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CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #35 
専用線によるインターネット接続(DNSリレー/DHCPサーバー)
専用線を使ってインターネットサービスプロバイダー(ISP)に接続します。この例では、DNSリレーとDHCPサーバーの設定を追加しています。また、ファイアウォールで外部からの不正アクセスを防止します。
DNSリレーは、本ルーターに対するDNSリクエストを、他のサーバーにリレーする機能です。
クライアント側で本ルーターをDNSサーバーに指定しておけば、DNSサーバーのアドレスが変更されても、本ルーターに設定されているサーバーアドレスを変更するだけですみます。個々のクライアントの設定は変更する必要がないため、管理・保守効率が向上します。
ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。この例では、DHCPサーバー機能を併用し、本製品をDNSサーバーとして使うよう各クライアントに通知しています。本製品は、受け取ったDNSリクエストをISPのネームサーバーにリレーします。
表 1:ルーターの基本設定
  | TDMグループ名 | 
  ISP | 
  | 回線速度 | 
  128Kbps | 
  | WAN側物理インターフェース | 
  bri0 | 
  | WAN側(ppp0)IPアドレス | 
  202.10.1.10/24 | 
  | LAN側(eth0)IPアドレス | 
  192.168.10.1/24 | 
  | DNSサーバーのIPアドレス | 
  202.10.2.192 | 
  | DHCPサーバー機能 | 
  使う | 
表 2:ルーターのDHCPサーバー設定
  | DHCPポリシー名 | 
  subnet10 | 
  | 使用期限 | 
  3600(秒) | 
  | サブネットマスク | 
  255.255.255.0 | 
  | デフォルトルート | 
  192.168.10.1 | 
  | DNSサーバー | 
  192.168.10.1(ISPのDNSにリレーする) | 
  | DHCPレンジ名 | 
  ip10 | 
  | 提供するIPアドレスの範囲 | 
  192.168.10.128〜192.168.10.130(3個) | 

- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
  
    SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
  
 - bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「ISP」を作成します。
  
    CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
  
 - PPPインターフェース「0」をTDMグループ「ISP」上に作成します。
  
    CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP ↓
  
 - IPモジュールを有効にします。
  
 - LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。
  
    ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
  
 - WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。
  
    ADD IP INT=ppp0 IP=202.10.1.10 MASK=255.255.255.0 ↓
  
 - デフォルトルートを設定します。
  
    ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXT=0.0.0.0 ↓
  
 - 本ルーターが使用するDNSサーバーのIPアドレス(ISPから提供されたもの)を設定します。
  
    ADD IP DNS PRIMARY=202.10.2.192 ↓
  
 - DNSリレー機能を有効にします。
  
 - ファイアウォール機能を有効にします。
  
 - ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。
  
    CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
  
 - ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。
  
    ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACHABLE ↓
  
 - ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、TCP-RSTを返すよう設定します。
  
    DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
  
 - ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
- LAN側(eth0)インターフェースをPRIVATEに設定します。
  
    ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE ↓
  
 - WAN側(ppp0)インターフェースをPUBLICに設定します。
  
    ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
  
 
 - エンハンストNATの設定を行います。LAN側(eth0)ホストのIPアドレスを、ISPから割り当てられたグローバルアドレス(ppp0のアドレス)に変換するよう設定します。
  
    ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0 ↓
  
 - ルーターのDHCPサーバー機能を有効にします。
  
 - DHCPポリシー「subnet10」を作成します。IPアドレスの使用期限は3,600秒(1時間)とします。
  
    CREATE DHCP POLICY=subnet10 LEASETIME=3600 ↓
  
 - クライアントに提供する情報を設定します。ここでは、DNSサーバーアドレスとして、ルーターのLAN側(eth0)インターフェースのIPアドレスを指定しています。DNSリレー機能により、ルーターはLAN側クライアントからのDNSリクエストをISPのDNSサーバーにリレーします。
  
    ADD DHCP POLICY=subnet10 SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1 ↓
  
 - クライアントに提供するIPアドレスの範囲を設定します。ここでは、192.168.10.128〜192.168.10.130の3個を指定しています。
  
    CREATE DHCP RANGE=ip10 POLICY=subnet10 IP=192.168.10.128 NUMBER=3 ↓
  
 - 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
  
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
    
  
 
■ ISPからログイン名とパスワードを指定されている場合は、手順3の次に以下のコマンドを追加してください。ここでは、ログイン名として「ispuser」、パスワードとして「isppasswd」を設定しています。
  
    SET PPP=0 USER=ispuser PASSWORD=isppasswd ↓
  
■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。
  
    ENABLE FIREWALL POLICY=net LOG=DENY ↓
  
記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。
  
■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。
  
    
ADD IP FILTER=0 SO=0.0.0.0 PROTO=ICMP ICMPTYPE=ECHO LOG=HEADER ACTION=EXCLUDE ↓
ADD IP FILTER=0 SO=0.0.0.0 ACTION=INCLUDE ↓
SET IP INT=ppp0 FILTER=0 ↓
    
  
記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。
  
■ 現在の設定内容を表示するには、次のコマンドを使います。
  
ルーターのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓ 
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓ 
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP ↓ 
ENABLE IP ↓ 
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓ 
ADD IP INT=ppp0 IP=202.10.1.10 MASK=255.255.255.0 ↓ 
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXT=0.0.0.0 ↓ 
ADD IP DNS PRIMARY=202.10.2.192 ↓ 
ENABLE IP DNSRELAY ↓ 
ENABLE FIREWALL ↓ 
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓ 
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACHABLE ↓ 
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓ 
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE ↓ 
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓ 
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0 ↓ 
ENABLE DHCP ↓ 
CREATE DHCP POLICY=subnet10 LEASETIME=3600 ↓ 
ADD DHCP POLICY=subnet10 SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1 ↓ 
CREATE DHCP RANGE=ip10 POLICY=subnet10 IP=192.168.10.128 NUMBER=3 ↓ 
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CentreCOM AR740 設定例集 2.6 #35 
(C) 1997 - 2008 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000216 Rev.C
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