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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #116

専用線によるネイティブ型IPv6インターネット接続


専用線を使ってISPとIPv6のネイティブ型接続を行います。ここでは、純粋なIPv6ルーターとしての基本設定を示すため、IPv6フィルターなどの設定は行いません。

一般的なIPv6接続サービスでは、ネイティブ型、トンネル型などの接続形態にかかわらず、48ビット長(/48)のプレフィックスを割り当てられます。これは、64ビット長(/64)のサブネット65536個に相当する事実上無限のアドレス空間です。そのため、IPv6ではNATを使うことなく個々のホストがグローバルアドレスでインターネットにアクセスできます。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。

表 1:ルーターの基本設定
TDMグループ名 ISP
回線速度 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0
使用できるプレフィックス 3ffe:1:1::/48
WAN側(ppp0)IPv6アドレス リンクローカルアドレスのみ
LAN側(eth0)IPv6アドレス 3ffe:1:1:1::1/64


この例では、ISPからプレフィックス3ffe:1:1::/48を割り当てられています。これは、3ffe:1:1:0::/64 〜 3ffe:1:1:ffff::/64 の65536個のサブネットを自由に使えることを示しています。ここでは、LAN側インターフェース(eth0)に3ffe:1:1:1::/64を割り当て、ルーター通知(RA)パケットでクライアントにプレフィックスなどの情報を通知します。



ルーターの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対し、TDMグループ「ISP」を作成します。


  3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「ISP」上に作成します。LQRはオフにします。


  4. IPv6モジュールを有効にします。


  5. LAN側(eth0)インターフェースにIPv6アドレス3ffe:1:1:1::1/64を設定します。「PUBLISH=YES」は、LAN上にプレフィックスなどの情報を通知するよう指示するものです。IPv6対応クライアントホストは、ルーターから通知を受けることにより、自身のアドレスとデフォルトゲートウェイを自動設定できます。


  6. ルーター通知(RA)を有効にします。これにより、「PUBLISH=YES」と指定されたインターフェースでプレフィックスなどの通知を行うようになります。


  7. WAN側(ppp0)インターフェースはグローバルアドレスを割り当てる必要が特にないので、CREATE IPV6 INTERFACEコマンドでリンクローカルアドレスだけを設定します(IPv4におけるUnnumbered PPPインターフェースとほぼ同じ扱い)。


  8. デフォルトルートをWAN側(ppp0)インターフェースに向けて設定します。


  9. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ IPv6インターフェースの情報はSHOW IPV6 INTERFACEコマンドで確認できます。


■ 現在の設定内容を表示するには、次のコマンドを使います。

まとめ

ルーターのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP LQR=OFF
ENABLE IPV6
ADD IPV6 INT=eth0 IP=3ffe:1:1:1::1/64 PUBLISH=YES
ENABLE IPV6 ADVERTISE
CREATE IPV6 INT=ppp0
ADD IPV6 ROUTE=::/0 INT=ppp0 NEXT=::





CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #116

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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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