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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #126

BGP-4:ASコンフェデレーション


ドメイン間経路制御プロトコルBGP-4(Border Gateway Protocol version 4)の設定例です。ここでは、大きなASを複数のサブASに分割し、サブAS間でコンフェデレーションE-BGPセッションを張るコンフェデレーションASの設定方法を示します。同一AS内のBGPセッションはI-BGP(内部BGP)と呼ばれますが、I-BGPセッションでは他のI-BGPピアから受信した経路情報を再配布できないため、大きなASではI-BGPセッションをフルメッシュで張る必要があります。ASをサブASに分割することにより、I-BGPセッション数を少なくすることができます。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。


AS 65020には4台のルーターが所属しています。通常のI-BGP構成では、4台をフルメッシュするため全部で6本のI-BGPセッションが必要になります。

ここでは、AS 65020をAS 65021とAS 65022という2つのサブASに分割し、両サブAS間をコンフェデレーションE-BGP(C-EBGP)セッションで接続することにより、AS 65020内のBGPセッション数を3本に削減しています。

サブASはコンフェデレーションの中からしか見えず、コンフェデレーションの外部(他のAS)からは単一のASのように見えます。

ルーターAの設定

  1. IPモジュールを有効にします。


  2. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. 自AS番号を設定します。コンフェデレーションAS設定時は、サブAS番号を指定します。


  4. 所属するコンフェデレーションIDを指定します。


  5. ルーターBをBGPピアとして指定します。自分と同じAS番号を持つピアはI-BGPピア(内部ピア)となります。「NEXTHOPSELF=YES」は、自分自身をNEXT_HOPとして通知するための設定です。


  6. ルーターCをBGPピアとして指定します。自分と異なるサブAS番号を持つピアは、次のSET BGP CONFEDERATIONPEERコマンドの設定とあわせて、C-EBGPピア(コンフェデレーションE-BGPピア)となります。「NEXTHOPSELF=YES」は、自分自身をNEXT_HOPとして通知するための設定です。


  7. 同一コンフェデレーションに所属するC-EBGPピア(ルーターC)のサブAS番号を指定します。


  8. BGPで配布する経路情報を指定します。ここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


  9. 各BGPピアとのセッションを開始します。


ルーターBの設定

  1. 専用線の設定を行います。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  5. 自AS番号を設定します。コンフェデレーションAS設定時は、サブAS番号を指定します。


  6. 所属するコンフェデレーションIDを指定します。


  7. ルーターAをBGPピアとして指定します。自分と同じAS番号を持つピアはI-BGPピア(内部ピア)となります。「NEXTHOPSELF=YES」は、自分自身をNEXT_HOPとして通知するための設定です。


  8. ISPのルーター(192.168.100.1)をBGPピアとして指定します。自分と異なるAS番号を持つピアはE-BGPピア(外部ピア)となります。


  9. BGPで配布する経路情報を指定します。ここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


  10. 各BGPピアとのセッションを開始します。


ルーターCの設定

  1. IPモジュールを有効にします。


  2. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. 自AS番号を設定します。コンフェデレーションAS設定時は、サブAS番号を指定します。


  4. 所属するコンフェデレーションIDを指定します。


  5. ルーターDをBGPピアとして指定します。自分と同じAS番号を持つピアはI-BGPピア(内部ピア)となります。「NEXTHOPSELF=YES」は、自分自身をNEXT_HOPとして通知するための設定です。


  6. ルーターAをBGPピアとして指定します。自分と異なるサブAS番号を持つピアは、次のSET BGP CONFEDERATIONPEERコマンドの設定とあわせて、C-EBGPピア(コンフェデレーションE-BGPピア)となります。「NEXTHOPSELF=YES」は、自分自身をNEXT_HOPとして通知するための設定です。


  7. 同一コンフェデレーションに所属するC-EBGPピア(ルーターA)のサブAS番号を指定します。


  8. BGPで配布する経路情報を指定します。ここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


  9. 各BGPピアとのセッションを開始します。


ルーターDの設定

  1. IPモジュールを有効にします。


  2. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. 自AS番号を設定します。コンフェデレーションAS設定時は、サブAS番号を指定します。


  4. 所属するコンフェデレーションIDを指定します。


  5. ルーターCをBGPピアとして指定します。自分と同じAS番号を持つピアはI-BGPピア(内部ピア)となります。


  6. BGPで配布する経路情報を指定します。ここでは静的経路(ローカル経路)を配布します。


  7. 各BGPピアとのセッションを開始します。


メモ

■ 経路表を確認するには、SHOW IP ROUTEコマンドを使います。


■ BGPピアの状態はSHOW BGP PEERコマンドで確認します。


■ BGP-4の経路表を確認するには、SHOW BGP ROUTEコマンドを使います。


■ BGP-4の設定情報を確認するにはSHOW BGPコマンドを使います。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.110.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=eth1 IP=192.168.120.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=eth2 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65021
SET BGP CONFEDERATIONID=65020
ADD BGP PEER=192.168.110.2 REMOTEAS=65021 NEXTHOPSELF=YES
ADD BGP PEER=192.168.120.2 REMOTEAS=65022 NEXTHOPSELF=YES
ADD BGP CONFEDERATIONPEER=65022
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.110.2
ENABLE BGP PEER=192.168.120.2


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET PRI=0 MODE=TDM TDMSLOTS=1-24
CREATE TDM GROUP=isp INT=pri0 SLOTS=1-24
CREATE PPP=0 OVER=TDM-isp
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.110.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=eth1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65021
SET BGP CONFEDERATIONID=65020
ADD BGP PEER=192.168.110.1 REMOTEAS=65021 NEXTHOPSELF=YES
ADD BGP PEER=192.168.100.1 REMOTEAS=65010
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.110.1
ENABLE BGP PEER=192.168.100.1


ルーターCのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.130.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=eth1 IP=192.168.120.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=eth2 IP=192.168.30.1 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65022
SET BGP CONFEDERATIONID=65020
ADD BGP PEER=192.168.130.2 REMOTEAS=65022 NEXTHOPSELF=YES
ADD BGP PEER=192.168.120.1 REMOTEAS=65021 NEXTHOPSELF=YES
ADD BGP CONFEDERATIONPEER=65021
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.130.2
ENABLE BGP PEER=192.168.120.1


ルーターDのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.130.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=eth1 IP=192.168.40.1 MASK=255.255.255.0
SET IP AUTONOMOUS=65022
SET BGP CONFEDERATIONID=65020
ADD BGP PEER=192.168.130.1 REMOTEAS=65022
ADD BGP IMPORT=STATIC
ENABLE BGP PEER=192.168.130.1





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