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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #22

ISDNによる専用線バックアップ&補助(PPPセカンダリー/デマンドリンク)


PPPデマンドリンクとセカンダリーリンクを利用して、ISDNを専用線メイン回線の補助とバックアップに使用する設定例です。PPPデマンドリンクはメイン回線(PPPプライマリーリンク)のトラフィック量がしきい値を超えたときに自動的に起動され、マルチリンクバンドルに追加されるリンク(回線)です。また、PPPセカンダリーリンクはメイン回線(PPPプライマリーリンク)がダウンしたときに自動的に起動されるバックアップ用リンク(回線)です。

ここでは次のようなネットワーク構成を例に解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
プライマリーリンク 専用線128Kbps 専用線128Kbps
TDMグループ名 PRIMARY PRIMARY
セカンダリーリンク ISDN Bチャンネル×2 ISDN Bチャンネル×2
デマンドリンク ISDN Bチャンネル×2 ISDN Bチャンネル×2
ISDN番号(デマンド/セカンダリー共通) 03-1234-1111 06-1234-2222
ISDNコール名(デマンド) DEMAND DEMAND
ISDNコール名(セカンダリー) SECONDARY SECONDARY
ISDN発着優先 発呼優先 着呼優先
ISDN識別方式 ユーザー間情報による識別 ユーザー間情報による識別
WAN側物理インターフェース(専用線) bri0 bri0
WAN側物理インターフェース(ISDN) pri0 pri0
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24



ルーターAの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「PRIMARY」を作成します。


  3. ISDNの接続先を作成します。コール名を「DEMAND」とし、ルーターBと同時に通信が発生した場合は発呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。


  4. ISDNの接続先を作成します。コール名を「SECONDARY」とし、ルーターBと同時に通信が発生した場合は発呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。


  5. TDMグループ「PRIMARY」上にPPPインターフェース「ppp0」を作成します。また、LQRパケットの送出間隔を10秒に、障害検出時のリンク再設定試行回数を2回に設定します。


  6. PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「DEMAND」をデマンドリンクとして追加します。また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。


  7. PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「SECONDARY」をセカンダリーリンクとして追加します。 また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。


  8. IPモジュールを有効にします。


  9. EthernetインターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. PPPインターフェースにIPアドレスを設定します。


  11. 経路情報を設定します。


  12. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。




ルーターBの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「PRIMARY」を作成します。


  3. ISDNの接続先を作成します。コール名を「DEMAND」とし、ルーターAと同時に通信が発生した場合は着呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。


  4. ISDNの接続先を作成します。コール名を「SECONDARY」とし、ルーターAと同時に通信が発生した場合は着呼を優先するよう設定します。着呼時はユーザー間情報による識別を行います。また、発呼に使うインターフェースとしてpri0を指定します。


  5. TDMグループ「PRIMARY」上にPPPインターフェース「ppp0」を作成します。また、LQRパケットの送出間隔を10秒に、障害検出時のリンク再設定試行回数を2回に設定します。


  6. PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「DEMAND」をデマンドリンクとして追加します。また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。


  7. PPPインターフェース「ppp0」にISDNコール「SECONDARY」をセカンダリーリンクとして追加します。 また、NUMBER=2を指定して、Bチャンネル2本(128Kbps)を使用するよう設定します。


  8. IPモジュールを有効にします。


  9. EthernetインターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. PPPインターフェースにIPアドレスを設定します。


  11. 経路情報を設定します。


  12. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ セカンダリーリンク(バックアップリンク)は、プライマリーリンクの障害検出後、指定時間が経過してから起動されます。セカンダリーリンクには、通常ISDN回線やアナログ回線を指定しますが、これらの回線はプライマリーリンクがダウンしている間中接続された状態となりますので、通信料金等にご注意ください。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=PRIMARY INT=bri0 SLOTS=1-2
ADD ISDN CALL=DEMAND NUMBER=0612342222 PREC=OUT INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=DEMAND
ADD ISDN CALL=SECONDARY NUMBER=0612342222 PREC=OUT INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=SECONDARY
CREATE PPP=0 OVER=TDM-PRIMARY LQR=10 CONF=2
ADD PPP=0 OVER=ISDN-DEMAND TYPE=DEMAND NUMBER=2
ADD PPP=0 OVER=ISDN-SECONDARY TYPE=SECONDARY NUMBER=2
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=PRIMARY INT=bri0 SLOTS=1-2
ADD ISDN CALL=DEMAND NUMBER=0312341111 PREC=IN INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=DEMAND
ADD ISDN CALL=SECONDARY NUMBER=0312341111 PREC=IN INTREQ=pri0 OUTUSER=LOCAL SEARCHUSER=REMOTE REMOTE=SECONDARY
CREATE PPP=0 OVER=TDM-PRIMARY LQR=10 CONF=2
ADD PPP=0 OVER=ISDN-DEMAND TYPE=DEMAND NUMBER=2
ADD PPP=0 OVER=ISDN-SECONDARY TYPE=SECONDARY NUMBER=2
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1





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