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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #3

ISDNによるIP2点間接続(プロキシーARP)


ISDN回線を使って2つの拠点をIP接続します。この例では、センター側LANのアドレスの一部をリモート側に割り当て、プロキシーARPによってルーティングする例を示しています。

ここでは、ルーターAに接続されている192.168.10.0/24のネットワークのうち、192.168.10.240〜192.168.10.255(192.168.10.240/28)をルーターBに割り当てます。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
ISDN番号 03-1234-1111 06-1234-2222
ISDNコール名 TOOS TOOS
ISDN発着優先 発呼優先 着呼優先
ISDN識別方式 サブアドレス識別 サブアドレス識別
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
PPPユーザー名 AAA BBB
PPPパスワード PasswordA PasswordB
PPP認証方式 CHAP CHAP
マルチリンクPPP(MP) 使用しない 使用しない
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.10.241/28



ルーターAの設定

  1. 接続先情報(ISDNコール)を定義します。ここではコール名を「TOOS」とし、接続先番号として「0612342222」を指定しています。「PRECEDENCE=OUT」は、ルーターBと同時に通信が発生した場合に、発呼を優先するよう指示するものです。また、「INTREQ=bri0」により、発呼に使用する物理インターフェースとしてbri0を指定します。


  2. サブアドレスを設定します。「OUTSUB=LOCAL」により、自分のコール名(TOOS)をサブアドレスとして相手側に送信するよう指示します。また、「SEARCHSUB=LOCAL」により、自分のコール名と同じサブアドレスの着信呼にのみ応答するよう設定します。


  3. ISDNコール「TOOS」上にPPPインターフェース「0」を作成します。また、「IDLE=ON」により、必要に応じて自動発呼するダイヤルオンデマンド機能を有効にします。


  4. 接続相手(ルーターB)のPPPユーザー名とパスワードをユーザー認証データベースに登録します。これは、PPPのネゴシエーションで相手を認証するためのものです。


  5. 自分のPPPユーザー名とパスワードを設定します。これは、PPPのネゴシエーションで相手から認証を受けるためのものです。


  6. PPP認証方式(相手を認証するときの方式)をCHAPに設定します。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. ルーターB側サブネット(192.168.10.240/28)への経路を優先度最高(PREFERENCE=0)で登録し、プロキシーARPが働くようにします。これにより、ルーターAのLAN側端末から192.168.10.241〜192.168.10.254へのARP要求に対し、ルーターAが代理で応答するようになります。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


ルーターBの設定

  1. 接続先情報(ISDNコール)を定義します。ここではコール名を「TOOS」とし、接続先番号として「0312341111」を指定しています。「PRECEDENCE=IN」は、ルーターAと同時に通信が発生した場合に、着呼を優先するよう指示するものです。また、「INTREQ=bri0」により、発呼に使用する物理インターフェースとしてbri0を指定します。


  2. サブアドレスを設定します。「OUTSUB=LOCAL」により、自分のコール名(TOOS)をサブアドレスとして相手側に送信するよう指示します。また、「SEARCHSUB=LOCAL」により、自分のコール名と同じサブアドレスの着信呼にのみ応答するよう設定します。


  3. ISDNコール「TOOS」上にPPPインターフェース「0」を作成します。また、「IDLE=ON」により、必要に応じて自動発呼するダイヤルオンデマンド機能を有効にします。


  4. 接続相手(ルーターA)のPPPユーザー名とパスワードをユーザー認証データベースに登録します。これは、PPPのネゴシエーションで相手を認証するためのものです。


  5. 自分のPPPユーザー名とパスワードを設定します。これは、PPPのネゴシエーションで相手から認証を受けるためのものです。


  6. PPP認証方式(相手を認証するときの方式)をCHAPに設定します。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. デフォルトルートを設定します。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ プロキシーARPを使用しない場合は、ルーターAで次のコマンドを実行します。プロキシーARPはデフォルトでオンになっています。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0612342222 PRECEDENCE=OUT INTREQ=bri0
SET ISDN CALL=TOOS OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON
ADD USER=BBB PASSWORD=PasswordB LOGIN=NO
SET PPP=0 USER=AAA PASSWORD=PasswordA
SET PPP=0 OVER=ISDN-TOOS AUTHENTICATION=CHAP
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.240 MASK=255.255.255.240 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2 PREFERENCE=0


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0312341111 PRECEDENCE=IN INTREQ=bri0
SET ISDN CALL=TOOS OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON
ADD USER=AAA PASSWORD=PasswordA LOGIN=NO
SET PPP=0 USER=BBB PASSWORD=PasswordB
SET PPP=0 OVER=ISDN-TOOS AUTHENTICATION=CHAP
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.241 MASK=255.255.255.240
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1





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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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