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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #109

IPルートフィルター


IPルートフィルターを使って、ルーティングプロトコルによって通知される経路情報のうち、特定の経路を受信・伝播しないように設定します。

IPルートフィルターは、おもにダイナミックルーティングプロトコル(RIP/OSPF)による経路情報のやりとりを制御する機能です。特定の経路情報を受け取らないようにしたり、通知しないようにしたりすることができます。

ここでは、OSPFが使われているネットワークとRIP2が使われているネットワークの境界に位置するAS境界ルーター(ASBR)を想定し、LAN上のルーターからOSPFで通知されてくる経路情報のうち、192.168.100.0/24の情報を受け取らず、結果として専用線で接続された対向RIPルーターにも通知されないようにします。

IPルートフィルターは、対象ルーティングプロトコルがOSPFであるか、RIPであるかによって、DIRECTIONパラメーターの指定方法に違いがあります。その違いを示す例にもなっています。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
TDMグループ名 TOOS TOOS
回線速度 128Kbps 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
WAN側(ppp0)IPアドレス 172.16.10.1/24 172.16.10.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24
役割 OSPF ASBR(OSPFとRIP2) RIP2ルーター



ルーターAの設定

  1. 専用線の設定を行います。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  5. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースでRIP2を有効にします。


  7. バックボーンエリア(0.0.0.0)を定義します。


  8. バックボーンエリアに所属するネットワークの範囲を指定します。


  9. OSPFメッセージを送受信するインターフェースをエリアに割り当てます。


  10. ASBR(エリア境界ルーター)として動作するよう設定します。


  11. OSPFモジュールを有効にします。


  12. IPルートフィルターの設定を行います。ここでは、LAN側(eth0)で受信したOSPFの経路情報のうち、192.168.100.0/24に関する情報だけを受け取らないように設定します。その他の経路情報は、送信・受信とも通常どおり行います。


  13. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. 専用線の設定を行います。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  5. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  6. LAN側(eth0)インターフェースでRIP2を有効にします。


  7. WAN側(ppp0)インターフェースでRIP2を有効にします。


  8. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP RIP INT=ppp0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2
ADD OSPF AREA=BACKBONE
ADD OSPF RANGE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 AREA=BACKBONE
ADD OSPF INT=eth0 AREA=BACKBONE
SET OSPF ASEXTERNAL=ON RIP=BOTH
ENABLE OSPF
ADD IP ROUTE FILTER IP=192.168.100.* MASK=255.255.255.* AC=EXCLUDE DIR=RECEIVE INT=eth0 PROTO=OSPF
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE DIR=SEND INT=eth0 PROTO=OSPF
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE DIR=RECEIVE INT=eth0 PROTO=OSPF
ADD IP ROUTE FILTER IP=*.*.*.* MASK=*.*.*.* AC=INCLUDE INT=ppp0 PROTO=RIP


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.10.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP RIP INT=eth0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2
ADD IP RIP INT=ppp0 SEND=RIP2 RECEIVE=RIP2





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