ADD PPP=0 OVER=ISDN-SECONDARY TYPE=SECONDARY NUMBER=2 ↓ 
ENABLE IP ↓ 
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓ 
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0 ↓ 
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1 ↓ 
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CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #22 
(C) 1997 - 2008 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000216 Rev.C
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